うそを書く言い訳。

*打ち合わせの合間に、初めて入る喫茶店で小一時間、手帳の空いたスペースを埋める時間を取っていた。ぼくが使っているのは、ほぼ日さんの五年手帳で、サイズはA5、見開き1ページで五年分の「今日」が書ける仕様になっている。左のページに5分割された2022年~2026年までの「今日」があり、右ページはおおきな空白だ。左のページにはその日考えたことや思ったこと、出来事を書くようにしていて、右ページにはぼくの好きな人のことばを、ミュージシャンがカバーするかのようにボールペンで書き写している。

まいにち1Pずつ用意されていて、できるだけ書くようにしているが、毎日毎日ちゃんと書けているわけではない。虫食いのように空いているページも出てくれば、ぽっかり一週間分書き込んでいなかった、なんてときもある。そういう空いたスペースを埋めようと、二週間に一度くらいのペースで、手帳の空いた部分を埋めるために時間をつかっている。ぼくはこの時間が、けっこう好きなのだ。

書き忘れていた日や、ひとことふたことだけで空いているスペースに、思ったことや考えたこと、書いてあるものから追記したいことなんかを書き込んでいく。あまりに前の日になると、スケジュールとにらめっこしながら、その日あった出来事や会話を思い返していく。記憶が曖昧になっているので、こんなこと話したような気がするな、と確信が持てないまま書くんだけど、それもまたいいんだよねー。

ほんとうのことばかりじゃつまらないのだ。「うそ」であっても、なにも本当に起きたことだけで手帳を埋める必要なんてないんだし。ときには嘘を交えながら、ぼくの毎日のしるしを埋めていく。記憶が曖昧になってから、その日のことを書くのは、うそを書く言い訳ができたようで、自由に書けておもしろいんですよねー。そういえば昔、夏休みの宿題の絵日記で「うその日」を書いたこともあったなぁ。


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