ヘンテコな樹みたいな人たち。

家を出て、少し歩いたところに隣の家の塀がある。塀からは、松の木をはじめ、いろんな植物たちがひょっこりと顔を出していて、庭先には何種類か樹があるようだった。そのなかでも、何という種類の樹か分からないけれど、途中までまっすぐ伸びていたが、屋根やら塀やらの障害物があるからか、くねくねと方向転換して、ヘンテコな形に伸びていった樹がある。ぼくは、なんだかその樹が好きなのだ。

こういう人間を、ぼくは知っている。まっすぐに生きようとしてたり、自分の望む方向へ歩こうとしていたんだろうけど、障害物やら出来事があったりして、それでもくじけず、どうにかこうにか幹を伸ばしていったヘンテコな人。ちょっと変わってたり、とっつきにくかったり、逆にものすごーく普通に見えたりするけれど、ヘンテコな伸び方をしている人。ぼくは、そんな人間を知っている。そして、そんな植物も、人間も、好きなのだ。

目の上にタンコブがあろうと、どうにかこうにか伸びることをやめなかった人であり、樹たち。自然か、それとも人力でか、方向転換をし、ぐぐぐっと伸びてった。その道のりが、好きなのだ。まっすぐに、どしんと鎮座して〆縄なんか巻かれちゃってる樹も憧れるくらいかっこいいけれど、ヘンテコな伸び方をしている樹も、大好きなんだよなー。

もしかすると、こっちが勝手な想像をしているだけで、「こちとら、これが普通の伸び方でい!」なんてこともあるかもしれない。それはそれで、おもしろいから話してみたいんだけどね。そういう人や樹を、これからもたくさん見つけたいなぁ。もしかするとおいらも、側から見たらそんな感じなのか?

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