面接は受験作文では合格しにくい。

【面接は受験作文では合格しにくい。】
<初歩から学ぶ教採面接の合格戦略>

本日(2022年6月1日)より,レトリカブログが復活します!

本日から,

奇数日は,
【初歩から学ぶ教採面接の合格戦略】

偶数日は,
【初歩から学ぶ模擬授業の合格戦略】

を連載していきます。

本日は,1日で,奇数日なので,

【初歩から学ぶ教採面接の合格戦略】

です。

本日のテーマは,

【面接は受験作文では合格しにくい。】

です。

面接は受験作文では合格しにくいと言いましたが,実は,例外もあります。

もし,あなたの志望先が,1倍~2倍程度の,低い競争倍率の,例えば,小学校志望であれば,受験作文でも合格する可能性は,かなりあります。

また,あなたが,それなりのブランド大学の現役の大学生(院生)であれば,受験作文でも合格する可能性は,かなりあります。

でも,あなたが,数倍以上,10倍以上の,高い競争倍率の,例えば,高校保健体育,高校数学,養護教諭などの志望であれば,受験作文では,まず,合格は難しいでしょう。

また,あなたが,あまり有名でない大学の出身であったり,出身大学を問わず,現役の学生ではなく,社会人経験があったり,講師経験が長かったりすれば,受験作文では,まず,合格は難しいでしょう。

教員採用試験の面接は,30分前後の個人面接が1回で,それが合否に大きな影響を与えます。

模擬授業や実技や小論文なども課せられる自治体も多いですが,2次試験(3次試験)での個人面接は,それだけで最終的な合否が決まると言っても,過言ではないでしょう。

ところが,科学的に考えて,初対面の面接官が,初対面の受験者と,30分前後,会話して,その受験者の,教師としての適性・資質・能力を,評価し,見きわめることは,不可能です。

教採の面接は,そもそも,不可能なことを,アリバイ作りのようにやっています。

繰り返して言います。教採の面接は,現在のカタチであれば,人事採用や対人コミュニケーション(心理学)のプロフェッショナルでもない,にわか面接官が,30分前後の面接で,人材の優劣を,正確に判断することは,まず不可能です。

もちろん,あまりにも非常識な人や,あまりにも能力や適性がない人は,1分話してわかるかもしれませんが,そういう人は,例外的な存在です。

面接では,結局は,面接官の印象・イメージ・心証で,合否が決まります。

俗っぽく言い換えれば,面接官に主観的に気に入ってもらえた人が合格して,気に入ってもらえなかった人が不合格になります。

こう言うと,公平ではないとか,客観的ではないと文句が聞こえそうですが,日本の教員採用試験の面接の在り方は,そもそも,合理的ではなく,科学にも基づいていませんし,公平性も,客観性もありません。

校長や教育委員会の管理職が,夏だけ,面接官に仕立てられて,そんな素人面接官に,主観的に気に入られた人が合格し,気に入られなかった人が不合格になるだけの,本当に,困った試験でもあるのです。

話を戻しましょう。

なぜ,受験作文では,合格しにくいのでしょうか?

また,なぜ,受験作文でも,合格する場合もあるのでしょうか?

まず,受験作文では,合格しにくい最大の理由は,受験作文は,決まりきったことや,綺麗ごとや,面接対策本に書いてあるようなことを,そのまま語るので,多くの人が,同じようなことを言います。

志望動機を聞けば,恩師に憧れて,恩師のような教師になりたいとか,自己アピールを求めらたら,私には積極性と挑戦心があります,のような,どこかで聞いたような作文,誰でも言うようなことを言います。

これでは,インフレになってしまいます。

インフレになったときに,ユニークで,インパクトがあり,面接官の好感・共感・好印象を勝ち取ることができる語りができれば,その人が,ほぼ自動的に合格することになります。

面接官の印象・イメージ・心証で,面接官に気に入られるかどうかが決まるのですから,これは,当たり前の結果です。

では,いくつかの自治体の小学校志望のような,競争倍率が1倍~2倍程度であれば,なぜ,受験作文でも合格するのでしょうか?

それは,採用側の面接官の心理によるのです。

倍率が数倍・十倍以上であれば,採用側から言えば,採用候補者は,選り取り見取りです。

ですから,そういう場合は,一番優秀そうに見える,一番気に入った人から合格させていきます。

でも,1.2倍とか,1.4倍であれば,不合格にする人より,合格する人の方が圧倒的に多いことになります。

こういう時は,採用側の面接官は,問題がありそうな人,問題を起こしそうな人は避けたいという心理が働きます。

つまり,受験者のほとんどを採用するわけですから,問題のある人を合格者から排除したいと思うのです。

言い換えると,倍率が高い場合は,優秀そうな,気に入った人から取りたいけれども,倍率がとても低い場合は,変な人,問題のありそうな人を排除しておきたいという心理なのです。

受験作文は,ありきたりで,当たり前で,平凡ですが,変な人には聞こえません。

受験作文は,典型的な良い子ちゃん作文ですから,悪い子には見えないのです。

ですから,倍率が極端に低ければ,良い子ちゃんにさえ見えれば,合格するわけです。悪い子にさえ見えなければいいのです。

でも,競争倍率が,とても高ければ,単なる良い子ちゃんではダメです。採用側は,たとえ,主観的な印象・イメージ・心証であっても,優れていそうな人,気に入った人から,合格させます。

だから,倍率が高ければ,受験作文では,合格できないのです。

また,仮に,倍率が高い場合,受験者全員が,受験作文(良い子ちゃん作文)で語ったとします。

その時は,若い人,つまりは,現役の大学生,それも,ブランド大学から合格していくでしょう。

受験者全員が,平凡で,ありきたりで,平均的な受験作文で語るのであれば,そんな時は,採用側は,若い人から合格させる,大学生から合格させる,ブランド大学から合格させるというのが,人事採用の鉄則です。

面接の語りで,教採に合格するためには,正しいことだけを言ってもダメです。

面接の語りで,教採に合格するためには,受験作文だけではダメです。

まずは,受験者としての自分の立ち位置(年齢,現職,職歴,学歴,経験,バックグラウンドなどなど)を分析し,戦略的に,自分が合格するための面接の語りを構築していく必要があります。

受験作文でも,十分に合格する人もいます。

受験作文では,まず,合格には届きそうもない人もいます。

戦略的に語りを構築すれば,どんな人でも,面接で合格を勝ち取ることができます。

私は,その戦略を,過去18年間,伝授し続けてきました。

その戦略の一部は,このブログで,奇数日に,連載していきますね!

ご期待ください!


河野正夫
レトリカ教採学院


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