#248 最近読んだ本の話
いつ何時も「何かがおかしい」と思いながら生きているが、こちとら素人、複雑な社会の何がどうおかしいのか?指摘できるほどのアタマは持ち合わせていない。という訳で、読書が好きだ。
読んだもの全てを信じる訳ではないし、そもそも覚えていられる訳がない。ただ、やはり出版の世界にはまだ、まともな情報があるということは信じている。インターネットをはじめとしたメディアで、何か引っ掛かりを覚えた事柄があれば、まずは「専門家が書いた一般書」を当たってみるのに限るのだ。
という訳で最近読んだ本は、テレビでお馴染みの森永卓郎氏が書いた2冊、『ザイム真理教――それは信者8000万人の巨大カルト』と、『書いてはいけない――日本経済墜落の真相』である。後者の説明文によると、現在森永氏はすい臓がんステージ4の告知を受けており、遺書に等しい気持ちで書かれたという。当初『ザイム真理教』を読みたかったのだが、折角なので2冊とも通読することにし、結果、すっかり腑に落ちた。なるほど日本の闇は深い。
現在、『書いてはいけない』で紹介されていた『日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』を読んでいる。こうして読書が連鎖してしまうと、次に読むつもりで買っておいた本が積読になるので困るのだが、その価値はあった。迫真の筆致で、最序盤から只者ではないオーラを放っている。人生を賭けた文章というのだろうか、とにかく引き込まれる。
わたしは世代ではないが、日本航空123便墜落事故の概要は知っている。あまりにも有名なので、テレビでもネットでも、その情報を見聞きしたことは幾度となくある。森永氏によると、あの出来事は「事故」ではないとのこと。そして、本書が明らかにする墜落の経緯には信憑性があるということだ。
続きを読むのが楽しみなのだが、しかしなんとも、気が重くなる本ばかり選んでいる気もしなくはない。ただ、世界はなぜこうなのか?を知ることが、わたしはなぜわたしなのか?を知ることにつながると思っていて、好奇心から止めることはできない。
まあ、本格的に体調が悪いときは本も読めない。そういえば、Audibleをきっかけに読書習慣を再開できたと記事にしたのは三月だった。
わたしの体調は、緩やかながらも悪化の一途を辿っていると思っていたが、まとまった量の活字が読めるというのは、明らかな回復である。その点は素直に喜んでおこうと思う。
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