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【なぜ夢を持てと人は言う?】


先日、お話した私に厳しくも愛のあるアドバイスをしてくれた
親友 ゆりについて反響が大きかったのでまた彼女の話を一つ。

彼女とは高校3年生で同じクラスになり、よく遊んでいました。
毎日のように放課後、いや3限目から授業をサボり、喫茶店へ。
煙草を吸って店の人に怒られたりしていました。

そんな彼女はジャズダンスを習っていて
高校卒業したらプロのダンサーになるという夢を持っていました。
キラキラ輝いている彼女のことを私は羨ましくも誇りに思っていました。

ゆりは私によく聴いてきます。
「りりこの夢は何?」
私は、夢と呼べるほどの夢はなくいつも黙ってしまうのです。

そう、継母や父に邪険にされ虐げられて生きてきた私は、
心にぽっかりと空いたガランドウを抱え続けていました。
そして、夢を持つどころか正直、生きていることさえつまらなくどうでもいい・・・。

そんな私の家の事情を知っていたゆりは、
私が生きる希望を持てるように、
あえて「夢を持て」と言ってくれていたのかもしれません。

まあ、強いて言えば、家をさっさと出て一人暮らしをする、
が唯一の夢というよりちっぽけな目標だった気がします。

「私は、ゆりみたいに何かの才能があるわけではないし・・・」。
そんな言葉をゆりは否定します。
「りりこなら何かできるはず!国語の成績は断トツじゃん。
だから、それに関連することをやればいいのに!」
と励ましてくれるのですが、何に対しても自信がない私は、
何をしたいのかもさっぱりわからず、ただ頷くだけでした。

高校を卒業して、私は小さな商社に就職。
事務職に就きました。

ゆりはというと見事、劇団四季のオーディションに合格。
両親から劇団費は出さないと言われ
(当時、学費がかかっていたそう)、
昼は劇団でレッスン、夜はアルバイトをしていました。

でも、ああいった劇団に入る人は、
親が裕福だったり子どもに夢をかけている人が多いので
親が学費を払ってくれるわけで、
アルバイトなんかしている人はほとんどいなかったようです。
そんな時間があれば、バレエやダンス、
歌のレッスンに勤しむのが当たり前。
彼女だけはアルバイトに追われ、毎日寝不足のようでした。

2年後、彼女は劇団の役をゲットしたのに、ある条件を呑めず退団。
新たにNYへジャズダンス留学をするという夢を持ちた日夜アルバイト。

21歳で渡米し留学後、見事あの
世界的有名スターのバックダンサー
オーディションに合格しました。
その後、家の事情で帰国を余儀なくされたのですが・・・。

それでも、また彼女は新たな夢に向かって走り出しました。
それからも彼女が決まって言うセリフは
「りりこの夢は何?」
「わからならい」
「日々、目の前のことに感謝しながらそれを享受し
楽しく生きることはとても大切だけれど、
夢を持てばもっともっと希望が湧いて
生きることが楽しくなるよ。
そしてもっと幸せになろうと思えるはず。
りりこ夢を持ちなよ」

私は、ずっと何をしたいのかを常に考え夢を探し続けました。
そして今の広告制作やライターの仕事に出逢い
大きな生きがいを得ました。
生きることが毎日楽しくなりました。
心の空洞が埋まっていきました。

以来、講座をやるとか電子書籍を出版をするとか、
どんどん夢を膨らませ、実現していきました。

次の夢は、小説を書いて商業出版を果たすこと。
夢を持つたびに、ワクワクします
幸せです。もっともっと生きたくなります。

「夢をもちなよ、りりこ」
彼女の言葉はいつも私の胸の中にいます。


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