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祝!TR-808 40周年! 808day

1年以上ぶりのnote投稿です。まだ記事を読んでくださる方やフォローしてくださる方に感謝します。

8月8日808dayという事で、SNS上で #808day を付けた動画や画像の投稿が数年前から盛り上がって来ており、Rolandも公式にサイトを立ち上げたりと全世界で808の日を祝うようになってます。以下は自分の今年の808dayの投稿です。

1980年発売のTR-808は今年で40周年、今でも多くの楽曲にその音が使われている不変のドラムマシンです。TR-808の音を聴けばそのジャンルがすごわかるものも多く、まさしく「四十歳にして迷わず」です。

TR-808の歴史はRoland808day公式サイトを見れば詳しく書いてありますのでそれを参照にしてください。

ここでは自分が思うTR-808の魅力について書いていきたいと思います。

1.低音の魅力

魅惑の低音と言えばフランク永井ですが(笑)、
言わずもがなTR-808の魅力もバスドラムの低音の豊かさです。
アナログ回路で生み出される低音は後処理をしないと楽曲のパーツとして機能しづらいくらいの密度の濃さです。
このバスドラムの低音はディケイを伸ばして、ドラムンベースやダブステップ、今ではTRAPといったジャンルのベースとして使われることも多々あります。
自分はオリジナルを保有しているのですが、クラブの大きいスピーカーで鳴らした時の空気が震える感じは他のマシンでは味わった事がありません。
リアルなバスドラムとはかけ離れた音ではありますが、それが逆に定番となりTR-808を現代まで使われるマシンとして生き残ってる一端であると感じます。

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2.必要最低限の音色づくり

TR-808はそれほど音作りのツマミは多くありません、バスドラムはTONE、DACAY、スネアドラムはTONE、SNAPPY、タム/コンガはTUNE、シンバルはTONE、DECAY、あとオープンハイハットのDECAYのみです。
現代のドラムマシンやソフトドラムマシンに比べ、極端に少ないエディットの幅ですが、これによって808の音はコレ!とすぐ聴いてわかりますし、製作の際、細かい音色作りに迷う事が無くなり、良い意味で割り切って使う事ができる点がTR-808の良さと感じています。
しかし、少ない音色変化でありながら、非常に使いやすい範囲に収まっています。TR-808を製作の際、ROLANDのモジュラーシンセSYSTEM-700で最初音色を作りそれを回路化したと聞いておりますが、その時の開発者の方のセンスは本当にすばらしいとつくづく思います。

3、クラップのヌケの良さとリバーブ感

実はTR-808の重要な音色に一つにハンドクラップがあります。
808以前のドラムマシンには際立ってハンドクラップがフィーチャーされたマシンはありませんでした。この808にハンドクラップが搭載されたのは当時は画期的であったと想像されます。廉価版のTR-606にはハンドクラップが無く、他メーカーが606に合うハンドクラップを出したぐらいです。

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808のハンドクラップは余韻の部分にノイズ成分があり、それがまるでリバーブがかかってるような空気感を醸し出しています。
また、楽曲の中で埋もれないヌケの良さは他のマシンではなかなか味わえません。

4、微妙に入るフェイズシフト

これはほんと細かい事ですが、本体でシーケンスさせた時にハイハットや、クラップ、スネアのからみので位相のずれからくるフェイズシフトが出る場合があります。これが独特のグルーヴを出しています。これはなかなかサンプリング音源では再現できないのですが、ハードウェアで再現しているものもあります(Roland TR-8など)。
オリジナルTR-808はパラアウトよりもトータルアウトの方がノリやヌケがいいと言われる理由の一つでしょう。

5、やはりルックスがいい

自分が思う魅力の一番とも言える事が、なにしろ見た目がかっこいいって事です。武骨な黒い筐体カラフルなツマミ、そして現代のドラムマシンの元になった16グリッドのこれまたカラフルなボタン
デザイン的にも洗練された配置で、無駄が無いです。

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他のメーカーがTR-808のパクり....コピー品を出す際にルックスも真似る意味がここにあると思います。この形でしか成り立たないと。
いままで数多くグッズやTシャツになってるのも納得です。

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さて、ここまで自分の思うTR-808の魅力に関して書いてきましたが、未だに数多くの楽曲でオリジナル実機でなくても808の音色が聴かれるのはクリエイターやリスナーがそれぞれ違った808の魅力を感じてるからだと思います。いまや定番のギブソンのレスポールが誕生してから約70年TR-808はまだ40年ですが、これから先もまだまだ808の音は使われいくことで、レスポールみたいに永遠の定番の楽器として残っていく事は間違いないと思います。

長文駄文失礼いたしました。

長年、シンセ、ドラムマシンをこよなく愛してトラックメイクしてきました。今までの蓄積から何か残せないかと思い文章に書き記しています。