プレゼン上手は危うい?

*きのう、ぼくが行なったプレゼンで(プレゼンと呼べたかどうかはあやしいところだけど)、「ぼくは口べただけど、説明は上手なんです。でもそれはぼくにとって自慢できることじゃなくって、上手なプレゼンはむしろ危ういと思っているので、気をつけています」と言ったところ、驚かれたようで、「どうして上手なプレゼンがいけないんですか?」と矢のように飛んできた。

どうして上手なプレゼンが危ういか。説明上手なぼくは、言ってしまえば50円のえんぴつを、500円に魅せるようなことが説明次第ではできてしまうからだ。いかにこのえんぴつが希少で、今のあなたにとって必要で、かけがえのないものか。今手に入れることにメリットがどれくらいあるのかなどを説明して、500円で買わせてしまうようなことが、説明が上手だとできるのかもしれない。でもね、売っているものは、そこらへんで50円で売っているえんぴつなんだよ。

ただ、上手なプレゼンと呼ばれるものは、だいたいこの形をしているものが多いんだ。プレゼンで大事なのは企画の中身であって、それをプレゼンの手法や技術でおもしろく見せてしまうことは、とっても危ういんだよね。だって、説明する人によってはおもしろくなってしまうから。芸人がプレゼンしたら、たぶん笑っちゃうものができるもの。

プレゼンを真におもしろくする方法、それはやっぱり受け手が前のめりに聴くことだ。聴いて、中身を転がしてみたり育ててみたりすることだ。ふんぞりかえってウンともスンとも言わない会議をするくらいなら、ふつうにプレゼンしているものをいかにおもしろがって前のめりに聴けるか、というものを取り入れた方が、中身もおもしろくなってくると思うんですよね。


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