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【読書記録】窪真澄「ふがいない僕は空を見た」世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸

本の二章目。独立した短編集だと思って読んでいたら実は前の「ミクマリ」と繋がっていた。独立していると勘違いしたのは文体が女目線に変更されていたからである。
 主人公里美は夫の慶一郎さんと義母マチコさんとのやりとりの中、心が病んでいく。高校生に金を渡して逢瀬を重ねる、その相手は「ミクマリ」の「おれ」であり、里美こそ「ミクマリ」の「あんず」である。
 あんずの背景が明らかになることで繋がりで読めば純な恋物語、と言ってしまうのはまだ早いのかもしれない。第一章で入れた種火に第二章で再着火。どっち方向に展開するか面白くなって来た。
 でもなあ、この2人に共感してるかと言われれば少々つらいのも事実である。最後まで見届けたい気はあります。

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