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22/7がこの先取るべき戦略とは
■序
最近デジタル声優アイドルグループ・22/7(ナナブンノニジュウニ)、通称ナナニジにハマっている。
2月27日に新メンバー8人が加入、14人体制となって初のツアー「14」を完走し、夏には9枚目シングルを引っ提げた5大都市ツアーも控えている、今勢いがあるグループだ。
「14」追加公演では新メンバーの担当するキャラクターもサプライズ発表され、所謂“第二章”が本格的に始まっていく高揚感をファンは感じている。
だが22/7というコンテンツは、言葉を選ばず記載すると「問題点」が多い。
「問題点」は、運営にもオタク側にも多々あるが端的に言うと
このコンテンツが「どっちつかず」な点だ。
秋元康プロデュースのアイドルと聞くと
アニメオタク界隈からはウケが悪く、アイドルオタク界隈からはアニメのアイドルという雑な認識がされている。
上記は自分の主観ではあるが、大体の認識は他のオタクと一致していると思われる。
そのためオタクたちの間で度々ナナニジが、どういう方向性に進むべきか
日夜議論が行われている。
公式コミュニティ「ナナコミ」(マジで誰が見てるんだアレ…)でも
こういった話題は定期的に話題に上がっている。
このコンテンツを追っていく中で、自分が何処を魅力に感じていて、
何を思っているのかまとまった言葉として吐き出したくなったことが、
今回noteで筆をとった次第である。
「運営でもないのにそんな事したって意味ねえだろ」
「脳内プロデューサー(笑)」というのは、自分も思っているため
それでも読みたい方は、下記の怪文書をお読みください。
■結論:ナナニジは二軸展開を貫くべき
今回この記事で一番言いたいことはこれだ。
そもそもナナニジの魅力とは何か?
メンバーの顔が良いことか?メンバーが仲良いことか?曲が良いことか?
キャラクターが可愛いことか?計算中が面白いことか?
上記に書き出したこと以外にも人それぞれ魅力だと思っている部分があると思う。
自分が魅力だと思う点は、このコンテンツが「どっちつかず」な点だ。
これは序盤に問題点としても上げたが、自分はこの部分こそがナナニジ最大の魅力だと感じている。
以下の文は公式サイトからの引用である。
秋元康総合プロデュース、Sony MusicとANIPLEXがタッグを組んだアイドルプロジェクト22/7(ナナブンノニジュウニ)。日本を代表する有名クリエイターがてがけたキャラクターを演じる声優アイドルを募るオーディションで結成された。
えっ…冷静に考えてこれ結構とんでもないことでは???????
「どっちつかず」ではなく「兼ね備えている」な所が魅力である。
この両方の性質を持っている所が、他とは違うナナニジの独自性であり突き詰めるべき方向性である。
■理由:コンセプトが唯一無二だから
まずアニメオタク、アイドルオタクの双方の視点から特質すべき点について書いていく。
アイドルオタク的に着眼するべき点は、歌詞書くだけの名義貸しプロデューサー秋元康という部分ではない。
(どうせなら指原に書いてもらいたいとか本当は思ってもそこではない)
地上アイドル坂道グループ有している天下のSony Music所属という点だ。
THE FIRST TAKEで全世代にバズり散らかして、
特典付きCD購入サイト『forTUNE music』でこのご時世でも安定してCDを売りまくっている、
みなさんご存じあの大手メジャーレーベルのSony Musicである。
Sony Musicの潤沢な資金力がバックにいることでオタクとしても演者としても様々な面で良いことがある。
地上波での冠番組
(特筆すべきは坂道グループのバラエティや内Pなどでお笑いファン的にはお馴染みのK-MAXが制作しているのでバラエティ番組として面白いことが確約されている)プロモーションにおける宣伝広告費(曲出して様々な番組に出ることができること自体凄いという話)
大規模な会場でのライブ
メジャーレーベルにはメジャーレーベルの制約もあるが今回の記事では割愛する。
次にアニメオタク的に着眼するべき点は、主に二点ある。
一点目はご察しの通りANIPLEXが携わっている点。
これは上記で記載したSony Musicよいしょの部分と同じなので割愛。
(そもそも子会社だしね…)
これは完全に主観だが、最終的にアイドルに辿り着く素養を持ったアニメオタクの黄金ルートは太古の昔から大体決まっている。
アニメ→声優→アイドルと流れてくるのだ。
そんな新規へのフックになり、アニメ視聴者層への求心力を発揮するためには、まずアニメオタクに刺さらなくてはいけない。そのためANIPLEXマネーで召喚した有名クリエイター達の参加が必須になる。
妄想みたいな理想を既に可能に出来ているという点。
これは秋元康プロデュースのアイドルという一点で忌避しないほうがいい。
二点目は、“勝てる市場”で勝負出来るという点。
社会において当たり前のことだが、どんな結果でも数字は良いほうがいい。
CDが売れない時代でも音楽チャートで一位を取ることは難しい。
しかし自分が勝てるフィールドで勝負したとしたら?
以下の引用を確認してほしい。
2021年12月1日公開(集計期間:2021年11月22日~11月28日)のBillboard JAPANアニメチャート“JAPAN HOT Animation”で、22/7の「覚醒」が1位に輝いた。 秋元康が総合プロデュースするデジタル声優アイドル・プロジェクト22/7の8枚目のシングル表題曲は、11月24日にCDリリースを迎え、初週84,878枚を売り上げた。CDセールスとTwitterで1位、CD読み取り回数のルックアップで5位を記録して、初登場で首位に立った。
あのANIPLEXが誇るハイパー社会現象ドル箱コンテンツの鬼滅のOPを抑えて一位を取っている。
また日経エンタテインメント!2021年12月号の特集「女性声優グループ最新事情」では女性声優ボーカルグループとして、年間のシングル、アルバムともに1位となっている。
【12月号発売中!】
— 日経エンタテインメント! (@nikkei_ent) November 5, 2021
特集「女性声優グループ最新事情」では、アニソンシーンに1つのジャンルとして定着した、女性声優ボーカルグループシーンの今を、チャートデータや関係者取材から分析。DIALOGUE+をプロデュースする、#田淵智也 さんのインタビューも。#ダイアローグ @DIALOGUE_staff pic.twitter.com/FtxY5WBogK
端的に言うと所謂アニソン市場でアイドル的なCDの売り方をしているからだ
しかし勝てるフィールドで勝つことに越したことはない。
建前上ではキャラクターに声を当てていることによって広義の意味でのアニソンに分類出来る。
「どっちつかず」であることを最大限に生かして「結果」をしっかりと残しているのだ。
このように「どっちつかず」という言葉は屁理屈を可能にする隙間なのだ。
例えば他にもナナニジは年齢非公開という他のアイドルと明確に違う点がある。
この点は演者本人のトークの幅を狭めてしまったり共演者の方に気を使わせてしまったりする。
(先日のSHOWROOM配信にてメンバーの麻丘さんが「毎日拘束される場所の…20分だけ解放される時間があって…」と発言した。
学校の休み時間でいいだろと視聴者全員思った。)
一般的にアイドルであれば30歳以上で活動することは中々難しい。
30歳が近づくことで「いつ辞めるのか」といった声が内外的に発生する。
しかし声優ユニットはどうだろうか。
30歳を超えても精力的に活動を続けている人が少なくない。
声優ユニットであれば既婚者でも活動することが可能になる。
(現状自分が声優さんについては勉強不足のため具体例は出せないが、
声優のアイドル化とアイドルの声優化は別途記事に出来そう。しないけど)
アイドルであれば存在する「寿命」を、建前上声優と名乗ることで「無効化」する屁理屈なのだ。
世の中ズルいやつが勝つのだ。
以上のことからアニメオタクにもアイドルオタクにも刺さる要素が沢山に盛り込まれている。
キャラクターとリアルの二軸で活動するデジタル声優アイドルグループというコンセプトは、座組の時点で成立していることがとんでもないプロジェクトであるのだ。
この点の凄さに改めて気が付くとこのコンテンツは「どっちつかず」という印象ではなく、コンセプトが唯一無二と思えるのではないだろうか。
■具体案:キャラクターによる生配信演劇をやれ
ここまでこのコンテンツの良い点とありがたみを述べてきたが、
ハッキリ言って二軸展開は、あまりうまく出来ていない
…ように感じる(主観)
現状のキャラクターの出番が冠番組である計算中以外活躍の場が無いのである。
声優メンバーの卒業に伴い、キャラクターの版権まで無くなるわけではないのにキャラクターも卒業となってしまった。(公式サイトにはキャラクターは存在し続ける)
また本日5月4日にBlu-rayが発売となった「22/7 5TH BIRTHDAY LIVE 2021 ~Colors of Flowers~」は、5年の活動の中で初のキャラクター単独ライブであることを見ても、アイドルとしての活動に重きを置いて活動してきた。
二軸展開を辞めることは、ナナニジ独自性を捨てることになる。現に新キャラクターのデザインも有名クリエイターに依頼していることからも完全に辞めるとは考えにくい。
ではキャラクターの出番を更に増やすためには何をやるべきか。
アニメ再放送?アニメ2期?新アニメ化?劇場版?キャラクターによるYouTube配信?
二軸展開の中で二次元方向での求心力が弱いことを解決させる方法、
それはキャラクターによる生配信演劇だ。
8枚目シングルヒット祈願のYouTube生配信「覚醒中」や、上記でも出たキャラクター単独ライブのようにキャラクターの強みは配信であることは明確だ。
このフォーマットを使って「演劇」をするのだ。
この案のメリットは、以下3点ある。
①アニメを作らないでキャラクターの掘り下げになる
ナナニジのキャラクター達のストーリーを扱うにあたってナナオン無き今、
キャラクターを掘り下げるにはアニメか映画を作るしかない。
当たり前のことだが、いくら天下のANIPLEXマネーをもってしても
アニメ1つ作るためには膨大な金と人が必要になる。
それを回避して現実で実行したことあるフォーマットに落とし込めばいいのだ。
上記でも挙げた覚醒中やキャラクターライブも多くの人が関わっていて入念なリハが行われていることは
承知しているが、スピード感ある素晴らしい仕事を目の当たりにしてしまっているので出来ることを期待してしまう。
また先日追加された新キャラクターのバックボーンや性格の掘り下げや、
既存のキャラクターとの関係性の構築に繋がる。
(計算中でギャップが発生して更に面白くなりそう)
②内輪の仕事でメンバーの演技力の向上に繋がる
ナナニジの現メンバーは、舞台に活躍の場を広げている。
新メンバーもいずれバズウェーブの戦力として駆り出されることは目に見えている。
舞台の経験を積んでおくことは、現メンバーにとっても新メンバーにとっても外仕事に出たときの自信に繋がるのではないだろうか。
(全く関係ないが、先日計算中のMCである相田さんが生配信の舞台演劇に出演していた。「ナナニジもこのフォーマットでキャラクター演技やったらいいんじゃね…?」と思ったことが、この項目記述のきっかけになった。
あとしゅーじまんは何故か演技めっちゃ上手かった…。)
③卒業したキャラクターを生かせる
予め言っておくと自分はVtuberの文化に詳しくないので地雷を踏んでしまうかもしれないが
卒業したキャラって動かしたらダメなの?
Vtuberには魂という概念があり、現に卒業したメンバーが担当していたキャラは中の人の要素が強くなっていることも重々承知している。
しかしアニメのキャラクターに対して代役で別の人が声を当てる場合が存在するし、舞台でもダブルキャストという概念がある。
メンバーが別のキャラを演じてはいけないというルールも、
卒業したキャラクターを出してはいけないというルールも別にない。
ただアイドル活動は卒業したから出ないというだけで、
自分のコンテンツの中のキャラクターなんだから好きに使っていいはず。
無理に声を当てなくても動かすだけでも登場させることが出来る。
例えば舞台の回想シーンや作中登場人物の夢の中で退場したキャラが出てくるといった演出を見ることもある。
また特撮作品でも、オリジナルの演者が出演できない場合が多いのでガワだけ客演が結構存在する。
(声全然違うじゃんと子供は容赦なく突っ込む。大きいお友達は笑う。)
キャラだけ出すこともこのコンテンツの強みな部分だから捨てる必要は無いのではないだろうか。
ここまで理屈上可能という前提で書いてきたが、
ファン心理ってやつをガン無視してるので怒る人多そう…。
ここまで述べてきたように以上の3点からキャラクターの出番を増やすためには、生配信演劇をやるべきという結論に達したのだ。
■最後に:ナナニジは独自性を信じろ
言いたいことが無いコンテンツより言いたいことが沢山あるコンテンツのほうが魅力だと思う。
ここまで自分が思うナナニジの魅力について書いてきた。
気が付いたらとんでもない文量になってしまったが、
このコンテンツに思っていることをやっと言語化すること出来た。
二軸展開という他とは違う独自性に惹かれてオタクやってんだから
ナナニジは独自性を信じて進んでほしい。
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