擦り切れない思い。

*ぼくは根っからの気にしいで、考えなくていいこともぐるぐる考えちゃうような人だから、心が囚われるような出来事が起きたとき、ずーっと考えてしまう。2年ほど前、ある芸能人の方にたまたま怒られたときもそうだった。どっちが悪いとかそういうのを通り越して、いろんなところまで考えを巡らせては落ち込んでしまう。そういうことが、気にしいで考えすぎのぼくにはよくあることなのだ。

こういうとき「考えすぎはよくないよ」とか声をかけてもらうんだけど、ぼくにとっては考えたり思ったりを繰り返した方がラクになるのも事実なのだ。なんていうのかな、映画を何度も何度も観るとフィルムがだんだん擦り切れてって、しまいにはなにも映らなくなってしまうみたいに。考えれば考えるほど、思えば思うほどじぶんの中で肥大していくものもあるけれど、逆に遠くなったり、溶けていくものもある。だからぼくは、こころが囚われるようなことがあれば、しつこく考える。何度も何度も思い直す。

そうするうちに溶けていくものが、たしかにあるんだよなぁ。哀しさや、さみしさなんてのもそうだ。見て見ぬ振りをするよりは、じーっと見つめてみると溶けていく。嫌なことってのも、ぼくはそうして対処してるのかもなぁ。さいきん、こんなふうに思うようになったんです。夢とか目標とか、それを実現するためにどう生きるかみたいなのも大事かもしれないけれどさ、ぼくにとっては、昨日あった嫌なことをどうやって忘れるかとか、今日どう生きるかのちいさな工夫とかの方がよっぽど大事なんじゃないかって。ああ、これはきっと、さいきんよく聴いてる燃え殻さんと二村さんのラジオの影響かなー。


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