決定版!東大得点開示の正しい活用法

お久しぶりです。東京大学理科三類2年の片山湧斗です。(旧twitter名はまことちゃん)僕が得点開示を受け取ってからちょうど1年が経ちました。毎年この時期に東大は合格者の点数を開示してくれます。不合格者は合格発表の翌日から3日後にかけて得点開示を既に送っています。東大生や東大受験生にとっては当たり前のこのイベントですが、合格者にも不合格者にも入試の得点を開示してくれる大学は実はあまり多くありません。開示をしてくれる大学であっても時期が夏頃とかなり遅かったり、窓口に直接行って聞きに行く必要があったりとあまり親切ではないシステムになっている場合もあります。それに比べると東大は国の最高学府なだけあって受験生、学生にとても親切な大学です。

そんな東大合格者の得点開示を楽しみにしている受験生ないし東大生は多いと思いますが、上述した通り実際に東大を受験した人の点数をリアルで見れるこの機会はとても貴重です。だからこそこの機会を東大受験生は十分に生かすべきだと僕は考えます。そこで東大受験生向け、東大生向けに得点開示の活用法を、東大生には開示のススメをご紹介したいと思います。

以前僕が書いた僕の得点開示や採点基準の考察の記事のリンクはこちらです
https://note.com/ri3taro/n/nee9f4416761d

①東大受験生向け(現役・浪人問わず)

東大受験生が一番やってはいけないことは見て楽しんで終わるということです。数学で100点越え凄い! 国語0点でも合格できた! 余裕の学力をもって合格できることは素晴らしいことですが、同じことを受験生であるあなたが再現することは可能でしょうか?おそらく大半の受験生は難しいと思われます。受験生にとっての東大開示の最大の目的は自分が東大に合格するビジョンをクリアに想定することです。ただ目標点を定めるだけなら誰でもできます。全部満点を目指す。理系科目で満点をとって文系科目は3割でいい。高得点を取ってやろうとする気概は大切ですが、あまりにも現実離れしています。自分に最適な目標点を定めることが大切です。この自分な最適な目標点を決めるときに大切な要素は3つあります。

1つ目は自分の能力です。得意科目や苦手科目は人によって違いますし、自分の中では得意であっても東大重視においてどの程度得意かどうかは全く話が異なります。また東大は数学と英語が苦手ですと一気に合格が厳しくなります。苦手な科目であっても最低限はこのくらいの点数を取ればよいといった目標を立てることが必要になります。したがって自分の科目別の能力を細かく分析し、自分が目標にすべき点数を探しましょう。

2つ目は自分の環境です。通っている塾や予備校、出身地域によって勉強できる環境は大きく異なります。例えば独学だけで勉強している人が国語で超高得点を目指すことは困難です。どうしても添削をしてもらえる人がいないと国語の点数は上がりにくいものです。僕も独学で勉強していたため、個人的に添削を以下の方にお願いして見てもらっていました。
https://twitter.com/manostudy1234?s=20
他の科目も独学だけでは超高得点をとることは正直かなり難しいです。自分が高得点を目指したいならやはり目指せる環境があることが大切です。もし自分が高得点の開示の点数を目指したいとなった場合は、可能な範囲で高得点をとった方がどのように勉強してその点数を取ったのかを調べてみましょう。ただし過剰に詮索することは絶対に避けましょう。知らない人から突然出身高校や通っていた塾を聞かれると、聞かれた側も困惑してしまいます。

3つ目が入試の難易度と採点基準です。これは正直判断が難しいですが、僕の個人的な意見として述べたいと思います。
今年の入試の難易度は昨年比で
理系国語 問題 やや難化  採点基準 やや厳しい
文系国語 問題 やや難化  採点基準 やや厳しい
理系数学 問題 やや易化  採点基準 やや易しい  
文系数学 問題 やや易化  採点基準 やや厳しい   
理科 問題 同程度   採点基準 やや易しい(得点調整のため)
英語 問題 やや易化  採点基準 やや易しい
と考えています。理科三類は採点基準が他の科類と異なる(と言われている)ので除外して考えてください。また社会は僕は判断できるほど熟知していませんのでコメントを控えさせていただきます。これを踏まえて各科目の点数がどの程度難しいのか?あるいはどの程度簡単なのか?を判断する必要があります。例えば2017年度の数学80点と今年の数学80点を取る難易度は全然異なります。2017年度はとても数学が簡単な年で合格最低点も軒並み上昇した年なのです。

以上のことを踏まえて今年の開示の点数を判断するなら以下の点数が目安となります。
各科目 苦手ー普通ー得意の順番です。

国語(理系) 35ー40ー45
国語(文系) 50-60ー70
数学(理系) 45-65-80
数学(文系) 25-35ー45
理科 30-35ー45
英語 65-80-90

このくらいが妥当と考えます。あくまで僕個人の意見ですが、何年も開示の研究をしてきた身なのである程度の信憑性はあると自負しております。

以上の3点を意識して開示得点を研究してみてください。

②東大生向け

東京大学合格おめでとうございます。多くの東大生は得点開示を楽しみに待っていると思います。しかし東大生に多いのが、周りにめちゃくちゃできる同級生がいるために自分が勉強できないと卑下してしまうことです。またクラスの雰囲気によって受験の話がしにくい場合もあると思います。その結果東大の開示を公開することは「ダサい」「カッコ悪い」「中途半端にイキっている」といった悪いイメージを抱く東大生が多いのです。もちろん入学後にずっと自分の過去の栄光を語り続けていると周りから白い目で見られることは間違いないですが、この開示のイベントはある意味自分が受験勉強と決別できるイベントであると僕は考えます。もちろん僕は教育関係の仕事をしていますので合格後も受験の情報を発信してはいますが、同じクラスの友人とはほとんど受験の会話はしていません。したがってある意味での区切りをつけるために得点開示を公開することは悪いことではないと思います。

あるいは何の面白みのない点数だから公開するのが恥ずかしい、意味がないと考える方もいると思います。テストの点にコンテンツ力があると周囲との差別化を図ることができ面白いかもしれませんが、東大受験生の方に本当に必要なのは平凡な点数です。平凡な点数のサンプルが多ければ多いほど受験生が現実的に目指すべき点数として説得力が生まれてきます。また今年の入試における得点開示の点数を公開できるのは日本に3000人程度しかいませんし、科類別になるともっと少なくなります。未来の東大生のため、自分が開示を見て参考になった方は特に情報提供をしていただけると幸いです。

これは地方と都心の情報格差の是正にも繋がります。進学校や大手予備校に通っている都心の生徒はこのような合格者の得点の情報が豊富に入手できますが、地方の受験生はなかなか収集できません。例えば東進の東大特進の合格体験記には何人もの東大生の得点開示の情報が載っていますが、地方の塾に通う子は入手できません。(ネットで買うという手段はありますが、、)
そういった地方勢であっても合格者の点数を知ることができる場所がTwitterです。一人一人の情報は微々たるものかもしれませんが地方受験生のためにご協力いただけるとありがたいです。

もちろん個人情報をSNSに載せることに抵抗のある方やどうしても恥ずかしいと思う方は載せる必要はありませんし、掲載時には名前や受験番号など個人を特定できる情報を隠すことを強く推奨します。またお手数ですが開示をTwitterに載せる際には
#東大開示祭り2021
#2021東大開示祭り
の2つの#をつけていただくと受験生の方が探しやすくなりますのでご協力お願いいたします。毎年両方の#が存在しており、どちらかに統一していただきたいのですが、、

僕自身東大に落ちた後の4月は東大の合格者開示がとても楽しみでしたし、何より勉強を頑張るモチベーションになりました。たくさんの方の開示の点数を研究し、徹底して戦略を立てた結果、自分の実力を最大限に得点に結びつけることができ、昨年東京大学理科3類に合格できました。大げさではありますが、地方出身の僕が独学で合格できた要因の1つにこの得点開示の研究は間違いなくあると思います。受験生の方はしっかり先輩方の得点を参考にして活用していただき、東大生の方は受験生のために開示のご協力お願いいたします。

また最後になりましたが2021年4月27日に初めて本を出版することになりました。本のタイトルは「東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法」です。この本は受験生の方にはもちろん、社会人の方にも役立つ内容となっております。何冊もの東大生のノートを僕が研究し、東大生がどのようなことを考えてノートをとっていたのか?その思考の過程を私たちが生かすためにはどうすればよいのか?をまとめた一冊となっております。興味のある方は是非ご覧になってください。

追記
現在私は医学部予備校レユシールという予備校をプロ講師と共同経営しており、東大理三志望の受験生を中心に医学部受験生を指導しています。実績のあるプロ講師と高い学力を誇る東大理三生講師による完全個別指導により医学部合格まで徹底的にサポートする予備校となっております。また医学部予備校という名称ではありますが、私自身の経験を活かし、理科三類以外の東大受験生の方も多数指導しております。特に独学での勉強が困難な東大現代文の添削指導は多くの東大受験生の方に受講していただいております。興味をもっていただいた方は以下のリンクから当予備校のホームページをご参照ください。

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