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小説納め、小説始め

年内最後の仕事を終えそのまま書店に向かう。2023年の読み納めを購入するのだ。何冊か目星はついていたから、あとは実際に手に取ってピンとくるかどうか。いくら興味を持っていても、そのときの気分とか体調とか天候とかお腹すいたとか、そういうことでピンとこないことはよくある。

結局購入したのは一冊のみ。年末最後に手を伸ばしたのは、綾辻行人の『十角館の殺人』だった。映画化されるというネット記事を読んで興味を持った。「たった一行で全ての真相が明らかになる」らしい。その一行を読みたいと思った。

ミステリー小説の世界には全く足を踏み入れてこなかった。記憶にある限りでは初めて読んだ小説が山田悠介の『8.1』で、あれはミステリーだろうか。ホラーかな。とにかく読書歴15年間ずっとミステリーを読もうと思ったことがなかったのだが、2023年末に急にビビッときたわけです。

読了。世界が広がった。

著者が創造する世界が、イメージが脳内に明瞭に展開していく。次に何がくるのか?これはフラグか?話の中で出てきた「作者vs読者」の意味がよくわかる。「たった一行」を読みたかったために買ったのだが、「たった一行」のための数千行が全て魅力的なのもまた良い。

そして2024の読み始めは、千早茜の『透明な夜の香り』。これがまた良い。頭の中で朔が住む館が浮かぶ。青々と湿った木々、乾いたハーブ、土の香り。一香の住む部屋は少し陰湿としたイメージで。外観は良く言えばレトロで、入り口には紅い蔓薔薇。読んで落ち着く、私が好きな雰囲気に包まれている。

こんな感じで今年も沢山小説を読もうと思います。

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