言った通りの人になる

*人間、言った通りの人になる、と考えてみてもいいんじゃないか。思った通り、はちょっと横に置いておこう。

ぼくが今でも信じている吉本さんの言葉の中に「10年間毎日やれば、一人前になれるよ」という言葉がある。この言葉の根っこはどこからきているかというと、毎日やれば、身体がそういうふうに変化してくると言っているんだよね。極端に言えば、もう、そういうふうにしか生きれなくなってしまう。手を動かせば、身体がひとりでに変化していくんだよ、と。

でね、その考えのもとを探ってみれば、そこにはある物理法則があるんじゃないかと思ったんですよ。簡単なやつ、作用反作用の法則だね。例えば、ぼくがここにあるおまんじゅうをぷにっと人さし指で押すとするじゃない?でね、その光景だけ見ていると、ぼくがまんじゅうを押しているように見えるんだけど、力学的に見ると、ぼくがおまんじゅうを押しているぶんのエネルギーで、まんじゅうがぼくを押し返しているってことなんだよね。


でね、そのことを踏まえた上で、もう一度考えてみる。言った通りの人になる、つまり、言うということはその言葉を外に発信していることになる。そして、それとおなじぶんだけ、自分にもエネルギーがかかっていると言えまいか。良くも悪くもだよ、もちろん。「浮気するな!」と奥さんに言う人は、自分が浮気しそうな時にその言葉を思い出すわけでしょう。主張通りに自分も実行するようになる。悪口を言えばそのぶんのエネルギーが自分にもはたらいている、ということ。口に出すって、エネルギーを使うものね。頭の中ならまだしも。これがまた、おもしろいんだよなー。


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