見出し画像

cluster カメラ2.0完全に理解した!? (イベント、ワールド散策、自撮りが捗るtips的ナニカ)

この記事はclusterユーザーと創造する非公式 Advent Calendar 2022」
5日目の記事です。

こんにちは、りおもろです。clusterを中心にVRChat、NeosなどのVRプラットフォーム(*1)で遊んだりイベントしたりワールド創ったりして過ごす異形のもの(最近は人型になっていることが多い・・・)です。

今回はclusterカメラ機能アップデートで追加された機能を使ってみて、思ったことや撮影時に意識していることを紹介していきます(*2)。
また、今回記事を書くにあたり、紹介する写真の一部は撮影後加工しているものもございますが、機能の紹介などには直接影響はないと思いますのでご理解いただければと思います。

(*1:各プラットフォームにおいて〇〇プラットフォームと呼び方が異なる場合がありますが、この記事内ではVRプラットフォームと記載を統一します。)

(*2:今回紹介する方法はVRデバイスでの使用を軸に書いております。一部機能においてはPC、スマートフォンでは使用できないものもあります。また、cluster の今後のアップデート等によっては今回の方法が使えなくなる可能性や操作性が変化する可能性もゼロではございません。予めご了承ください。)

なぜこの記事を書くのか?

理由はただ一つ!11月に clusterのカメラ機能が大幅にアップデータされたためです!

PC、スマートフォンも同様にカメラ機能がアップデート!

お待ちかね、被写界深度調整機能

僕も他ユーザーさんも、おそらく一番実装して欲しかった機能がまさにこれ。被写体にフォーカスし、背後や手前に写っているものをぼかす機能ですね。

実際のカメラと同じようにF値(絞り値)が小さいほどぼけます。
clusterでは1.4、2.0、2.8、4.0、5.6、8.0、11.0の値から選択できます。

ちょっと検証的な画像ですが、簡単にぼけ具合を検証してみましょう!

撮影条件:
・デスクトップで撮影
・撮影者から被写体までの距離:約2.8メートル
・被写体から背景までの距離:約5.0メートル

F1.4
F2.0
F2.8
F4.0
F5.6
F8.0
F11.0

どうでしょうか?もちろん被写体との距離や背景との距離でもぼけ具合は変わってきますが、値としてはF1.4〜4.0くらいまでは周囲がぼけていることをパッと見でも感じるのではないでしょうか?
ちなみに、カメラ起動時はF4.0がデフォルトで設定されています。

ぼかし具合を調整して主役を引き立てる

早速ですが、この機能を活かした例を一枚ご紹介。

20221107_カメラ2.0おためしLIVE:hal

以前のカメラでは、画面に写るもの全てがはっきりと写っていたため、なるべく被写体以外はごちゃごちゃしないようにと撮影場所を移動することで目的の被写体にフォーカスした画の整理を行なっていました。

もちろん、それは今回のアップデート以降も写真を撮るという点では意識しておくと良いポイントなのですが撮影のバリュエーションがかなり制限されることも何度かありました。

周囲をぼかすことができるようになり主役ははっきりと、でもイベントで盛り上がるお客さんの雰囲気もしっかりと含ませるような写真が撮りやすくなったかと思います。

主役は誰か(何か)をコントロールする

20221112_メタバースデイ:ゆみうす(手前)
20221112_メタバースデイ:ふかみあいや(奥)

上の2枚は、歌とピアノでの伴奏のシーンです。同じ場所から撮影していますが、誰にピントを変えています。1枚目はステージ最前に立つ人を、2名目はピアノを弾いている人にピントを合わせています。こうすることで、写真として見た時に撮影者が誰を(何を)着目しているかを示したりすることができます。

現実のカメラを用いた写真においても、何にフォーカスするかによって主題(主役)を明確にし、その写真で伝えたいストーリー、意図などを伝える手段の一つとして使われていたりします。
単純に写っているものをぼかしたりするという考えのみでなく、撮影者の伝えたい意図・ストーリーを画として落とし込む手段の一つとして被写界深度調整は使ってみると面白いでしょう。

被写体の前後をぼかし奥行き感を出す

20221125_ワンオフ衣装完成披露トークイベント:おはよう真夜中

上の写真は、メインとなる被写体の背景のほか、手前側にも物体を写しています。被写体を際立たせるため、背景をぼかす。それ以外にもあえて手前にも何かを写り込ませ、ぼかすことで画に奥行きを感じさせることができます。
実際の写真でも”前ボケ”などと言われる方法です。

VR空間上でのワールドやアバターについては、実世界でのリアリティーをそのまま取り込んだ表現というものは技術的にまだまだ難しいこともあったり、VR空間だからこそ”なりたいもの”、”表現したいもの”を求めてキャラクター的な表現のアバターを使われる方も多いかと思います。

そういったこともあり、写真を撮ったときに画がぺったりとした平面的な写り方をしてしまうことがあります。奥行き感については、ワールドの要素、アバターの要素など様々な要素が絡み合っての結果と考えられるので、カメラの機能だけで万事解決・・・とはいかないものの ”前ボケ” のような方法で、ある程度は意図的に奥行きを感じさせる画がつくれるようになったかと思います。

自撮り沼へようこそ!カメラの固定機能(VR環境のみ)

被写界深度の調整ができることがアップデート前に僕含め多くのclusterユーザーが望んでいたことかもしれません。
ですが、個人的に今回一番写真を撮ることが楽しくなったアップデート要素は”カメラの固定”機能です!

カメラの固定機能とは?

カメラをカメラUI画面から分離して離れたところに設置できる機能です。実空間では三脚にカメラを設置して離れたところから撮影しますがそれと同じような撮り方ができます。VR空間なので、空中に配置するイメージです。
ほかVRプラットフォームと同様に、カメラを”ワールド固定する”なんて言われたりします。

操作など詳しい情報はcluster公式のリリース記事からご確認ください。

一人でも他者視点 〜自撮りが捗る写真が撮れる!〜

World:キャンディあげるよ。,  Created by まとい

(今年はハロウィン衣装アレンジ、ちょっと頑張りました。)

カメラのワールド固定によって何ができるようになったかと一言で言えば 
”他者視点での自撮り” でしょう!

アップデート前のカメラ自体もカメラを傾けたり移動させることはできましたが、あくまでも自分の手の届く範囲程度でした。そのため他者視点での自撮り、自撮りっぽくない自撮を撮ることはかなり難しいことでした(以前頑張って撮ろうとして背中がつって痛い思いをしたのは今ではいい思い出)。

また、ワールドに固定することで自分(被写体)が写る割合とワールドが写る割合のコントロールもかなり容易になりました。そのため単なる自撮りではなくワールドや被写体含めた、ある意味 ”作品” や ”一枚絵” としての自撮りができるようになったとも言えるでしょう。これにより、よりアーティスティックな写真やエモい写真なんかも撮れる可能性がぐーんと出てきたかと思います。

シャッタータイマーの本領発揮!

さて、カメラの固定機能により、これまでより良い感じに自撮り写真が撮れるようになりました。この時にアップデート前から実装されていたシャッタータイマーの機能が活きてきます。

シャッターを押した瞬間に撮影すると、手や指の動きがコントローラの操作に沿った状態で写真に写ってしまうためシャッタータイマーを活用しましょう。
シャッターが実際に作動する数秒間のインターバルですが、その間にポーズや表情、手の形を整えましょう〜

World:キャンディあげるよ。,  Created by まとい
World:キャンディあげるよ。,  Created by まとい

(VRで脚まで自由に動かせる人は、カメラに向かって走る瞬間も撮れそう)

低い位置からの撮影アプローチ

カメラは設置する高さや角度で撮れる画の印象が結構変わります。
設置が少し大変ではありますが、低い位置から撮ってみるとまた違った発見、楽しさがあります。

World:Dream At Summer Night,  Created by hk

上の写真は地面に近い位置から少し上向きにカメラを設置して撮ったものです。
屋外にあるベッドに座りながら、幻想的な夜空を眺めるシチュエーションを撮影しました。

ポイントとしては、
・低い位置から見上げる角度にカメラを配置することで、綺麗な空をしっかりと画の中に収める
・地面から生える草を手前に入れることで被写体との奥行き感を出すということに意識しました。

World:Dream At Summer Night,  Created by hk

また、こちらの一枚は、ワールドの斜面を下った位置から撮影したものです。
時折発生する流れ星も一緒に建物と自分を収めた気持ちで撮影しました。

ポイントとしては
・見上げる角度にカメラを配置することで、流れ星含め、空をしっかりと画の中に収める
・青主体の部分(空、建物)、緑主体の部分(斜面、草)のバランス
ということを意識しました。

(余談:流れ星がいい感じに尾を引いた状態で写真に写るまで撮れるまでかれこれ1時間以上同じ姿勢で何枚も撮り直しました・・・)

地面の反射を捉える・活用する

カメラを低い位置に設置して見上げるような角度で撮ったら、次はもう少し水平方向に角度を近づけて撮ってみましょう!

World:星々の還る場所, Created by 白百合めしべ

こちらの一枚は、奥に向かって水平方向にいる被写体を軸にしつつ、空と地面に写っているものも意識して撮っています。
このワールドは、水面の反射による写り込みがとても綺麗なため、その写り込みも活かした写真が撮れると楽しいです。

World:星々の還る場所, Created by 白百合めしべ

もう一枚は、奥にいる被写体にフォーカスしているものの、全体としては水面に反射する夜空と木が大部分を占めています。手前(写真の下)部分になるほど反射している風景がぼけていく変化が気持ちが良い一枚です。

地面ギリギリの位置からの撮影アプローチ

World:星々の還る場所, Created by 白百合めしべ

(この写真が撮れた時、自分でも少し驚き、そしてワクワクしました。)

この一枚は水面(地面)ギリギリの位置から水平方向へカメラを縦置きで設置して撮影したものです。
水面より下はどのように写るのか、撮ってから確認するまで想像ができませんでしたが結果として幻想的かつ面白い写真が撮れたかと思います。

このように、ワールドやカメラの設置位置によっては、偶発的に面白い画が撮れることもあるようです。

高い位置からの撮影アプローチ(おまけ)

低い位置からの撮影と反対に高い位置からのアプローチも紹介します。ワールドの高いところに移動して、そこにカメラを設置して撮影します。
このアプローチでは上から見下ろしたり、風景など広い範囲を俯瞰する視点の画を撮ることができます(*3)。

(*3:こちらの撮影アプローチはおまけとして記載させていただきます。
というのも、以下紹介する二枚の写真については建物など移動できる判定のある場所ではなく、空中に浮いて移動するような方法も取り入れて撮影しております。
これはclusterの機能だけでなく、PCとVR機器を連携させたり、他のアシストツールを使う必要があります。その方法についてはclusterのカメラ機能の範囲外であることや、応用的な内容になるため割愛させていただきます。)

World:キャンディあげるよ。,  Created by まとい

この一枚は、ワールドに向かって道を進んでいく様子を手前の高い位置から撮ったものです。
高い場所から撮影することで俯瞰視点となり、写っているもの全体の様子がわかりやすく、風景を主体とした撮影に向いているかと思います。

World:星々の還る場所, Created by 白百合めしべ

こちらの一枚もワールドの高い場所から俯瞰視点で撮ったものになります。
画全体で暗く少し不安になるような雰囲気を伝えつつ、被写体のポーズや表情など細かな部分に視点が移ることでより見た人にいろいろな印象を感じさせることを意識しました。

最後に

いかがでしたか?
今回紹介した機能や方法はあくまでここ1ヶ月ほど僕が試行したものになり、タイトルにある ”完全に理解した” にはまだまだ及びません。スマートフォンやPCでの写真撮影の可能性や方法についてはまだ全然探求できていない状況です。

昨年はclusterがVR機器単体(Meta Quest)でも遊べることができるようになり、より多くの人にVRでclusterを楽しんでほしい。ついでにVR空間で写真を撮ることは、実空間で写真を撮ることとは違った楽しさや可能性があるので是非やってほしい。そういった想いで以下の記事を書きました。
(本記事と併せて、読んでいただけるとイベント時の写真撮影がもっと楽しくなるかもしれません!)

その気持ちは大きく変わりませんが、今回のカメラ2.0アップデートによってVRに縛られず、clusterでの写真文化、コミュニティのようなものが加速していくのでは?と感じています。

アップデート以降、VR・PC・スマートフォンといったデバイスの種類に縛られることなく各々ワールドで過ごした写真、イベントでの写真、各々が撮る写真が一個人の体感ですがここ最近はすごく良いと感じるもの増えてきていると思います。
今後も、写真を撮って楽しむ方々が増えれば僕としても嬉しい限りです。

さて、今年も残すところあとわずか!年末年始、僕は有志イベントに何だかんだスタッフなんかでお呼ばれして、そこそこ忙しくも楽しい年末になりそうです。

体調だけは十分に気をつけてこの変化目まぐるしい世界、引き続き楽しんでいきましょう♪

ではでは〜

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
*謝辞

今回、note記事にも写真を掲載するということで以下7名の方に許可をいただきました(被写体またはワールド製作者)。

おはよう真夜中 さん
ふかみあいや さん
jumius(ゆみうす) さん
halさん
hk さん
白百合めしべ さん
まといさん

ご協力いただきありがとうございました。感謝感謝です!

*撮影ワールド
どれも写真撮影が楽しくなる素敵なワールドです!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?