大学の戦略

現在日本には800近い大学と300を超える短大が存在しており、その数は年々増え続けている(短大は減少)。さらに、大学が増えていないにしても学部学科は引き続き増え続けている。故に大学の定員は増え続け、定員割れを起こしている私大が200以上存在する。進学率は50%程度とかなり増えてはいるものの子供自体が減少しているためマーケットサイズは減少している。

課題設定を学生数の増加、としたときに取れる対策は以下

・大学進学率を50パーセントからさらに引き上げる

・子供を増やす

・海外から人を呼び込む(世界的には人口爆発が起きている)

大学進学比率を上げるのは容易ではないだろう。実際にすでにかなりの高水準で推移しており、さらに増加傾向でもある。ただ、母数自体の減少がそれを超えるスピードのため(出生率は毎年1-3%で減少)それを補うことができない。

子供を増やすというのは大学としてすることではなく、国策の話かなと思うのでここでは割愛。

海外から人を呼び込むことに関しては言語の壁が大きく立ちはだかる。APU(立命館)や秋田の国際教養大学、武蔵野大学等、英語だけでのカリキュラムを持つ大学も増えてきている。留学生を呼び込むという意味ではよい。問題は自国民である日本人自体がこの仕組みに組み込まれないこと。国としての問題ではあるが、大学という視点では学生も増加するし良いのかもしれない。

上記はマスの視点だが、1大学としての視点は別のところにある。全体最適より、当たり前だが自分の大学をどうやって生かすかである。よくあるソリューションとしては

・定員を増やす(一学部の定員を増やすより、学科を増やすことが多い)

・他の大学から入学者を奪い取る

となる。定員を増やすと、有効倍率が1.0以上であれば学生数はおのずと増えていく。入りたくても入れなかった人を呼び込めるからだ。勿論副作用として学校のレベルが低下していくことがあげられる。昨今の新学部乱立と聞こえのいい学部の乱立はまさにそれを表す。

他の大学から入学者を奪い取る方法としては、魅力的な教授、講師の招聘、キレイで魅力的な場所にあるキャンパス、プロモーションなどがあげられる。特に有名な実務家を呼び込むことが最近は増えている。

大学というものの本質は教育をするところという前提があるものの、個人的には現状の仕組みは大きな弊害である。面白い先生の講義はYouTubeで面白い人のものを見ればよい。一番大きいのはさらなるアウトプットを求める環境だろう。ディスカッションベースであることが今後大きな強みを持つ(特に文系学部)。その他、多様な視点を持つ友人や仲の良い友人を見つけられる場所、などなど様々なメリットが勿論存在するのでその点においては大学は必要だろう。

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