見出し画像

進化とキャリア

進化のからくり』の中に魚のグッピーに関する面白い記述がありました。グッピーでは雄の派手なオレンジ色の体色が雌に好まれるため、地味な色の雄は子孫を残す上で不利になる。しかし、天敵の魚が現れると状況は逆転し、目立つオレンジ色よりも地味な体色の方が有利になるようです。

刻々と変化していく環境の中では、どのような特性が有利に働くかわからないので、一見無駄に見えるような多様性が、種としての生存率を高めます

この原則は組織にも当てはめられ、多くの組織や企業において、複数のプロダクトやサービスを提供したり、多様な性質を持つ人材を抱える戦略がとられています。

進化学からは、組織だけでなく個人のレベルでも学びがあります。それは、個人の性質と環境との適合です。

北海道に棲むグッピーは、人間の手で持ち込まれた天敵の外来種が派手なオレンジ色の仲間が次々と捕食していたとしても、自らの意思で天敵のいない(であろう)沖縄の川に引っ越すのは不可能です。

しかし、人間にはそれが可能です。他の生物が何世代もかけて自らの性質を変えながら環境に適応しようとする中で、人間は環境を変えることで一世代の中で、一瞬にして自らの性質が有利になる(少なくとも不利に働かない)状態を作ることができます他の生物からしたら、これってすごくズルいことです。

人間は良くも悪くも環境への適応能力が非常に高く、環境に自らを合わせることができますが、この特権を行使し、自らの特性が生存において有利なる環境に移動する選択肢があることは常に意識しておきたいなと思いました。

まとめてしまえば自分を知り強みが最大限に活かせる環境に行こう、という月並みなことなのですが、これができるのは人間を含む限られた生物だけだと考えると面白いです。

進化学には我々のキャリアや生き方のヒントが豊富に含まれていそうです。もう少し本を読み広げてみようと思います。

以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?