撮られるより撮るほうが好き

*写真は撮られるより、撮るほうが好きだ。好きだし、なんなら撮られるのは苦手だ。自分に酔ってモデルっぽいことをしていた時期もあったけど、正直心のそこで流れているのは「どうしたらいいか分からない気持ち」であった。自分を自分と思わないことで、プロデュースしていると思ってやっていたけど、それでもやっぱり苦手だった。自分の顔が好きじゃなかったのもあったかもしれないけど、そんな思いもなくなった今でも、撮られるのは苦手だからあまり関係ないのかもしれない。

レンズを向けられても、どうしていいか分からない。ピースだけはしたくないし、かといって他にどんなポーズをしたらいいかも分からない。どんな写真を求められているのかも分からないし、だいたい引きつった顔か作り笑いになる。そんなことだからカメラロールを見返しても自分が映っている写真は数えるほどしかないし、そもそも送られてもあまり見ない。卒アルだって、もらった半年後には捨てていた。

そんなぼくだけど、最近お世話になっている映像作家の方が撮ってくれた自分の写真が、みょうに気に入っている。しょうじき、特段仲が良いわけでもない。ちゃんと関わるようになったのは最近のことだし、もちろん仲はいいけど、特別に仲が良いかと言われると、まだそこまでではないと思う。でも、お互いにお互いを尊敬しあっていて、一緒にいてとっても心地いい人だ。まさしく、撮る人の人柄なんだろうな、と思う。写真っていうのは、撮られる人の人柄がうつるんじゃなくって、撮る人の見ている景色や人柄が写るものなんだなと改めて思ったんです。


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