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"とにかく面白いワールドトリガー" における推しキャラ 「林藤陽太郎」


Twitterで作品の推しキャラを語るタグがある漫画はいくつあるのか。それがいくつもあったとして、明確な証拠はないけれど、そのタグに投稿される「推しキャラ」が最多なのはこの作品だと思うのです。

ワールドトリガー

その面白さと、推しキャラについて語りたい。



BBFという最高のデータブック

ワールドトリガー(以下:ワートリ)には、公式のデータブックがあります。通称BBF。これがまた、読めば読むほど物語に深みが増すんですよね。一家にひとつは欲しい本です。
公式サイトで中身が紹介されているので、そちらを見て頂くのが早いかもしれません。

このデータブックには物語の中心となるボーダーという組織に在籍する130人以上の隊員情報が書かれています。そう、とにかく登場人物が多い。そして、みんなずーっと出てくる。新しい場所で新しいキャラが出てくるというよりは、基本的にはずっと同じ登場人物たちが街を守るために奮闘しています。もちろん、街を守る戦闘の中で新しい敵キャラが出てきたり新たに存在を明かされるキャラがいたりはしますが、主要な登場人物を挙げだすとどこで切ればいいのか分からなくなるほど、みんな重要です。

そんな多種多様なキャラクターをまとめて見られるのがこのデータブック。
プロフィール、能力パラメーター、人物相関図あたりを見比べるのはすごく楽しい。
特に「Q&A」で明かされる隠れた魅力や「知りたいデータランキング」は最高です。一言で言うと、解像度が上がります。

ワートリのコミックスには、おまけとして作者によるQ&Aやキャラクターのデータが載っていますが(カバー裏まで!)、データブックにはそれらを拡張したような内容も含まれています。ボーダーには学生も多いので、前述のURLでも紹介されているように「体育会系↔文化系」「成績が良い↔成績が残念」の2軸にキャラクターを配置したデータがあったり、通っている高校分布図ではクラス分けまで書かれていたり。総勢80人以上のキャラクターがグラフにまとめられていて、多くのキャラクターがいるからこそ見どころたっぷりです。

そんな公式データブックのおかげで、今でも最新刊を読んでいて気になることがあった時には読み返して納得したり理解が深まったりします。有り難い存在。ぜひ、一家にひとつBBFを!
(ただし、2016年発行なので現在人気急上昇中の隊についてまだ詳しく載っていないことも。あなたの推しキャラが出てこない可能性もあります。ご了承を。)

ちなみにQ&Aは公式Twitterでも見れます。知れば知るほどいろんなキャラクターが深掘りされていて面白い。



メガネくんと呼ばれる主人公

主人公のひとり、というのが正解なのでしょうか。ストーリーの中核を担う2人の少年の出会い。そのうちのひとり、三雲修は26巻現在において多くの登場人物に「メガネくん」と呼ばれています。主人公なのにその扱い、でもそれが味なのです。修をメガネくんと呼ぶ隊員も、馬鹿にしている感じは一切ありません。

このメガネくん、1巻だけを読むと主人公としてそこまで魅力的に感じないかもしれません。しかしこれが、話数を重ねるごとにぐんぐん存在感を増してくる。「持たざる者」であるが故の無力感。ジャンプで連載される漫画としては珍しい、特別なものは何もない主人公です。スポーツで言えば、身体能力は並以下だけど頭と道具をうまく使って渡り合っていくタイプ。誰でも頑張れば修になれるんじゃないかと思える。その親しみやすさがいいのかもしれませんね。
それでも一目置かれる精神力・発想力はキャラクターとしてちゃんと魅力的で。何より、「ぼくがそうするべきだと思っているからだ」という印象的なセリフは、思っていても行動に移せない人も多い中で、立派なものだと思わされます。日本人に響くこの行動力。

前述したBBFに載っている葦原先生のインタビューで修のキャラクター設定についても触れられていましたが、正反対の2人が出会い、コンビを組むことになる。その中でメガネくんこと修の成長を通して変わっていくもの、変わらないもの。いまだに「メガネくん」と呼ばれるこの主人公がいるからこそ、ワートリは面白いのです。



推しキャラ「林藤陽太郎」

Twitterでのタグ投稿には私も参加しており、推しキャラである林藤陽太郎について4枚の画像でプレゼンしました。しかし、その内容にはどうしても直接作品で読んでほしいネタバレを含むため、ここには3枚だけ載せます。

アニメ視聴済みの方はこの3枚の中で伏せているところも察しがつくと思います。陽太郎と■■の関係性は素晴らしいですよね。
「23巻は陽太郎のターン」と見出しをつけさせてもらった残りの1枚はぜひ原作で体感していただきたいところです。23巻を既読の方はTwitterで全て見て頂けたらと思います。
※ 原作未読の方が「#ワートリ推しプレゼン」というタグを検索する際には、ネタバレにご注意ください。多くの方が明記してくださっています。ネタバレウェルカムで好きなキャラを探したい方は存分に見てください!
(ちなみに私は諏訪洸太郎や水上敏志も大好きです。なんならレプリカは殿堂入りしてます。みんな違ってみんないい)

陽太郎は、好きなものが「他人が食べているお菓子」「女の子」「雷神丸に乗ってお散歩」と書かれるくらい、正真正銘5歳のお子さま。それでも上の画像にある通り、物語に絶妙な深みをくれる存在です。時には癒しを。そんな陽太郎が私は大好きなのです。
とにかく陽太郎の今後が楽しみで仕方ないです。今(26巻)はもう陽太郎のターンではなくなりましたが、きっとこの先も活躍してくれる。そんな期待を抱きながら、物語を楽しんでいます。



至るところで光る個性

さて、「#ワートリ推しプレゼン」のタグを見ると本当に多種多様なキャラクターに魅力を感じている人が多いことがわかります。そんなワートリ、基本的にはボーダーという組織の中で小隊を組んでいて、組織内でランク戦を行い日々切磋琢磨しているわけです。街を守る防衛任務では複数の隊で協力して戦いますが、それはあくまで隊と隊の協力です。しかし、物語が進む中で、その小隊をシャッフルしてチームを組むことがありました。それがまたとんでもなく面白いんですよね。

詳しくはぜひ読んでほしいのですが、とにかく個性が光りまくっている。これまであまり注目してこなかったキャラクターにも自然とスポットライトが当たり、「こういうところ好きだな」「こういう面もあるんだ」と各々の個性を感じることにも面白さがある。それがすごいなと思います。
もちろん戦いの戦術的な面で面白いと感じる部分もあり、この先の展開を思い描いて楽しい部分もあり、その上で光るキャラクターの個性にさらに面白さを感じる。そんな漫画は初めて読んだ気がします。

まさか料理しているところが見られるなんて思わないじゃないですか。お風呂上がりの姿が見られるなんて思わないじゃないですか。白米大好きな女の子が持ち込み可能な私物としてお米を持ち込むところとか、最高に大好きです。
ストーリーとしてなんの違和感もなくそんな描写が入ってくるの、素晴らしすぎて本当にずっとずっとワートリは面白い。
未読の方、読めば読むほどみんなを大好きになるから、ぜひ読破してほしいです。(2023年6月現在26巻まで発売中)



隊の数だけ沼がある

家族のような玉狛第1・第2をはじめとして、同郷で会話のテンポ感が大好きな生駒隊、もっと戦ってるところが見たい太刀川隊、とっても渋い冬島隊、みんな大好き隠密部隊の風間隊、スーツがスマートすぎる二宮隊、影も包み込むあったかさの影浦隊、バランス最強の鈴鳴第一…etc

ボーダーという組織、隊の数だけ沼があるのです。
前述の隊をシャッフルしてチームを組んだ時の話に戻るのですが、隊を離れたことでさらに各隊の良さが分かったといいますか。絆が見える場面や、隊ごとの違いもよく見えてきて、とても面白いです。
葦原先生は100人ほどのキャラクターをはじめに作ったとインタビューで答えていたことがありますが、そのキャラクターの作り方もチーム単位だったそうです。それ故に、戦術的にも人間的にも関係性が素晴らしいのかもしれません。

今、26巻を読んだ余韻でこれを書き続けているのですが、今回も各隊の良さが出まくっていました。“遅効性SF“ と呼ばれる設定・ストーリーとしての良さと、数多くのキャラクターの魅力がワートリの面白さを形作る2軸だと思います。その2軸が絡み合い、とにかく面白い。本当に大好きな作品・キャラクターに出会えて幸せです。



蛇足(漫画と人生)

これは蛇足ですが、私は本好きの家庭で育ちました。姉や兄もいて、家族みんなが漫画を好んで読んでいました。私も幼い頃から家にある漫画を読み、小説を好んで読むようになってからも漫画は買い続けています。今年の正月、実家の本棚に並ぶ漫画は概算で4000冊を超えていました。電子で買っているものや友人に借りたもの、違う場所で読んだものなどを含めると人生で読んだ漫画の総数は正直もうわかりませんが、一般的には多い方だと思っています。
家には大人から子どもまで楽しめる漫画が揃っていたもので、それはもうジャンル関係なく、多種多様な漫画を読んできた自負があります。ひとりの時間を過ごす時も、その面白さを兄と語り合う時も、新刊のビニールを破る瞬間も、時間を忘れて楽しめる漫画は人生の一部であり私を形作るひとつのピースです。

そんな私が今一番人に薦めたくなるのが、ワールドトリガーなんですよね。
兄も読んでいるのですが、新刊が出る度に読み終わって「やっぱりワートリはおもろいな〜!」と言い合ってます。
“遅効性SF” と呼ばれる物語の中で、ぜひあなたの推しキャラを見つけてほしいです。なんなら全員好きになりますよ、きっと。

以下のキャッチコピー大賞からも物語としての面白さが伺えます。ぜひお手にとって体感してみてください。




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