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don't look so sad (デンマーク日記)

サムス島(真ん中のちいさな島)

1日目
いつも、私はいちばんお得な方法で旅行をするから、この日は6:55のフライトだった。深夜2時にバスに乗って、空港のカフェでカメラの会社の面接を受けてから、オーフス空港に飛んだ。
オーフスからバスと電車とフェリーを乗り継いで、合計15時間かけてHouからサムス島へ(でもよくよく調べたら、オーフスからフェリー出てたらしい・・・)途中のバスで、現金がなくて焦るけど、運転手さんに泣き付いたら、まあいいよ〜って言われてお情けでのせてもらう。ちなみに、この1時間前もバスの中でair podsなくして、運転手さんに泣きついて探してもらう(・・・)。ひとり旅をすると、たくさんの優しさを日々受け取っていることを再確認する。

2日目
豚や野菜を育てて、それをカフェで提供して、食べ残しをエサにするような、サムス島の農場で働いている。1日5時間、週6日。お給料は出ないけど、家賃も食費もかからない。10部屋あるようなお家に、ここから3日間ぐらいはひとりで住むらしい。早速、薪ストーブの使い方を教えてもらう。
今日の仕事は、ひたすら土を混ぜてカップに入れる仕事。嘘じゃないよ。5時間ひたすら土をカップに入れ続けた。何この経験。この経験ほど、自分が潔癖症じゃなくてよかった〜と思ったことは時ないかもしれない!

お昼ご飯が天国、全部オーナー手作りのキッシュみたいなのをまかないでいただく。

3-5日目
ずっと同じような仕事(嘘じゃないよ、ひたすら土をカップに入れる仕事)!気が狂いそう。でも、仕事が終わった後は、自転車を借りて島中を走っている。人が全くいなくて、キジとウサギばっか。海辺で、一人で本を読んだりする。今までの人生でいちばん綺麗な夕日をみた!誰もいない、周りが海に囲まれているような丘の上で、風がすこし冷たかった。
そういえば、デンマーク中は携帯を見ないようにしている。

今日読んだ本:小川洋子のフィクション(たぶん口笛の上手な白雪姫)

6日目 
念願のもう一人の農業ボランティアが来た!嬉しい!英語があまり喋れないフランス人の子なんだけど、「Are you Vegitarian?」って聞かれて「Oui」って言ってた。それで、その日はオーナーのお宅でパスタ(なんと手打ち!)をご馳走になったんだけど、その子だけベジタリアン用のソースの鍋が用意されていた。でも、次の日、そのフランス人の子が牛肉食べてて(ベジタリアンって日替わり・・?)みたいに大混乱したんだけど、単純に英語がわからないのにてきとうにOuiって言っただけで、お肉大好きらしい。オーナーのお宅でご飯をご馳走になった時、自分だけ別のポットを渡されてでどんな気持ちだったんだろう・・・。しばらくそのことで二人で笑い続ける。
ちなみに、オーナーのお宅は超素敵だった。旦那さんが、木の椅子とか机とか、全部作ったらしい。ご飯中は、日本の政治とかデンマークの政治とかについて話す。デンマーク政府は、ウクライナの人たちのために、祝日を一日働く日にしたらしい。そして、その祝日であげた利益は、全てウクライナ政府に渡すらしい。

8日目
朝、焼きたてのパンを、金髪でふかふかのお隣さんからもらう。もう一人追加で農業ボランティアが来た!この子は、ドイツ人の18歳。ギャップターム中らしい。(この子とすごく仲良くなった)。ドイツ人の子が来て早々、土をカップに入れる仕事を一緒にすることになった。土にカップをひたすら入れながら、ひたすら話す。私は何が好きなのか、私の家族はどんな人なのか、なんでサムス島に来たのか、何がしたいのか。初対面だとは思えないぐらい、自分の深いところまでをずっと話していた。

この人、好きだな〜〜って結構序盤から思う。まず、お互いの深いところまで一緒に話せるのがとても好き。そして、私のしょうもないギャグに笑ってくれる、笑いのツボがすごく似ている。この子のやることなすことが、全部すごくツボ。面白すぎる。そして、本当にこの後ずっと、ケラケラ笑いながら、でもたまにびっくりするほど内面のことを話しながら、一緒に雑草抜きをすることになる。

10日目
今日の仕事は、タネを植えてラベリングをすること。ドイツ人の子と一緒にやる。途中、ブロッコリー植えたか、玉ねぎ植えたかわかんなくなっちゃって、てきとうにブロッコリーってラベル書いちゃった。ブロッコリーだと思ってたのに玉ねぎができたらごめん、それ私のせいです。夜ごはんは、3人でつくる。なんとなくてきとうにつくる。だから、できたのは、じゃがいもを茹でたやつ、パン、パスタをただ茹でたやつ。パスタ、ただ茹でてて、どうするんだろ〜って見てたら、ドイツ人の子がケチャップをダバダバかけて、This is my feast!とか言ってて、めっちゃ笑う。パン食べるたびに、My German seoul…とかつぶやいてて、本当におもしろすぎる。

夜ご飯を食べた後に、3人で自転車を漕いで海辺まで行って、横並びになってひたすら波を見る。私以外が喫煙者で、初めてタバコを一本もらう。吹奏楽部だったからか、タバコ吸うのうまいね〜って言われる(でも私は肺活量一ミリも関係ない打楽器)(というかタバコ吸うのうまいってなに???)

11日目
今日の仕事は、ドイツ人の子と上の農場に行くことになった。自転車を漕いで、二人で上の農場まで行く。そうしたら、オーナーがトラクターで農場を案内してくれた。その後は、ずっと雑草抜き。本当にずっと雑草を抜き続ける。でも、ドイツ人の子とずっと話し続けてた。なんでサムス島に来たのかとか、どんな人生を歩みたいかとか。その子が、「冷静に、人生長いのにずっと1人と結婚するってクレイジー」って叫んでて、笑った。夜は、雨が降っていたから、オーナーのお母さんが編み物をお家で教えてくれた。

12日目
今日の仕事は、レストランの仕事。私はホスピタリティ系(接客業)が大好きだから、ずっとレストランの仕事がしたい・・・。でも明日は、雑草抜きなの知ってる・・・・。

夜ご飯の後に、ドイツ人の子と夕日を見に行く約束をする。自転車を二人で爆走させて、丘の上までいく。途中の牛に二人でビビりながら、丘の上までいく。夕日は、すっごく綺麗だった。帰り道、爆笑しながら自転車を爆走させる。でも、ドイツ政府のこととかも話してた。本当にこの人好きだなあと思う。今でもその人のことを思い出すたびに、笑ってしまう・・・。

その後、3人で近くにアイスを食べにいく。

Don't look so sad
仕事中に、何度も"Don't look so sad”ってオーナーにいわれた。私としては、真面目に仕事に取り組んでいるつもりだったんだけど、確かに眉間にシワを寄せたり、真面目に働きすぎてしまっていたのかもしれない。確かに、オーナーはいつもにこにこで、急に歌とか歌い出すけど、楽しそうに仕事をしている。どうせ仕事をするなら、にこにこと、口角を上げて仕事をした方がいいな〜ってすごくハッとさせられた。だから、東京でインターンをしていた時でも、口角を上げながら仕事をしていたし、これからもにこにこ仕事がしたいと思う。こうやって、自分の機嫌をとりながら生きていきたいね。

自分の意見を持つ
最近気づいたんだけど、こっちの人たちはみんな「私はこうする/したいと思ってるんだけど、あなたはどうする?」って聞いてくれる。これは、すごくヘルシーな考え方だなって思った。自分の意見ややりたいことが明確にあって、相手を誘うけど、相手がやるかやらないかはその人次第。こういうコミュニケーションが取れる人に、私もなりたい。

デンマーク人と家族と環境
デンマーク人はとにかく顔が穏やか。でも、外の人を中に入れない排他的な感じも若干する。でも、だからこそとにかく家族を大事にしていた。自転車を走りながら、いろんなお宅をちらっと見ていたんだけど、みんなロウソクをつけて、家族で食卓を囲んでいたのが、とても印象に残っている。家族を大事にしているからこそ、もしかしたら環境に意識がとても高いのかもしれない。環境問題は、現在の問題でもある一方で、未来の問題でもあって、子供や孫が苦しむかもしれない、だから自分達が対策を本気でしなければいけない、みたいな感じなのかもしれない。

空白を楽しむ
会話をしている時に、むりに空白を埋めようとしない。お茶を飲むことが、その空白を自然と埋めてくれるはず。

Bad student
その日は外が雨だったから、お茶を飲みながら、ストーブの前で3人でオーナーに編み物を教えてもらった。私は、手先がものすご〜〜〜〜〜〜く不器用なので、一人だけすごく遅れをとっていて、すごく焦っちゃった。オーナーに何度も何度も「これ次どうしたらいいですか?」みたいなことを聞くしかなくて、最後には自虐っぽく"'I'm such a bad student"って言ったら、オーナーがそれは違うって。「本当のBad studentは、諦めた人だよ。」って言ってて、なんかすごくハッとさせられた。

ライフスタイル
やっぱり仕事ばっかりする人生はやだな〜ってデンマークに行って思った。心底社会的ステータスとかどうでもいいし、別に成功者になりたいわけでも全くないので、周りが喜んでくれたり救われたりすることを指標に仕事をして、でも仕事以外の人生を充実させたいな〜って思った。いい意味で、自分の肩の力を抜くことができた気がする。


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なすがままに、なすがぱぱに〜(5/4のメモ)
流れに乗るのが大事なのかも!起こるものごとには、すべて意味があって、だから気負いすぎずにきたものに無理に意味を見出せずに、丁寧に向き合うのが一番難しくて大事なのかもしれない。

Work for life(5/6のメモ)
留学をして、良いことは、自分が生まれ育った場所以外の生き方を知れること。 life for work ではなくて、 work for life。これをしれたのは大きいし、どこにいてもきっとこれを大切にすれば、私は個人指標で豊かに生きられると思う。

資本主義(5/6のメモ)
労働が食べ物になる経済は、個人的には合わなかった。労働してお金がもらえるという仕組みの方が、個人的にモチベーションに繋がるなと思った!

山奥(5/7のメモ)
ずっと、山奥にこもってひっそり暮らしいたいと思ってた。これ、刺激がない生活が送りたいのかな?って思ってたけど、そうではなくて何かに不必要に追われずに自分と周りの人を時間をとってケアできるようになりたいという欲望なことに気づいた。

Kattieについて(5/8のメモ)
この子とは、すごくウマがあったし、自分でいられたと思う。ナチュラルで自立した、関係性を作ることができた気がする。依存ではない、好かれようともしていない。ただ、お互いにお互いの表面的ではない部分に興味を持って聞いているだけだった気がする。


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