「のびのびと」の強さを。

*ぼくはそれなりにお笑いが好きなもんで、好きな芸人さんが出ている番組やラジオは、それなりにチェックしていたりする。M-1グランプリは毎年観ているし、IPPONなどの大喜利番組も欠かさず観ている。ただ、もちろん観ているからといって、ぼくが人より面白いわけでも、芸人さん級に笑いをとったりできるわけでもない。ただただ「すごいなぁ」と思いながら、映像が映る箱の前に座っていたりするものだ。まるで、武士の刀さばきを見て「へえー」と思うような町人、みたいな。

先日、大喜利大会であるIPPONグランプリの女性版が放送されていた。たまたま見ていたのだけれど、もちろん大笑いしていたものだった。ぼくは知り合いなどの身内で大喜利を遊びでやっていたりもするから、より「すごいなぁ、どうしてこんな答え思いつくのかなぁ」と思いながら観る。で、もちろん個人的な感想なんだけど、女性版のIPPONグランプリ、芸人さんとタレントさんの2つが開催されていたんですけど、タレントさんの方が盛り上がっていたような感じを画面越しに受けた。もちろん、その場にいたわけじゃないから、本当の空気感は分からない。けれど、画面越しのぼくには、タレントさんたちの方が、出演者側が「やりやすそう」に見えたのだ。

至極勝手に理由を推測してみると、芸人さんは緊張だったり、タレントさんと同時に開催されていることによるプレッシャーなんてのもあるんだろうな。肩に力が入っていたり、観る側も「どんなもんだ?」なんて姿勢で観戦していたのかもしれない。ただ、タレントさんの方は、出演側も観る側も「芸人さんじゃないんだし」なんて思いが、どこかしらにあったと思う。その思いからか、予想を遥かに上回るような回答と、その盛り上がりに感動しちゃったんだよねー。一言であらわすなら、タレントさんの方がプレッシャーも少ないだろうからか、もともと芸人じゃないんだしという思いもあるからか、「のびのび」とやっているように見えた。で、その「のびのび」さが、とっても良い風に作用して、出ている側も観ている側も楽しめたんじゃないかなぁ。

どっちが面白かったか、なんてのはない。どっちも面白かった。ただ、どっちが「のびのび」とやっていただろうか?と聞かれると、ぼくはタレントさんじゃないかなぁと答えそうだ。で、その「のびのび」とやっている空気感がぼくたちにも伝わるし、のびのびとやれているから、気持ちいいくらいの回答を連発してくる。「場」の影響がここまで大きいのかと、とっても考えさせられた。そりゃそうだ、スポーツでも、会議でもなんでも、のびのびとやれているほうが、結果は出やすいものだ。初めて、この「のびのび」との強さというか、凄さを画面越しに観たんですよねー。


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