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#039 ビジネスの源泉「人間力」を再考する
ビジネスシーンにおいて「人間力」という言葉が使われるようになって久しいが、語感の良さから、なんとなく使ってはいないだろうか。
曖昧なままに振りかざされる新語は、解釈違いを起こし、組織を混乱させる。
本稿では、人間力を構成する三つの要素を再考し、そこからビジネスを発展させるための具体的な姿を導き出す。
漠然を脱した真の力が、今後はあなた自身の目標となるだけではなく、市場に通用する人材を育成することにも活用できることを願っている。
人間力の構成要素1:おなかがすく
誰しも、職業選択の原点は「食っていけるかどうか」であったはずだ。
あらゆる生物が生存するために食べているし、食えなくなったものは死んでゆく。
まさに基本中の基本、当たり前すぎることではあるが、馬鹿にしてはいけない。
たびたび問題になる「やりがい搾取」は、食えない仕事で人間力をも搾取する事例と言える。
飽食の時代と言われているが、食えるかどうかは、いつまでも今日的な問題なのである。
人間力の構成要素2:ねむたくなる
おなかを満たしたらどうなるか?
そう、ねむたくなるのだ。
睡眠は最強の回復薬、これに勝るものはない。
レジリエンスなどというカタカナ語も流行りのようだが、まさに寝言は寝て言え、という話である。
私たちは寝るために生きているし、生きるために寝ている。
流行りごとではなく、本質なのだ。
人間力の構成要素3:かまちょ
では、おなかが満たされ、ひとねむりした後にはどうなるか?
それが「かまちょ」だ。
語彙の少ない不勉強な諸氏に向けて補足すると、これは「かまってちょうだい」という意味である。
つまり、「よく食べ・よく眠り・よく遊ぶ」ということが、人間力を構成する3要素ということである。
ところで、最近は猫が人気だ。
究極の柔軟性を持ち、どのような容器にも収まる、功夫の極意に最も近い存在だ。
それも、研修も受けていないのに無資格で、生まれながらにして人間力の全てをコンプリートしている、まさに上位種だ。
そう、我々が真に必要とする力は、彼等の如きもの。
すなわち「ニャンゲン力」である。
最近は、どこの企業も新入社員が潤滑油ばかりでヌルッヌルだと聞く。
液体人間の増殖は偶然ではなく、感度の高い若者世代が、時代の空気を察した結果であると受け止めよう。
管理監督者諸君は是非とも、漏れ滴る潤滑油でヌメヌメした王将の床みたいなオフィスで、若人達と楽しくひなたぼっこをしてみてほしい。
きっと、新しい世界が開けるはずにゃ。
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