rey_chan5963

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『永遠へ』

この途方もない虚無は 何で埋める事が出来るだろうか この胸に空いた歪な穴は 君でしか埋められない 姿変われど 見つけてみせるから 未だに僕を信じてくれている事を信じて 僕は進む この果てしない旅路は いつ終わりを迎える事が出来るだろうか 頭の中の構築式は 君を救える唯一の手札 姿変われど 戻してみせるから 君を救えれば全てが元に戻ると信じて 僕は進む 一人で歩いていた僕の道に 君が突然入ってきては 消えて行った 一人は孤独ではなかったのに 突然孤独になった 泣くことも忘

    • とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   最終章

      流石に仕事に手が付かず、エンドポータルのある地下の部屋でウロウロするドズル王と、それを部屋の隅で見守るパウリーとパル… オラフとオラコが産まれてからミルピエが旅に出る迄の数ヶ月は、何度もエンドラに会いには行ってたが、オラコが1人でエンドに入るのは初めてだし、魔術…いや、ボンジュリーがエンドラを利用して何をするのかも解明されて無い中で、この待ちの状態はドズル王には辛過ぎた しかしエンドに入る事は叶わない、何故なら… 『王と従者はエンドに入らない事。もしもエンドで見掛けた際には

      • とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第24章

        エンド本島の中心部ーー エンダードラゴンが討伐された時、そのエネルギーで現世へのゲートが開く岩盤部分でボンジュリーが呪文を唱えながら、周りのエンドストーンに魔法で構築式を描いていく… 何も手伝えない…かと思いきや、ボンジュリーは呪文を唱える口を休める事なく身振り手振りでオンリーを呼び、邪魔なエンドストーンを壊させたり、デコボコ地面の穴を塞がせたりした 指で指し示すだけでして欲しい事を悟って動くオンリーを、ボンジュリーは使い勝手が良さそうに次々と指示を出す そんな2人の様子を

        • とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第23章

          エントランスで書類に目を通しながら、ドズル王はチラチラと横目で執務室の扉に目を向ける… そこまで気にしてたら書類の内容なんて頭に入らないのでは?…と、ドズル王を知らない人なら思うだろう この状況でもドズル王は誤字脱字にも、文章の「てにをは」にも確りと訂正を入れてくる… 仕事への切替が出来るドズル王なので、執務室が見えるエントランスで仕事をする事にも、パウリーは躊躇いなく付いてくる 執務室の様子を外から窺い知る事は出来ない… そういう設計にされてるものの、覗き穴くらいは欲しかっ

        『永遠へ』

        • とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   最終章

        • とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第24章

        • とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第23章

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第22章

          モヤも消え、涙が枯れ果てる程泣いたオラコはスッキリとした表情で自室を飛び出し、ドズル王の元へ駆け出す ネコじぃが何故かニコニコしながら出てくる パルは普段と変わらない様子で出てくる…いや、少し目が赤いか? 最後に部屋から出てきたオンリーは、自分の感情を曝け出した事が今更になって恥ずかしくなり、顔を赤らめているとパウリーから殺気を遠当てされて我に返る… 「お父様!心配かけてごめんなさい」 「…オラコォォ!!」 オラコ姫は泣きつく父親を慣れた手つきであやしながら 「お父様。私と

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第22章

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第21章

          ドズル王は悩んでいたーー 魔術師のオラコ誘拐事件から半月が経ち、オラコもすっかり元に戻ってきていると思っていたが、「何かに追い詰められている感じがあります」とオラコ付きの女性兵士パルから報告があった… 1つ、城にある書籍を片っ端から読み漁っている 1つ、地下の開かずの扉に興味を示している 1つ、自分の訓練を魔力中心に移行している 1つ、自室で1人になると泣いている様子だが、何も話してはくれない…と ドズルも報告を受けてから注視しているものの、報告を受けていても尚、普段通り

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第21章

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第20章

          ーー魔術師襲撃から2週間が経過… 何故そんな名前を付けたのか理解不能なメン男爵の『ズボラ商店街』もオープンし、連日冒険者で賑わいを見せていた 一方でオンリーはネコおじいちゃんに経営のノウハウを1から叩き込まれ、身体を動かす方が得意なオンリーは疲労困憊していた… 「おやおやぁ?未来のギルド長さん、随分とお疲れのようっすねぇ」 「メン…その呼び方…やめろ」 ズボラ商店街を出て直ぐ右手側の丘の上にあるギルド兼サウナ施設 そのギルドの事務室の机に突っ伏しながら、途切れ途切れに力無

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第20章

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第19章

          ーー時間は少し遡り、異空間にて 「…ふむ。お嬢さんは随分と指向性が強い魔力探知をしますね。思考まで読み取られそうですよ」 城の食堂でオンリー様やメン男爵と食事をしていたのに、気が付くと不思議な空間に例の魔術師と2人きりだった… (ここは…?) 「ここは異空間…とでも考えて下さい。お嬢さんと、お嬢さんの『血』の記憶を遡って少し調べ物がしたいだけですので、良い子にして下さい」 オラコは混乱した (…声を出してないのに…) 「ふん。声なぞ出さなくても聞こえてきますよ。…まぁ少しだ

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第19章

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第18章

          エントランスでの食事の後、プツリと糸が切れた様にオラコ姫が眠りについたので、昨夜の女性兵士が姫を抱えて寝室へと連れて行った 女性兵士と言えど流石に訓練を積んでいるので、オラコ姫をヒョイとお姫様抱っこをし、階段すらものともせずに上がっていく その後、勝手に持ち出した椅子やテーブルを片付けていると、ドズル王からそのまま執務室に居る様に言われメンとオンリーは従う 執務室に入るや否やメンは何かに気付き、壁や窓硝子を拳でコツコツ叩いて周り、ニヤリと笑ってオンリーに言う 「こりゃあ随分

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第18章

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第17章

          少し落ち着いたオラコだったが、異空間で魔術師との出来事は話たくない様だった… 「オラコ…今日はもう休みなさい」 ドズル王が優しく声をかける 泣いて少し取り乱していたオラコも少しずつ平常心に戻ってはいたが、顔面は蒼白だった… 「…ええ、お父様。そうさせていただきますね」 スッと女性兵士が隣に付き添い、オラコ姫は自室へと向かう 残った面子もオラコ姫の声が聞けて、少し緊張感が解れた 「オンリーありがとう。でももうあんな無茶しちゃダメだからね!オンリーの行動が抑制出来るなら、ボク

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第17章

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第16章

          「オラコっ!?」 ドズル王が叫ぶ オンリー、メン、オラフ、パウリーが各々武器を持って辺りを窺うが、既に気配が無い… 「クソッ!!」 オンリーが珍しく声を荒げる オラフは落ち着かずに弓を持って食堂を歩き回る パウリーも剣は納めたものの辺りへの警戒は怠らない まるでこちら側を警戒してる様な、一瞬の隙を窺っての出来事に成す術無く、皆一様に苛立ちを隠せなかった… そんな中でもメンとオンリーは既に警戒態勢を解き、食堂の隅で何やら話合った後、ドズル王の所へやってくる 「ドズル王、急ぎ確認

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第16章

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第15章

          メンが爵位を授かってから約1ヵ月が経ち、少しずつ商店街の街並みが出来てきた プリマティス王国の団結力と行動力を垣間見たメンとオンリーは、ただただ驚いていた オラフとオラコへの訓練も終わりが見えてきたので、オンリーは兵士パウリーを通してドズル王への謁見を懇願すると、何故かメンも呼んでの晩餐会が催されたーー 「乾杯ー!!」 ドズル王の声で晩餐会が始まる 「オンリーありがとうね。お陰でオラフもオラコも心身共に鍛えられているよ!」 「…いえ、御二人の頑張りがあってこそですよ。それと

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第15章

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第14章

          ーーただもう一度だけ… プリマティス王国のお祭りの雑踏の中を、1人の魔術師が歩いていた 魔術師の服は目立つ外見をしているし、全身紫色だと更に目立つものの、祭りの雑踏の中、誰一人として魔術師に視線を送る者は居なかった… 「さて…困りましたねぇ」 魔術師は雑踏の中、独りごちる すぐ隣に人が居ても反応が無い 魔術師の姿も声も、まるで無いかの様に… 「あのお嬢さんのナイトをどうにかしないと近付けそうにありませんし、城の中も意外と隙がない。先程、祭りに王が居ましたが、兵士の配置にも抜

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第14章

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第13章

          サウナで意気投合したメンとドズル王 初めて『整う』事を知ったメンは外気浴でホワァ~と整いながらドズル王と語り合っていた 「…そうか、他の国だと親の仕事を子供が受け継ぐ制度があったりするんだね」 「そうなんすよ~。オレはオレのやりたい事を見付けて手に入れたのに、あの国じゃあ叶う事はなかったんでさぁ~。…でもそれを言ったら王族だって同じなんじゃないっすか?」 「えっ!?…あぁそうか、そうなっちゃうのか…」 ドズルは少し考え、周りの気配を探り、兵士が側に居ない事を確認して控えめ

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第13章

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第12章

          「言っておくけど教えるからには敬語は無しだし、厳しく行くからな」 オンリーの宣言を聞いてもたじろぐ気配は微塵もなく、真っ直ぐにオンリーを見るオラフ 「お願いします!」 「…まぁ取り敢えず走るか」 普段の稽古がどの程度の事をやっているかはパウリーから聞いた …聞いたのは良いが正直な所、王族に対してそこまでしてるの?…と思える様な内容だったので、オンリーは半信半疑でオラフの基礎体力から見る事にした トレーニングにうってつけの『ネ湖』にて、長い階段の往復とネ湖の外周1周で1セット

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第12章

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第11章

          王家の倉庫2階にてーー オラフ王子、オラコ姫、旅人オンリー、商人メンの4人は輪になって座して話をしていた所、オラコ姫の真後ろに突如男が出現した ーー(…魔術師か!?) オンリーは直ぐに短刀を鞘から抜き対峙する メンも既に何かしらのポーションを持って後方支援の体制に入る …少し遅れて弓に手にしたオラフを魔術師が一瞥すると、弓が遠くまで弾け飛んだ その隙にオラコ姫と魔術師の間に入り込む様にオンリーは短刀片手に突っ込むも、動きを予見していたかの様に魔術師はオラコの肩を掴んでオン

          とある領土の人々とドラゴンにまつわるお話                       ~if version~   第11章