素直な人と話すのは楽しい。

*ぼくが話していて、「この人と話すのはおもしろいなぁ」と思うのは、いったいどんな人だろう? と、この前、家までの帰り道に考えていた。どうしてそれを考えていたかというと、なによりもぼく自身が、話している相手に「おもしろいなぁ」と思われていたいからに他ならない。ぼくがそう思われていたいから、ぼくにとってのそんな人を考えてみる。

話すのが上手な人、聞くのが上手い人、そもそも会話がおもしろい人、よく笑う人、視点が独特な人…いろいろ挙がるけれど、どれも共通点かと言われればそうでもない。話すのが下手な人でもおもしろい人はいるし、会話に笑いを挟まなくたってマジメに話し続けられる人もいる。捻った視点を持たなくたって、一般的なことをきちんと言える人はおもしろい。ううむ、むづかしいな…とスーパーで野菜を買いながら考える。

そうだ、「素直な人」じゃないだろうか。素直な人は、笑いがなくとも、口下手でも、視点が独特じゃなくても、おもしろい。自分が感じていること、思っていることを、うそをつかず、盛らず、見栄を張らず、素直に言ってくれるだけで、おもしろいのだ。だってその素直は、その人がちゃんと思ったことで、純度の高い気持ちなのだから。

「うそ」は自分も気付かなかったりする。会話をしていて「それ、ほんとかなぁ?」って思うことあるでしょう。その「うそ」がない人。つまり、ほんとうに自分がそう思っているのかどうかを見つめながら、ちゃんと本当のことを話してくれる人。職種や会話の上手さや知識に関係なく、そんな人との会話は、ぼくにとって一級品の雑談を生む。

しかし「誰にでも素直な人」というのは、むづかしい。素直でいれるのは、その相手との関係性次第でもある。話をする相手が、素直に自分の気持ちを話してもらえるよう、半分はこっちの仕事だね。素直な人と話すのはおもしろい。素直な人と話せるよう、自分ももっと、素直になんなきゃ。


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