その本、サイズ合ってますか?

*きのう、アパレル関係の仕事をしている方と話していて、よくある「店員の接客」についての話しになった。本当にあるあるだけど、こちらが服を見ているときに店員に話しかけられる、というのが苦手な人は多いと思う。ぼくも、ちょっぴり苦手な方だ。聞きたいことがあったら、呼んで聞くからと思っちゃうけれど、向こうも服を売らなきゃいけない立場なんだから、仕方のないところでもある。

ふと、思ったのだ。接客し、販売する仕事の中でこういう「お客さんに喋りかけていく」スタイルの接客って、服屋さんとか靴屋さんとか、ファッション関係の仕事だけじゃないだろうか?

例えば、書店はどうだろう。服屋さんと同じように、商品を仕入れて陳列しているけれど、店員さんから話しかけられたことはない。し、きっとみんなもないんじゃないかな。けれど、書店も本を売らなきゃやっていけないのだから、条件としては同じと言えそうだ。しかし、店員がぐいぐい来て「気になる本があれば言ってくださいね~」なんてことは、ない。

百均とか、スーパーでも、そういう接客はない。「そのキャベツ、サイズ違いありますよ」なんてことはないし、「他店にあるので取り寄せましょうか?」も、もちろんない。しかし、条件としては一緒のはずなのだ。どうして、ファッション関係のみ、ああいう他者が介入する接客があるんだろう?

ひとつは、「他人の意見が欲しい」というのはありそうだ。自分では似合っているように見えても他人から見るとそうじゃなかったり、その逆もある。こっちのほうが、という提案もできる。鏡を見ても確認はできるけれど、鏡を見るのも自分なもんだし、やっぱり他人からどう見えるかは大事なところだろう。そもそもファッションって、自分以外の人が見るものなのだから。

こういう接客を、書店がしたらどうなるのだろう。逆に、話しかけないスタイルの接客を、ファッション関係の仕事がしたらどうなるのだろう。何が正解かなんてないだろうし、メリットデメリットであったり、人によって変えているだろうけど、そもそもを考えてみるのはおもしろい。本屋さんで「お客さん、こっちの方がお似合いですよ」って太宰を差し出されたりしたら、ちょっとおもしろそうだもんなー。


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