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「人」を大切にする気仙沼移住 / 『移住。成功するヒント』★3 (8月25日)

1.「人」を大切にする気仙沼移住

 昨日は、南相馬、川俣、双葉、大熊、富岡、広野の皆さんとともに、気仙沼へ移住視察。気仙沼市役所の尾形主幹と、気仙沼市移住・定住支援センターMINATOの加藤センター長に話を伺いました。

尾形主幹と、加藤センター長から話を伺う

 MINATOは2016年に設立。相談窓口、移住サイト運営、空き家バンク、お試し移住プログラム運営など、幅広い業務を30代の三名のスタッフが担っています。一年で400件の相談を受け、30名の移住につなげています。

 印象に残ったのは二点。

 一つ目は「移住者が移住者を呼ぶ」というコンセプトについて。尾形主幹によれば、(一社)まるオフィスがプロポーザルで運営受託を決めた際にも、この考え方が評価されたとのこと。移住者目線で情報発信やプログラムが運営され、また同年代のスタッフが相談に乗ることで、移住への敷居を下げることに成功しています。

 2つ目は、地域の受け皿づくりについて。成功する移住にむけて、移住者と地域が移住前からつながり、また移住後支え合うことが必要です。その関係づくりは3名の担当者だけでは担えません。MINATOでは、移住者を支える地元住民が147名登録されていて、移住前の交流会や、移住後の居場所提供で役割を果たしています。地域交流を丁寧に続ける、まるオフィスだからこそ、こうしたサポーターの仕組みを維持できています。

 福島12市町村でも、こうした「人」を起点とした移住受け入れをさらに強めていくことが課題です。

コワーキングスペースを視察

2.『移住。成功するヒント』★3(朝日新聞出版, 2021)

「移住というと、Uターンでない限りはたいてい知人友人がいない場所に移り住むため、はじめは孤独を感じる人も多い。だが、地元の人や京都に移住した人たちと移住する前から交流できる場があれば、知っている人たちがいる街に移住することになる」p79
「緊急事態宣言が出された2020年4月以降、東京都への転入者が大きく減少、さらに7月以降は転出者が増加している。同年に23区から転出した人は36万5507人で、前年より2万1088人も増えている」p112

移住。成功するヒント

 移住を考える時に、全体像がわかる一冊です。移住のステップ、自治体側が用意している制度、また移住実践者23組の比較的あたらしく、リアルな体験談が参考になります。以前、東北復興新聞を発行し、鵠沼海岸→長野県御代田町に移住した、本間勇樹さんも掲載されていました。

 なかでも、「京都移住計画」の取り組みが参考になりました。

 「居」(居場所(コミュニティ)づくりのお手伝い)、「職」(地元密着ならではの求人情報をお届け)、「住」(暮らしを楽しむ・こだわりの物件をご紹介)という切り口で運営されています。移住支援センターでも、コミュニティ、仕事、住宅の情報は発信していますが、福島12市町村らしさはまだ伝えきれていません。こうした取り組みを参考にさせていただきながら、センターの発信もアップデートさせていきたいと思います。


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