面接での語りは準備だけではダメです。知性と臨機応変な対話戦略が必要です!【合格と不合格の分かれ目】第3話

面接で,一生懸命に戦略を立てて,脚本を準備して,本番に臨んでも,面接の語りにおいて,知性と臨機応変な対話戦略がなければ,不合格になってしまいます。

つまりは,表面的な言葉だけを暗記して,語っていると,大きな失敗をしてしまうということです。

例えば,教採の面接の本番で,面接官から,「それは準備した回答ですよね。本音を聞かせてください。」と言われたとします。

知性のない人は,「しまった。見破られた。」と,すぐに思ってしまいます。

たとえ準備していても,面接官に本当に準備していたことが見破られたかどうかは,わかりません。

見破っていないけれども,とりあえず,「準備した回答ですよね。本音を聞かせてください」と言って,誘導尋問をしているのかもしれません。

いずれにしても,こんな誘導尋問に引っかかってはいけません。

堂々と,「いえ。これが私の本音です。その理由は・・・」と,自分の想いを,知的に,情熱的にディフェンスすればいいだけの話です。

そうすれば,面接官も,なるほど!と共感してくれるでしょう。

知性がないと,すぐに焦ってしまいます。そして,ボロを出してしまいます。

そもそも,面接の回答など,準備しているのは当たり前です。

むしろ,準備しない方が,非常識というものです。

レトリックの観点から言っても,ある程度インパクトがあり,ある程度ユニークなことを言うのは当然のことです。

面接官も,当然のことながら,インパクトがあり,ユニークな回答を好んでいます。

でも,面接官も,当然のことながら,受験者が回答の準備をしていることは予想しているので,あえて「準備した回答ですよね。本音を聞かせてください」とカマをかけてみるわけです。

それに引っかかるようでは,知性の欠如としか言いようがありません。

カマをかけられても,堂々と,ディフェンスできなければいけません。

それが知性であり,それが臨機応変な対話戦略というものです。

では,具体例を見てみましょう!

【悪い例】

面接官:あなたはどのような授業を目指していきたいですか?

受験者:はい。学びは楽しいということを実感できる授業を目指したいと思います。具体的には・・・・・

面接官:それは準備してきた回答ですよね。あなたの本音を聞かせてください。

受験者:はい。そうですね。学びは楽しいことも,苦しいこともありますが,それでも,頑張って学び続けていると結果が出るということを伝えたいです。

面接官:学びは苦しいこともあるということですね。では,どういう時に学びは苦しいと感じられるのですか?また,苦しいときに,学びを続けるには,どのような工夫が必要だと思いますか?

受験者:ええと。。。そこまでは,今は,よくわかりません。。。


これではダメですね!

【まともな例】

面接官:あなたはどのような授業を目指していきたいですか?

受験者:はい。学びは楽しいということを実感できる授業を目指したいと思います。具体的には・・・・・

面接官:それは準備してきた回答ですよね。あなたの本音を聞かせてください。

受験者:いえ。先ほど申し上げた「学びは楽しい」というのは,私の本心であり本音です。学ぶということは,新しいことを知ることができ,また,新しいことができるようになることです。子供は,新しいことを発見したときに目を輝かせますし,新しいことができるようになったときに,とても充実感を感じています。過去には,苦しくても我慢して勉強するというような雰囲気があったかもしれませんが,これからは,学びは楽しいから,もっとやってみたい,もっと学んでみたいと思えるような授業を目指したいと考えています。これは,本当に私の本心です。

面接官:なるほど。学びを楽しくしようということなのですね。では,学びはどうすれば楽しくなりますか?

受験者:はい。私が授業で実践している楽しい学びの具体例は,例えば,・・・・・


こうすれば,自分の得意領域に話を持っていくことができます。


要は,面接官の誘導尋問などに引っかかってはいけないということです。

自分が準備したことは,最後まで,自分の想いと言葉でディフェンスしなければいけません。

それができるのが知性であり,臨機応変な対話戦略です。

私は,面接の講座や個人レッスンでは,そうした知性や臨機応変な対話戦略を,徹底的に指導しています。

それこそが,面接での合格戦略であり,知的な人間として,教育に携わることだと考えるからです。


河野正夫
レトリカ教採学院

https://kyousaijuku.com/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?