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ラジオ体操

日本の組織からの派遣でボリビアの地方に住んでいた時のこと・・・



赴任前訓練

当時と今では制度がおおはばに変わっているかもしれないんだけれど、
当時は、60日くらいの「訓練」というものがあり、
海外へ行く前に、日本国内で合宿的な「訓練」があった。

それは、毎朝ラジオ体操から始まる。

ラジオ体操とは、ラジオ体操である。NHKの。
子どものころ夏休みにやっていたアレである。

ちなみに、帰国してからふつうの日系企業数社に勤務したが、
中高年の社員さんたちが元気な会社はどこでも、毎朝、
朝礼前にラジオ体操をしていた。

朝礼とラジオ体操をやらない職場は、がんや糖尿病の人が多かったり、
人間関係も陰湿劣悪だったり、体も心も不健康な人たちが多かった。

というわけで、ラジオ体操は健康の秘訣。
日本が世界に誇れる素晴らしい文化!
NHKラジオ体操を心から尊敬します。

さて、話を「訓練」に戻すと、毎朝のラジオ体操に加え、
ラジオ体操公式指導員を講師に迎えての講座もあった。
細部の動きまでしっかり解説をきいて実践。
一つ一つの動きのポイントを教えていただきました。


全身をくまなく無理なく動かす素晴らしい体操が、
ラジオ体操だった。


ボリビアでもラジオ体操


ボリビアに赴任して、驚くことはたくさんあって、そのうちの一つは、
ある日の夕暮れ、村人たちが広場でダンスしていたんだけれども、
それをただ見ているだけの人ありけり。

「一緒に踊らないんですか?」
と、私が声をかけると、
「足が痛くて、踊りたくても踊れないの」とその人は言う。

「失礼ですが、何歳ですか?」とたずねると、
「36才」という。
鯖を読んでいる風もなく、本当に30代なのだろう。

日本だったらフラダンスだってできる年齢なのに。

↑面識もないのに勝手に掲載してごめんなさい。


ボリビアでは、30代で膝が痛くて踊れないのか・・・。

これは、n=1に過ぎない特殊事例ではないようだった。

というのも、私も踊りのチームに入れてもらって参与観察すればすなわち、
ボリビア人は、準備運動をしない。
ボリビア人は、ヒールで踊る。しかも、地面はコンクリート。
ボリビア人は、祭りの日、一日中踊る。
ボリビア人は、子どもの時から踊る。

膝を痛めるのも無理ないな。と、素人思考だが私は悟った。

そこで、ラジオ体操を教えることにした。


子どもたちと、踊る


朝、昼、晩、と3回ほど体操する時間と場所を作った。
場所は、村の中心部のカトリック教会の庭をお借りした。

カトリックでない私にも、牧師さんたちは、いつもやさしくて親切で、
公私わけへだてなく、分裂も衝突もなく、なんでもかんでも、
助けてくれた。

お布施のカツアゲされるでもなく、ひたすら与えてくれる牧師さん。
優しいわ。

そして、ラジオ体操の時間になった。

日本のラジオ体操をそのままやってもウケるはずがない、というのは
やる前からわかっていたことなので、ノリのいい曲に合わせてダンス風にアレンジしたものを披露した。

どの曲にするかは、現地の高校生にJ-popを聴いてもらって選んでもらった。

1.mihimaruGT 気分上々 、 ギリギリHero
2.浜崎あゆみ indipendent
3.ガロ 学生街の喫茶店

2でラジオ体操 + 3で首と肩を上下したり回したりする運動

1は、ふつうにストレッチするとき。

少しでも市民の健康に寄与できたなら本望です

子どもたちは楽しそうに体操してくれた。

それを見ている大人たちも嬉しそうだった。

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