フードをかぶって歩いてみる。

*少し前から、街を歩いていてもフードをかぶっている人をよく見かけるようになった。「ジャンクフード」とかのフードじゃないよ、パーカーなんかについている、あの「フード」だよ。きっとおしゃれのひとつとして、フードをかぶっているんだろうけど、個人的にはなんだかヘンテコだなぁと思ったりもしていた。なんだか、夜にサングラスをかけている人みたいだ。こっちも、たまにいるよね。

どうしてフードをかぶるのだろう?と、ひまなときにぐるぐると考えていたもんだ。グーグル先生に聞いてみたところ、元々は防風とか、防寒とか、雨をしのぐとかで作られたものだそうだった。しかし、雨はおろか風はさわやか、気持ちのいい気候である。「おしゃれ」と言われればそれまでなのだけど、「おしゃれだと思ってやっている」人はそこまで多いものなのだろうか、とも思ってみたりする。

そうしてぼくがたどり着いた結論は、「だってフードってかぶるためにつくられたものでしょ?」だった。かぶるために作られたものなんだから、かぶって何がおかしいんだ、と。傘はひらくために作られたものだから、ひらく。それが当たり前だ。むしろ雨が降っているのに傘をひらかず手で持っている人の方がおかしいと思うだろう。それと同じで、かぶるために作られたものだから、かぶる。そう思うと、なんだか勝手にスッキリしたのであった。

おしゃれな友人も、待ち合わせ場所にフードをかぶってやってきたことがある。「どうしてフードをかぶってるの?」と聞いたところ「おしゃれだから」と返ってくると思ったのだが、意外な回答が返ってきた。「フードをかぶるとさ、なんだか少しだけ強くなれる気がするんだよね」と、友人は歩きながら言った。それは、ちょっとわかる、と思った。


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