みみそだてる。

*ぼくは人よりちょっとばかしラジオが好きなもんだから、1日のうちに30分くらいはなにかしらのラジオを聴いている。「問わず語り」や「三枚おろし」がメインだけど、他にもちょいちょいつまみ食いをする。ANNなんてのも、聴いたりするよ。で、良いラジオにはだいたい共通点がある。そのひとつが「届くハガキがおもしろい」ということ。

良いラジオは軒並み、リスナーからのお便りで届くハガキが、おもしろいのだ。「ハガキ職人」なんて言葉もあるくらい、送るハガキには、つまりリスナーのレスポンスにはセンスが問われる。そのレスポンスが決まっておもしろい。これってどういうことかというと、ラジオがリスナーを育てているし、同時にリスナーがラジオを育てている、おもしろくしているということなんだよね。

聞き手が話し手を育てる、読み手が作者を育てる、じつはそっちのほうが本当なんじゃないか、とぼくも思う。プレゼンをおもしろくするのは、話し手の技術より聞き手の姿勢だと信じている。つまり、話を聴く側の、受け手である人が、もっと言えば「耳」という器官が育てるものがあると思うのだ。耳が、話す口を、書く手を、互いの関係性を育てるようなことって、たくさんある。耳が育てる、つまり、みみそだてる。


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