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アリストテレスは好きですか?

私がボリビアで大学院生をしていた2011年頃、
母なる大地の権利やVivir bien(良く生きる)に関するシンポジウムや講演会が盛んにおこなわれていた。
というのも、それらを基本原理とする憲法が制定されたのがつい最近(2008年)だったからだ。
ボリビア史上初、先住民が大統領になったのが2006年。
憲法から新しく作り直して、2011年は二期目に突入した矢先だった。
国立大学の先生方は、この新しいものに正統性を付与する任務を負っているようだった。しかし、それは難問だったに違いない。

先住民の中でも多数派のアイマラ族の方たちにとっては馴染の概念も、アイマラ族でない人、特に研究者は北半球で教育を受けてきた方が多く、理解に苦しんでいるようだった。

シンポジウムでも大学の講義でも、先生方は……
マルクスやプラトン、アリストテレスを引用して、
西洋の虎の威を借りるような論が発表されていた。

たとえば、マルクスも自然物を主体として環境問題を語っていたとか、
プラトンも営利追求でない経済を説いていた、とか。

それに対して、若い学生たちは先住民であれそうでない人であれ、
「ちょっと違うと思うな」と異議をささやいていた。

とはいえ、学生も教員も、
古典というようなものをよく読んでいたんですよね。

全世界的に、読むべき本、というのはだいたい同じなのか……

課題図書で、ケインズの一般理論とか、
ウェーバーのプロテスタンティズムとか、……

ま、そればっかりではなかったんですけど。

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