反対意見を述べてくれる先輩。

*ぼくには尊敬する先輩がいる。いや、けっこうな数いそうなんだけれど、そのなかでもひとり、距離の近い人で尊敬している人がいる。おおげさじゃなく、ぼくを形成する2割くらいは、その人の影響で出来てるんじゃないか?と我ながら自惚れるくらいだ。実際の2割って、頭一個分くらいなのかなぁ。おい、それだとぼくが5頭身になっちゃうでねえかっ。

ただその先輩とは、ベースとなる考え方がおおきく重なるわけでもない。真逆とまでは言わないが、ぼくとは反対の方角で生きてきた人なのかもしれない。好みは似ているが、好みの中の好きなポイントは大いに違う。たまに、どうしてこの人はぼくのことを可愛がってくれるんだろう?と不安になるくらい、けっこう違う人間でもある。ただ、その人のことを尊敬していて好きな理由ってのは、それはそれでちゃんとあるんだけどね。

その人と話していていつも面白いなと思うのは、ぼくの言った意見や考えに対して、ほとんどの場合に反対の意見や考えを述べてくれるところだ。言っているのではなく「述べてくれる」。ぼくの考えを否定することなく、「こういう見方もあるよね」と、自分の頭の中から引っ張ってきてくれるのだ。ぼくにとって、それは有り難くおもしろいことだ。自分では思いつかなかった向こう岸の意見を投げてくれるのだから。

ま、そもそもあまのじゃくな先輩だし、いい意味でぼくのことを気に入らないから、大人として意見を言ってくれる時もあるんだけどね。それでも成り立っているのは、調子に乗ったことを言ってしまえば、ぼくの後輩力でもあるのだ。ふふん。(本当は、その先輩の先輩力なんだろうけど)

面と向かって、仲良く反対の考えをぶつけてくれる大人がいることは、有難いことだよなぁ。否定されることなく、反対のことを言ってもらえるのは、なんだか修行をつけてもらっているような感覚に近い。それでも仲良くできる(してもらえている)のは、仲が良いからなのかもしれない。言葉遊びのように思うかもしれないけれど、仲の良い人って、仲良くしようとしてるから、仲が良いんだよ。


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