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生い立ちの問題

夫は自分の生い立ちが不幸だと言います。

両親に遊んでもらった記憶はないそうです。

家は、経済的に裕福ではなく、家族旅行なんてしたことがない、と聞いたことがあります。

塾にも行かせてもらえなかったと。

また、幼い頃の写真が、一枚しかないのです。
結婚してから、それを知り、驚きました。

夫には兄がいるのですが、二人とも、公立高校から国立大学に合格しています。よく努力したなと思います。

子どもは親を選べないので、夫は気の毒な環境で育ったと思います。

そう思い、私は、夫の生い立ちを考え、子どもと遊ばない、身の回りの世話をしないことに目をつぶってきました。

夫に

「なんで子どもを公園に連れて行かないの?」

と聞けば

「公園に行っても楽しくない」「自分も親に遊んでもらった記憶はない」

さらに、

「公園で子どもを遊ばせている父親を見て、どう思う?」

と聞けば

「暇なんじゃない?」「何にも思わない」

と応えるのですから。

子育ては全面的に私が引き受けてきました。

そのまま成長してくれたら、よかったのですが。

最大の試練が、中学受験だったのです。

自分の叶えられなかった夢を、娘に叶えさせようとしたのです。

難関中学に入れて、難関大学に合格させ、社会的地位の高い仕事につかせたい。

それが、夫の生きる目的になってしまったのです。

夫の中学受験への強いこだわりがなければ、娘は心を病むことなく、きっと今ごろ楽しい高校生活を送れていたのではないか、と思います。



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