斜に構えるを地で行くな!

*ぼくはけっこうひねくれてたりするもんだから、いわゆる定説と呼ばれるものや、みんながこうだ!って言っているものの反対側を考えてみることが多いのです。しかしこれは、もたまたま最初から反対側にぼくがいることもありますが、「反対側の景色はどうなっているんだろう?」という好奇心で、川を渡って向こう岸に行ってみることが多いのですね。あくまで、考えるためのツールとして「向こう岸」に訪れるとでも言いますか。

これが、みんなが良いと言ってるから逆へ逆へ、みたいな最初から向こう岸に行くようなものになっちゃうと、いわゆる「斜に構える」を地で行ってしまうわけです。斜に構えることはべつにわるいことじゃあないと思っていますが、最初からそっちへ振り切るのはどうなんでしょう。そういう「斜め勢」がよく嫌がっている「みんなそうだから」を、「みんながこっちにいるから、あっち」でやっちゃうと、場所が違うだけでおんなじことしてるじゃん!って思ったりもしますし。

結果として「斜に見られる(なっちゃう)」ことはあっても、地で行かないようには気をつけないとなぁ。なにかを受けるときは、できるだけ真正面から受けた方がいい。最初から斜に構えてたらさ、そりゃあ受けたものは斜めに流れて行っちゃうよね。「みんなが良いと言ってる映画、おれはそこまでだと思うんだよなぁ」なんて気持ちで観たら、そりゃあ、そこまでの感想になるわけだよ。だって、最初から「そこまで」の材料を探しに行ってるようなものなんだから。

なにかを受けるときは、できるだけ真正面から受ける。もちろん、百パーセントフラットなんてことはないさ。ないけれど、できるだけフラットに近づけながら触れることが大事なんだとようやく気付いてきた。若い頃はたくさん斜に構えて、斜めの意見を言ってきたけれど、そりゃあ斜に構えてたらそうなるよね。そう言って斜めに流してきたものたちを、今更ながら素直に受けてみるってのは案外、おもしろかったり大事だったりするのかもなぁ。


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