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clusterのライブイベントで映えな写真を撮るTips的なナニカ

この記事はclusterユーザーと再定義する非公式アドカレAdvent Calendar(勝手に)便乗した遅刻組26日の記事です。

こんにちは、りおもろです。clusterを中心にVRChat、NeosなどのVRプラットフォーム(*1)で遊んだりイベントしたりワールド創ったりして過ごす異形のものです。

今回はVR環境でclusterのカメラ機能を活用し、ライブイベントでいい感じ(いい感じとはなんぞ?)の写真を撮るために意識していることをTipsとして紹介していきます(*2)。

また、今回記事を書くにあたり、あらためて紹介する写真を見直していたのですが、構図については自分もまだまだと感じることもあるため、構図についてはあまり触れません。

加えてclusterユーザーの方々が参考にしやすいように、撮った写真は一切の加工などはしていません。いわゆる撮って出しというやつです(clusterの写真はよほど意図がない限りは普段から加工しませんが・・)。

(*1:PCやスマートフォンでは今回紹介する方法はできません。また、cluster の今後のアップデート等によっては今回の方法が使えなくなる可能性もゼロではございません。予めご了承ください。)

(*2:各プラットフォームにおいて〇〇プラットフォームと呼び方が異なる場合がありますが、この記事内ではVRプラットフォームと記載を統一します。)


なぜこの記事を書くのか?

個人的な感想を含めた理由は最後にまとめるとして、ここ最近のclusterのアップデートが理由の一つです。

これまでclusterをVRモードで遊ぶにはヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)とPCをケーブルで接続するPCVRモードでしか遊べませんでした。

PCVRモードでは、HMD以外にVR環境に耐えるスペックのPCが必要となり初期費用としての出費もそれなりにかかるため、スマートフォンやタブレット端末で遊んでいるユーザーには、こちらからVR環境を積極的に勧めることは、なかなかできませんでした。

ところが今月、clusterの大型アップデートでHMDの一つであるOculus Quest2単体で遊べるようになりました。

これにより、普段僕が意識している撮り方をOculus Quest2単体でも再現可能、費用もかなり抑えることができ、他の方も真似しやすい状況となったためこのタイミングで記事を書きました。


イベント時にはこんな感じの写真を撮る

今回は、先日開催された”クリスマス くらげビート9”から数名の方を撮った写真をTipsと併せてを紹介します。

(※イベントページの概要欄リンクよりYouTubeアーカイブがご覧になれます。)

早速ですが僕はこんな感じの写真をclusterイベント時には撮りますってことで一枚紹介。

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(今回のイベントでトリを飾ったL*auraさん。クリスマスにふさわしい讃美歌をゆったりと体を動かし全身で歌う様子がとても印象的でした。)

上の写真のようなバストアップの写真や全身など”演者”の身振り、表情にフォーカスした写真をよく撮ります。これから紹介するTipsのいずれか、または複数を意識して僕は写真を撮っています。

具体的なTipsの紹介が気になるかもしれませんが、その前にclusterのカメラ機能と撮影での注意点、下準備について説明します。


cluster ユーザーカメラについて

clusterのユーザーが使用できるカメラの機能はシンプルです(VR環境下)。

・縦横比固定:(おそらく4:3)
・被写界深度の調整(背景をぼかす機能):不可
・ズーム:可

ほかVRプラットフォームだと、背景のぼけ具合などを調整できる機能もあったりしますがclusterには現状そのような機能はありません。

そのため撮った写真は注目してほしい被写体以外にも、背景などもしっかりと写ってしまいます。すると画全体がごちゃごちゃした印象になりやすいため、今回のtipsは画をどのように整理したり背景を活用するかを含め紹介します。

•カメラ機能の使い方についてはこちら(cluster ヘルプ)


注意事項・写真を撮る際の準備

今回紹介する方法で撮影するにあたって、注意事項としてどうしても守ってほしいことがあります。それは・・・

イベントに遊びに来た他の方や出演者、スタッフの方の邪魔にならないように、撮影する自分の存在を消してから撮影すること

今回紹介する方法は、ステージの周囲を背の高いアバター(後述)であちこち動き回りながら撮影するため、姿が見えている状態ではイベントを楽しんでいる方への迷惑になってしまう可能性が非常に大きいからです。

撮影は孤独なものです。イベントをみんなでワイワイ楽しみたい場合は、写真撮影は程々にするか潔く諦めましょう!
ちなみに僕はDJイベントの時なんかは写真はほとんど撮らず皆さんとワイワイ体を動かしたりして楽しんでいます〜

さて、イベントで周囲から存在を消す方法としては以下二つの方法があります。

・イベント時にゴースト状態になって参加する
グループビューイングを設定する

ゴースト状態とは、周囲から自分の存在が見えなくなる状態です。これはclusterでのイベント時に先着100名は自分のアバターが周囲からも見えるように表示されますが、負荷軽減のため101人目からはゴースト状態となり周囲からは見えなくなる仕様です。

グループビューイングはイベント時に複数のフレンドと一緒に音声コミュニケーションをしながら、イベントを楽しめる機能です。こちらも周囲の参加者は見えますが、こちらの姿や会話音声は聞こえなくなります。
今回のイベントでは序盤、ゴースト状態にはならなかったためグループビューイングの設定を行い撮影しました。


Tipsその1:演者と自分の目線の高さの差は小さくする

ライブイベントでは多くの場合、ステージ上で演者が歌や踊りなどのパフォーマンスを行います。そのため参加者は演者を見上げるようになりますが、この状態で写真を撮ると演者の顔の映り方があまり良くないことがあります。

どのようなことかは以下説明します。

ステージ(*3)上に一人立ってもらいます。僕は背の低いアバターになります。ステージの目の前で写真を撮ってみましょう!すると・・

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うーん、なんだか顎の部分がちょっと気になりますね・・・

これはちょっと悪意のあるアングルですが、被写体を見上げるような感じで撮ると顔周りがあまり綺麗なシルエットにならないことがあります。

演者がステージにいる関係上、どうしても撮影は見上げるアングルになってしまいがちです。近距離から撮ろうとすると見上げる角度もより急になります。
これを緩和する方法として前述の注意事項に記載した、背の高いアバターを使用します。背の高いアバターを使用することで、ステージにいる演者との目線の高さの差が小さくなります。

ということで、背の高いアバターに変更して同じ位置で撮ってみましょう!

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どうでしょうか?目線の位置も演者の目線とそこまで変わりなく感じ、先ほどの写真では気になった顎部分はそこまで強調されず顔全体がシャープにおさまったのではないでしょうか。

また背の高いアバターにすることで、VR環境のなせるワザですが実際にしゃがむことにより、しゃがんだ高さのアングルからの撮影、コントローラーを持つ手を上に伸ばせば、少し上から見たアングルでの撮影など、撮影アングルの調整がとてもやりやすくなります。

(*3:説明用の撮影にはイベントに使えるデフォルト会場の”レクチャー会場”を使用しました。)
・イベントで使えるデフォルト会場についてはこちら(clusterヘルプ)


Tipsその2:カメラウィンドウを傾けて画に動きを出そう!

clusterのカメラ機能は、どのデバイスでもほぼ同じ操作で写真が撮れます。そのようなこともありユーザーフレンドリーな設計だと言えるかもしれません。

ですがVR環境で写真を撮る場合、その仕様にも少し異なる部分があります。その一つとしてカメラウィンドウを自由に動かせるということです。

スマートフォンやPCではカメラにあたる部分=デバイス画面やウィンドウそのものに依存するかたちになりますが、VR環境では空間の中にカメラウィンドウのUIが独立して存在します。

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(clusterのVR環境でのカメラウィンドウ。ウィンドウはコントローラーで上下左右、前後そして傾けたりできる。)

この独立したカメラUIが物理世界で写真機本体に該当し、ユーザーはHMDのコントローラーを使い自由に動かすことができます。

ここで僕がよく使う方法としてカメラウィンドウをあえて傾けて画全体に動きを出す方法です。
水平・垂直に沿って見えるもの・存在するものは静止している、安定していると感じさせる一方で、傾いたものは不安定さや動きを感じさせることがあります。
これを利用し、カメラウィンドウを傾けて撮った写真がこちら。

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(冒頭でも紹介したL*auraさん。全身で歌っているという雰囲気がとても伝わってきました。)

ステージ右側からカメラウィンドウをやや右へ傾けるようにして撮影。体全体を斜に収め、左右の腕の高さもずらすようにしてより動きがあるような一枚を狙いました。

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(かわいいを研究し、自らもかわいいを追求するゆみうすさん。)

ステージ後ろに何も背景がないため、余白を多めに残すと背景がごちゃごちゃしそうだったのでカメラウィンドウを傾けて上半身を画面いっぱいにおそめるように意識しました(それでもやはり後ろが少しごちゃごちゃしているので背景がぼかせるとまた印象がちがうのだろうなーと思ったりもします)

Tipsその3:
背景(ディスプレイ)もうまく活用しよう!

さてここでいくつかまとめて写真を紹介!

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(「歌のおねにいさん」ことhalさん。毎回のように歌のパフォーマンスで驚かせられてしまいます!)

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(「あなたの心に草羽エル」のV名乗りでお馴染み草羽エルさん。ステージ上で歌いながら体いっぱいの踊りを披露してくれました。)

・背景の余白を見つける、背景にあるものを利用する
さて、このお二人の写真をどのように撮ったのか説明します。お二人が出演されていた時の背景は以下の図のような感じでした。

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どちらも背景がメインビジュアルや文字情報などがあり、これらの情報が全く写らないように撮ることはまずできません。
そのため、背景の余白部分に演者が重なるような位置に移動し撮ることを意識しました。こうすることでできる限り出演者の周りがごちゃつかず、フォーカスを当てた写真になるかと思います。

また、演者周辺はすっきりするように意識しつつも、それ以外の部分では背景にあるビジュアルを適宜取り入れるような配置にすることで画全体が寂しくならないようにもしました。

さて、もう一枚紹介

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(ぱんだ歌劇団の座長である ききょうぱんださん。哀愁漂う歌、そしてその雰囲気が伝わってくるような歌い方が客席にも伝わってきました。)

さて、この時の背景はどうなっていたかというと曲に合わせてMVが流れていました。歌劇団座長ということもあり、演出までしっかりしたこだわりを感じました。

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(どんなMVかはぜひYouTubeアーカイブで確認いただければ・・と思います。)

・曲やMVの進行から背景に活用できる部分を見つける
写真を撮るにあたっては先ほどと意識することはほぼ変わりませんが、MVゆえに背景が動くという違いがありこれが結構悩ませどころです。
演者のポージングが良い瞬間であっても、MV部分が情報量が多い場面であると画の整理が難しくなります。

では、この時自分はどのように意識したかというと背景がMVである以上、そして歌である以上1番、2番、そしてラストといった感じに曲は進行するので1番は写真を取りつつも映像にどんな緩急があるかを探ります。
(ここでいう映像の緩急というのは、メロからサビにかけて落ち着いた感じから盛り上がっていくようなことがMVでの演出でも連動するかたちで変化するということを表現したく書きました。僕の言語化能力がイマイチでうまく伝えられないけど見逃して欲しい・・・)

その緩急の中で、余白として活用できそうな背景があるかどうか、そのタイミングはいつか、といったことを意識しながらも演者をどう撮るかということも意識していたので正直難しかったです。特に背景がもうちょっと整理できている状態の写真が撮れていれば・・・なんて思ってたりもします。

次撮る時に同じようなシチュエーションがあったら、今回のことも踏まえてリベンジしたいですね!


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(パフォーマンス以外にも自分がどのような者であるか(V名乗りというべきか)を伝えていくのも、イベントでの恒例だと思っています。)

その他
単に映えるということではなく、上の写真のようなSNS共有を前提にしたような一枚は、演者にとっても嬉しい写真という観点として背景を活用することができるかと思います(clusterはTwitterアカウントでのログインをするとシームレスにTwitterへ写真投稿ができるので)。


Tipsその4:ライト、パーティクル、Vギフトも被写体として活用しよう!

Tipsその3では背景部分の余白を見つける、背景にあるものを活用して演者と背景がごちゃつかないようにし画を整理することを説明しました。
Tipsその4は偶発的な要素が大きいので、撮っていい写真が撮れていたらラッキーくらいの意識でまずはいいと思います。

それではまず一枚、紹介。

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(おそらく音楽イベント出演は初?のゆみうすさん。歌い終わったタイミングで無数のハートのVギフトが贈られました。)

Tipsその4は簡単に説明すると写真のテクニックでいうところの前ボケと同じことようなことを意識したものになります。前ボケは、メインの被写体の手前に写るものをぼかすことで写真に奥行きを出す方法です。

同様の考え方でライブイベント時に演者の手前に写り込むものとして、ステージの演出であるライティングがパーティクル、ユーザーが贈ることができるVギフトという投げ銭機能などがあります。

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(画を整理・考えるとき、上図のようにそれぞれレイヤーのように考えると良いかもしれません。)

前述の通り、cluster では被写界深度の調整ができないため、前ボケによる奥行きの表現はできませんが、画にさらに雰囲気を加えることができるためこちらも意識できるようになると撮るのが楽しくなるかと思います。

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(草羽エルさん。周囲にキラキラのパーティクルがきらめき、クリスマス衣装ともとてもマッチしていました。)

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(ききょうぱんださん。MVでもステージ上でも雪が降るパーティクルの演出ありました。雪のパーティクルが半透明のため、結果として前ボケのような写り方となり奥行を感じられる一枚になったかと思います。)

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(ピアノ演奏でクリスマスソングを披露してくださったふかみあいやさん。ピアノの位置関係で、どのように撮るか悩みました。
背景のごちゃつきは多少気になるものの、黒くて重たい印象のあるピアノを後ろのライトやクリスマスの飾り付け、さらにはステージ上の雪のパーティクルで和らげクリスマスライブ演奏という雰囲気が出せたかと思います。)


工夫したけどうまくいかない場合もあるさ!

もちろん工夫してみたけどなかなかうまくいかない場合もあります。
ふかみあいやさんのピアノ演奏時にはステージにピアノが登場するようになっていましたが、このピアノの椅子部分は座れないため、ステージ真正面からは下の図のように見えていました。

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(真正面からだと椅子があるのに立って演奏している姿しか撮れない・・・)

もちろん仕方がない部分ではありますが、写真を撮るからにはその人が映えるように撮りたいと思うものです。
その時の僕にできることはとにかく ”ピアノに座って演奏している” ように撮るために、どこからどのように撮ろうかとステージ右へ左へとバタバタ移動してポイント探すことでした。

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(先ほどと同じくふかみあいやさんの一枚。あいやさんにフォーカスしたが、ぱっと見ピアノを弾いているシチュエーションが分かりづらいなと後々感じました。)

頑張ってみましたが、やはり感触としてはうまくいかなかったなーという気持ちもありました。
ですが、いちイベント参加者として何かを競っているわけでもなく、何かを持って失敗ということもないわけで、撮った写真の中で演者の方が喜んでくれるのはどれだろうといった気持ちでいいと思います。


撮り終わってからが実は大変かも…

さて、これでバッチリ映える写真が撮れる!…という簡単なお話しでは残念ながらありません。

ライブイベントでは、曲が始まり演者が変わり、演出が変わり・・と、どんどん進行していきます。ステージの上でパフォーマンスする演者もガンガン動きます(加えて通信環境や通信状況によって動作のラグが発生する場合もあったりします)。

…ですので紹介したTipsを意識しつつもワンショットでバッチリ撮れることはほぼ無く、ひたすらコントローラーのトリガーを連射して撮っているのが現状です。

1イベント終了した段階で写真の枚数がえげつないことになりがちですが、その中から自分が思う“ベスト”を探していくのです…


最後に

いかがでしたか?バーチャルであってもリアルであっても写真を撮る人なら特別に思うようなことではなかったかもしれません。

ただ、冒頭にも書きましたとおりclusterがOculus quest2単体で遊べることとなり、より多くの方がclusterを通してVRを楽しむことができるようになりました。
その楽しむ方法の一つとして、僕がナニカ提示できるものが写真を撮るということであり、その際に意識しているを挙げたということだけにすぎません。

他VRプラットフォームの一つであるVRChatではバーチャルフォトグラファーと呼ばれる方々の活動やコミュニティーがあり、最近は活動の活発さが感じられます。

clusterでも写真を撮るコミュニティーのようなものがあればいいなと僕自身思うことはあるのですがそれはそれとして、今回記事を書く理由としては冒頭に記載したOculus quest2対応の他に、限られた機能の中でも工夫して写真を撮ってみること、そしてその先には演者の方に喜んでもらえるということもあるということを伝えたかったということがあります。

1ユーザーとして、機能がない中で工夫して撮った写真。色々と面倒なこともありますが、演者の方が喜んでくれた時はやっぱり嬉しいものです。

もちろん、楽しみ方は人それぞれであって写真を撮ることだけではありません。
イベント時にはみんなとコントローラー越しに我を忘れてサイリウムを振るのも良し!DJイベントで音楽に合わせて体がクタクタになるまで踊っても良し!綺麗なワールドで一人夜な夜な考えにふけるの良し!

ただ、僕と同じようにちょっと工夫して撮ってみようと思う方がいて、少しでも参考になればと思います。
(でもちょっと欲をいうなら、cluster公式さん・・・・マルチプラットフォーム対応の状態で願わくばカメラ機能の拡充を検討していただけると嬉しいなと思うところです。)

今年も残すところあとわずか!
年末年始はリアルもバーチャルもイベントだらけのここ最近!
体調だけは十分に気をつけてこの変化目まぐるしい世界を楽しみましょう♪

ではでは〜

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*謝辞
今回、note記事にも写真を掲載するということで以下6名の方に許可をいただきました。

ききょうぱんだ さん
草羽エル さん
hal さん
ふかみあいや さん
L*aura さん
jumius(ゆみうす) さん

ご協力いただきありがとうございました。感謝感謝です!

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