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大人になるということ

歳を重ねるにつれて、アルコールがないと楽しく騒げなくなり、セックスがないと恋愛できなくなる。大人になるってそういうことなのかしら。

高校を卒業してすぐに私はこんなツイートをしていて、まあこのときはまだアルコールもセックスも未体験だったけど、ファミレスのドリンクバーで5時間笑い続けたり、バレンタインにたけのこの里を渡すだけで手が震えたりすることは今後ないのかな、とうっすら予感がしてさみしかったことを覚えている。


先日、会社の仲の良い同期6人で飲んだ。半年以上ぶりに6人全員揃って、ひとりの28歳のお誕生日をプレートでお祝いした。ピザをせーので指さして選んだり、カルパッチョが何の魚か当てたりして子供みたいにわいわい騒いだ。
「あ、グラスワインてハウスワイン以外もあるんだ。カベルネソーヴィニヨンにすればよかった」という友達にそれも飲めばいいじゃんと言うと、いやもうじゅうぶん飲んだからと笑っていた。一軒目のイタリアンには18:30集合。お会計を済ませてお店を出る頃には22:00になっていた。

「じゃあ、私ここから歩きだから」とお店を出るなりひとりが言った。二軒目に行かないなんて思ってもいなかった私はびっくりしたけど、みんななんてことなく「気をつけてね〜」と見送った。その後も使う駅が違う二人はさらりといなくなり、残った三人でJRの改札を通った。

「大人になったよね。前なんてまえりが大変なことになったりしてさ」私が忘れたいことを蒸し返して笑いながら、全員バラバラのホームに降りていった。そうか、二人とも違う路線なんだった。結婚して引っ越したことをすっかり忘れていた。


私が大変になった3年前の日は、みんなで何合飲んだかわからないくらい日本酒を飲んで全員でぐでんぐでんになり、人生一酔っぱらった私を3人がかりで送ってくれた。あの頃は同じ寮に住んでたりしたけど、今はバラバラだし、そもそも6人中3人は結婚してるんだからあの頃とは違って当たり前だ。

もう毎週のように同じ6人で飲むこともなければ、サイゼで間違い探ししながらマグナムをひたすら飲み続けることもないのかな。終電をなくしてひとりの家に行ってせっかく買い込んだコンビニのお酒を放置してみんなで雑魚寝することもないのかな。今日はさくっと食べようって大戸屋に行ったのに結局2時間話し込んだりすることもないのかな。

もしかしたら、大人になるってこういうことなのかもしれない、と頭ではわかっていても「二次会どうする?」の一言がなかったことがびっくりするほどさみしかった。明日、午前在宅にしたのにな。ちゃんとお風呂入って寝られちゃうね。

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