石けんを食べても焦らないで！前頭側頭型認知症が関係あるかも！？
こんにちは！
おじいちゃんおばあちゃん大好き老人ホーム勤務の看護師松本です。
職場の入居者さんは、ほとんどの方が認知症です！
皆さんは、認知症にさまざまな種類があるって知っていましたか？
日々、老人ホームで働く中で、いろんな珍事件が起きたり起きなかったり（笑）
今回は認知症について、職場で起きた事件を紹介しようと思います♪
知ってた？精神疾患と間違われやすい前頭側頭型認知症！
日本は超高齢化社会であり、4人に1人が65歳以上です！
そんな中で、周りにも認知症の方がいたり、目にしたりすることが増えたのではないでしょうか？
認知症って言葉は聞いたことあると思いますが、認知症にも様々な種類があります。
有名なのがアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症と呼ばれており、「四大認知症」になります！
その中でも、今回紹介したいのが前頭側頭型認知症です⭐️
その名の通り前頭葉と側頭葉に関連します。
前頭葉
言語、判断力、意欲、注意力、想像力、自制力、記憶力などに関係あり。
この部分が機能低下すると行動や感情をコントロールすることが難しくなってきます。
側頭葉
言語、記憶、聴覚などが大きく関係しており、障害を受けると部位によっては著しい言語障害や記憶障害が起きてしまいます。
人格の変化や行動障害、失語症、認知機能障害、運動障害などがゆっくり進んでいくと言われています｡
初めは、もの忘れが目立たないため、認知症だと気付きにくく、行動や感情のコントロールが効かないことから精神疾患にも間違われやすいです。
異常な部位によっていろんな行動障害が起きる！気になる症状を紹介♪
前頭葉、側頭葉がいろんな行動に作用していることがわかったと思います。
では、異常が起きるとどんな障害が引き起こされるのか気になりますよね。
◯同じことを繰り返す
・毎日決まった時間に同じ行動を繰り返すようになる（時刻表的生活）
・毎日一定の時刻になると同じコースを歩きまわる（常同的周遊）
・膝や机を叩いたり、反復した行動が見られる
◯食べることに対する異常行動
・食の好みが変わる、甘いものや味の濃いものを好んで食べる
・同じメニューの料理ばかり作ったり、同じ食べ物を食べ続けたりする
・手に取るものなんでも口に入れて食べようとする
◯注意、集中力の低下
・一つのことに集中できず、すぐに席を立つ
・突然部屋を出ていく
・突然動き出したり、ボーとしたりする
◯意欲低下、無関心
・身だしなみや清潔に関心がなくなる
・無関心になって引きこもりがちになる
・言葉を話さなくなり、座ったまま動かなくなる
◯軽度な記憶障害
・見当識や計算力もあり、記憶障害や物忘れは軽度である
・分かりにくいため本人や家族も気づかないほど病識が乏しい
などなど
こんな感じで様々な異変が起きるのですが、MRIやCT検査をすることで確認できる病気になります！
もし、周りや家族で当てはまる方は画像診断をしてもらうといいかもしれません。
参考：前頭側頭型認知症 | 福岡の脳神経外科 - はしぐち脳神経クリニック
【事例紹介】石鹸を食べて唇オバケに！？なんでも口の中に入れてしまう場合は危険！
今回、実際に起きた事件を紹介します！
80歳代女性、前頭側頭型認知症
自身の部屋と食堂の本人席との往復を常にしている
異食行為あり共同スペースには物を置かないように配慮していた
ある夜勤帯で他の入居者の部屋の石鹸を取ってきて、食堂で食べているところを夜勤スタッフが発見！
夜の22時頃にオンコールで相談を受け、すぐに口の中を綺麗にすること、水分を促して様子見るように指示しました。
ビデオ通話しながら状況を伝えてもらい、ビックリしたのが唇の大きさです！
石鹸を食べると、アニメで出てくる辛いもの食べた時の描写にそっくり😳
石鹸も固形石鹸を1/4ほど食べていたようで、美味しくないはずなのですが理解できず食べてしまったんでしょうね😓
こうなった原因をスタッフとみんなで考えました！
最近、食堂の席替えをして固定していた席を変更したことが判明！
最近今までにない行動をするようになり、行動範囲が広がってるとは感じていたところでした。
もしかすると、環境が変わって認知症が進んでいて予測不能な行動も取り始めたのかもしれません🤔
翌朝9時頃に出勤し、入居者さんを観察！
唇の腫れはマシになっていましたが、まだ腫れてました😣
特に血圧や脈拍も変わらず、いつも通りに行動されてました。
まとめ
いかがでしたか？
認知症って意外と種類があったこと、前頭側頭型認知症の存在を知ってもらえたら嬉しいです！
精神疾患なのか認知症かによっても対応が違うと思うので、周りに当てはまる方が入れば検査してみるといいですね😊
石けんを食べたところを発見したスタッフは慌てていましたが、そこまで身体に害があるものではないので落ち着きましょう！
対応としては口の中を綺麗にして、飲み物を促してください。
1.あわてずに口の中に残っているものがあれば取り除き、口をすすいで、うがいをしましょう。
2.その後、誤飲したものを薄め、食道や胃粘膜を保護するために、コップ1～2杯の牛乳または水を飲みましょう。
※無理に吐かせてはいけません。吐物や泡などが気管に入り肺炎を起こす可能性があります
もし、けいれんなど異変があればすぐに救急車を呼んで対応しましょう！
認知症の対応も大変な場合がありますが、周りが理解することが大事だと思います😊
この事例を通して、同じことが起きた場合は焦らず対応してみてください！
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