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ぶん・ぶん・ぶん♪蜂が飛ぶ~♪

「調べてみると、この遊びはわりと都会の子の遊びだったようで大自然に溢れたところで育った人たちにはあまり馴染みがないらしい」

「キバチやないか!。そんなもんキバチに決まってるよ~♪」

そういったわけで一発でわかってしまいましたが「キバチ」のお話。

1972年生まれ、新宿区で産湯につかり渋谷区で育った私にとって子どもの頃の今時の恒例行事は花に集まる蜂を捕まえるというもの。私達は「キバチ」「キイロバチ」と呼んでいたこの蜂は捕まえても刺すことはなく、蜂の胴体に糸を結んでワンちゃんよろしく一緒に徘徊。同級生の女の子を見つけると嫌がる鼻先に蜂を飛ばしてワー・キャーふざけていた。「キバチ」の図鑑での源氏名は「コマルハナバチ」。

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なんともかわいい蜂。この蜂に糸を結んで飛ばすなんて今考えれば酷いと思うが当時は欲望の赴くままに糸をくくりつけ、自分のまわりを飛ばしていた。キバチはネズミモチの木の花が大好きで、基本このネズミモチの木のまわりでしかキバチを見かけることはない。ネズミモチの木があるお家のまわりにはこの時期キバチ同様、学校帰りの小学生も集まってくる。上手くやれば手でも捕まえられた。もちろんランドセルを家に置き、虫取りかごと虫取り網をもってあらわれる同級生もいる。みんなはどこからともなくやってくるキバチに狙いをさだめる。実際にはキバチだけではなく花の蜜を求めて、いろいろな種類の蜂がやってくる。キバチとまちがえて、刺す蜂を捕まえて刺され泣きながらその場をあとにする子もいる。よくあることである。

幼馴染に色々な事にませた男の子がいて、彼は蜂に関してもませていたwその頃の小学生のペットと云えば、カブトムシ、クワガタとかメダカに金魚みたいな感じであるが、彼はメガネカイマンというワニを飼っていたwそんな彼がスズメバチにタコ糸を結び付けてキバチの現場に現れた。あとで聞いた話だがピンセットでスズメバチの針を抜きタコ糸をくくりつけていたようだ。翅の音の大きさとタコ糸じゃないと切れてしまいそうな勢い。みんなはワー・キャー言いながら逃げていた。

とにかく、ませたその男の子に色々とはじめてのものを教わった。小学校4年。松茸ごはんを食べたのも彼の家で初めて食べた。初めての女性器(満開の状態)をみたのも彼の家。初めて戸川純を聴いたのも彼のお姉ちゃんのライブラリーから。とにかく彼まわりのものに影響をうけた。

ある日の事。ませた彼と彼の家で遊んでいるとおなかが空いたと言って乾燥している「ふえるわかめちゃん」をボリボリと食べ始めた。2パック位食べてしまっていた。そのあと普通に遊んで夕方には解散したが翌日彼は腹痛で学校を休んでしまった。ふえるわかめちゃんが腹の中でふやけてしまって腹痛を起こしたらしいwそれから20年後、エロ本を読んでいたら「ふえるわかめちゃん」プレーみたいな一文を見つけた。彼はやっぱりませていた。

今住む近所のコンビニのならびの団地にネズミモチの木を見た。しばらく止まって木を見ていたけれどキバチを見ることはできなった。



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