東大第二外国語差し替えについて

今回は少しマイナーな情報です。東大第二外国語差し替えについて書きます。実は僕も1度だけ差し替えで東大を受けました。2018年の入試を後半フランス語の差し替えで受けました。実体験をもとに情報をお伝えすることができたらいいなと思います。

はじめに基本情報について東大英語は英語の問題の一部(大問④⑤)を他の外国語で解答することが可能です。差し替えできるのがドイツ語 フランス語 中国語 韓国語の4つあります。普通の高校生はこのような第二外国語を学校で習うことはあまりないと思いますが、宗教系の学校に通ってる人や仮面浪人生、帰国子女などは二外を勉強したことがある人はその経験を生かし東大英語の一部を第二外国語で受けることができます。

この差し替えの大きなメリットは時間制約に厳しい東大英語において時間的余裕が生まれることです。今年東大を受けた人は外国語の問題用紙を見てみてください。英語の④⑤を解くのに読む必要のある文章量と二外の文章量は全然違うことが分かると思います。この時間を利用してリスニングの下読みの時間をたっぷりとったり、1bをゆっくり丁寧にやることができるといったことがあります。

一方デメリットは独学が困難であること、英語の勉強だけでなく二外の勉強の負担が増えることです。英語と違って東大専用の参考書はほとんどありません。

このメリットデメリットを踏まえた僕の意見は経験者でなければやめておいた方が無難というものです。当時の僕も東大英語の点数が伸び悩んでおり、特に4A,5を苦手としていたため、60点くらいの状態から80点を目指すためにこの二外という作戦に踏み切りました。しかしこの作戦は見事に失敗し、この選択で僕は理三に落ちたといっても過言ではないと思ってます。この年の英語の開示点は62点でした。客観的に判断できる1Bが12/12点 3が26/30点 要約と英作文、そして1Bの記述と無難に書けたと思ってますので15/30点ぐらいと思います。そうすると残りのフランス語で10/48点くらいしかありません。もちろん英語の記述がもっと低い可能性もあります。しかしフランス語の点数はほとんど来てない可能性が高いと思います。この採点基準が理三だけなのか他学部共通なのかは不明ですが、他の受験生が差し替えを成功しているケースを見ると理三の採点基準が厳しいor自分のフランス語能力を過信しすぎて本当はかなり低いのどちらかだと思います。

受けた当時のフランス語の僕のレベルは大学の一般教養の授業に加えて独学で勉強し、秋にはフランス語検定3級に合格するレベルでした。ちょうど丸一年勉強し、この年は一番フランス語の勉強に力を入れてました。しかし、東大のフランス語の教授には僕の付け焼き刃のフランス語能力が見事に見破られ、ほとんど点数をもらえませんでした。語学のプロからしてみればその言語をどれほど真剣に勉強してきたかは答案を見れば簡単に分かってしまいます。東大英語ができないという理由でフランス語を選択した薄っぺらい語学力しかない人間は余程勉強しない限り見破られてしまいます。

また問題の難易度も年によってまちまちです。簡単な年もあれば難しい年もあります。安定した実力がないとその時の問題に左右されてしまいます。ただでさえ安定した実力をつけることができない人が別の言語で安定した実力をつけるのはほぼ不可能だと思います。

唯一の例外がその言語を自由に使いこなせるレベルにあるものの、英語が苦手な人です。中国、韓国の帰国の方は無双するという話はちょいちょい聞きます。

それでも2外差し替えをやりたい人はまず過去問の入手が最初のハードルです。僕が過去問を手に入れた方法は東大新聞のバックナンバーを購入することです。毎年東大は受験特別号のような形でその年の東大入試問題と東大生?が恐らく制作して解答が載ったものを発行しています。たまに答えが間違ってることもあるのでおかしいと思ったら自分で調べましょう。またメルカリなどで個人的にまとめて売ってる人もいるので色々探してみて下さい。

ここからは特にフランス語の対策について
フランス語の問題構成は
Ⅳ 長文全文和訳
Ⅴ 文法問題 (書き換え問題)
となっており非常にシンプルです。
単純に英語と比較したら和訳の量が増えるものの大問⑤がまるまる無くなったみたいなイメージです。和訳問題は年度によって単語のレベル、文の長さがまちまちです。しっかりとした実力をつけないと厳しいと思います。一方文法問題はパターンが決まってます。10年ぐらい研究したらまたお決まりのやつねと分かると思います。話法の書き換え、ジェロンディフを用いて複文を単文にする、イディオムを用いて書き換えといった内容です。真面目に文法を勉強すればできるようになると思います。

得点開示の話に戻りますと、僕は文法問題5問中3問はあってたはずです。そうすると長文和訳が0点だったのかもしれません…
もちろん全文和訳の答えを書きました。たらればですけどこの年フランス語に注いだ勉強時間を英語に使っていたら…この年は合格まであと7点足りませんでした。この選択は正直僕の受験人生にとって悔やんでも悔みきれない大きな失敗になっています。もちろんフランス語を勉強してよかったとことはたくさんありましたのでフランス語自体は今でも好きです。

目標レベルとしては仏検3級が最低ライン できれば準2くらい欲しいです。毎年仏検は6月と11月にテストがあります。僕は6月に4級、11月に3級をとりました。ダブル受験もできるので11月に3級と準2を受けるというのも良いと思います。

最後に繰り返しになりますが生半可な気持ちで二外選択をすることは僕はおすすめしません。きちんと英語に向き合って勉強して下さい。僕みたいな英語が絶望的に苦手な人でも80点まではなんとかなる気がします。苦手な人は純粋に英語の勉強が足りてないだけです。才能や頭の出来関係なく努力不足。厳しい言い方ですが概ね間違えないと思います。東大英語で高得点を取れる人はそれまでに他の東大受験生より何倍もの努力をしてきたはずです。他の東大受験生より抜きん出る訳ですから相当な努力量だと思います。大変だとは思いますが、どうか頑張っていただきたいです。僕のような失敗をしないため

2020年 3月4日 片山湧斗

追記
現在私は医学部予備校レユシールという予備校をプロ講師と共同経営しており、東大理三志望の受験生を中心に医学部受験生を指導しています。実績のあるプロ講師と高い学力を誇る東大理三生講師による完全個別指導により医学部合格まで徹底的にサポートする予備校となっております。また医学部予備校という名称ではありますが、私自身の経験を活かし、理科三類以外の東大受験生の方も多数指導しております。特に独学での勉強が困難な東大現代文の添削指導は多くの東大受験生の方に受講していただいております。興味をもっていただいた方は以下のリンクから当予備校のホームページをご参照ください。

ホームページはこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?