楽しめる集団。

*去年の夏ぐらいからかな、うちに大量にあるボードゲームを使って、知り合いのお店で月に一度、会を開くようになった。毎月、ぼくはボードゲームの入った重い荷物を抱えて、来るお客さんたちにゲームの説明をしながら一緒に楽しむ。報酬をもらわないことにしたので、ある程度好き勝手やらせてもらっているのもあるし、何よりぼくが好きなもんだから、なんだかんだ毎月続けているイベントなんですよね。

で、約1年間ぐらい続けてみて、分かったこと。ボードゲームってのは楽しいものなんだけど、それ「だけ」で楽しいわけじゃない。何より世界大会だとか、賞金をかけたトーナメントをやっているわけじゃないから、真剣であり遊びなんです。これがいい。ただ単に頭が回る人たちとやっても、この空気感はなかなか出ない。それはどこか競技に近いものになるからだろうな。

「楽しめる集団」ってのは、つよいよー。「楽しいことをやる集団」ではなく「楽しめる集団」。まず「楽しんでみよう」とするわけだ。もちろんゲームそのものも楽しいし、ゲーム中の会話だったり「ここ、こんなプレイをしてみたら面白いかも?」なんて目線があちこちに飛び交っている。勝ち負けがあるゲーム上で、勝ち負け以外のところで遊んでいるというかね。

楽しむためには、楽しい場所を自分で探さなきゃなんない。それぞれで見つけて、それぞれで楽しんでみてもいいし、分けあってみんなで楽しんでもいい。そうするうちに「楽しめる筋肉」みたいなものが育っていく。目が、腕が、頭がそういうつくりになっていくというのかな。そういう人たちとなら、ただの「じゃんけん」だって、おおげさに楽しめると思うよ。

ひとりでは作れないもの、それは「空気」だ。雰囲気と言ってもいいし、風土と言ってもいい。ひとりではつくれないものも、ひとりひとりからつくられる。そういう「集団」や「チーム」ってのはいいよなぁ。ぼくもそのチームの一員でありたいし、隊長でありたい。


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