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マネージャーになって初めての1on1

プレーヤーからマネージャーになって初めて行う1on1。自分がプレーヤーだった頃を思い出しながら。どんな1on1が良いかを考えますよね?そんな1on1について考えてるマネージャーの方向けに、このブログでは1on1ミーティングの基本から効果的な進め方までを詳しく解説します。


1on1とは?1on1の実施目的

「上司が部下の主体的な内省を促し、成長をサポートするための定期的な対話」の場です。1on1では、上司が部下の話を傾聴し、経験学習のサイクルを回すことで、部下の潜在力を引き出し、組織全体のパフォーマンスを向上させることを目指します。これにより、部下の成長支援や部下との信頼関係の構築を構築することができます。

弊社(リトラエル)が定義する1on1の前提

・マネージャーはメンバーを選べないし、メンバーはマネージャーを選べない。そのため、お互い尊重し、認め合って良いチームを作りましょう。
・仕事だけではなく人生に対するフォローやメンタリングを行いましょう。
・事業の成功と、社員の幸せの追求は「トレードオフ」ではなく「両立」出来ると考えましょう。
・チームは永遠に続かない。解散を前提にチームを作りましょう。

弊社(リトラエル)が定義する1on1とは

1on1がどのような時間かを一言で表現すると、マネージャーとメンバーのお互いが「幸せ」になる前提で、会社や業務と自分の人生に繋がりを持たせるストーリーを作り、そのストーリーに納得するための時間です。

補足:「対話」という言葉の定義

対話とは、複数の人が相互に意見や感情を共有し、理解を深めるための双方向のコミュニケーションです。対話においては「聞く」こと(受動的に音を捉える)と「聴く」こと(能動的に注意を払う)の両方が重要です。対話では、相手を理解し、信頼関係を築くスタンスで望みましょう。

補足:「内省」という言葉の定義

自分自身の考え方や行動を振り返り、その意味や背景を理解するプロセスを指します。「内省」を通じて、部下は自分の強みや弱み、行動の原因や結果を認識し、自己改善の方向性を見つけることができます。上司はこのプロセスをサポートし、部下の成長を促進するために定期的な「対話」を行います。

1on1のよくある誤解

1on1のよくある誤解は、いくつかのパターンに分けられます。

その1:業務の進捗を確認する

1on1の定義でも書いたように「上司が部下の主体的な内省を促し、成長をサポートするための定期的な対話」にも関わらず、「あのプロジェクトの件って何がどうなった?」など業務の進捗を確認しているケースです。この1on1では、本来の目的である部下の内省や成長支援が疎かになり、ただの進捗確認ミーティングになってしまいます。これでは、部下の潜在能力を引き出すことが難しくなります。

その2:評価の場と勘違いする

1on1を、部下のパフォーマンスを評価する場だと誤解してしまうケースです。1on1は評価面談ではなく、部下が自己の成長を見つめ直し、改善するための場です。評価は別の正式な場で行うべきであり、1on1では部下が安心して話せる環境を提供することが大切です。

その3:一方向的なコミュニケーションになる

上司が、一方的に話す場になってしまうケースも誤解の一つです。1on1は対話であり、双方向のコミュニケーションを通じて部下の意見や感情を引き出すことが重要です。部下が話しやすい雰囲気を作り、積極的に聴く姿勢を持つことで、効果的な1on1を実現できます。

1on1の準備と心構え

1on1を行う前にいくつかの準備を行うことを推奨します。また、準備とは別に心構えについても理解しておく必要があります。

フェーズ1:目的の確認

まず、1on1の目的を再確認します。これは部下の成長支援や内省を促すためのものであり、単なる進捗確認や評価の場ではありません。明確な目的を持つことで、1on1の方向性が定まり、効果的な対話が可能になります。

フェーズ2:議題の準備

事前に話したい議題を考えます。部下の最近の仕事の成果や課題、キャリアの目標、個人的な悩みなど、多岐にわたる話題を用意することで、深い対話ができます。また、部下にも事前に話したいことを準備させると良いでしょう。

フェーズ3:情報の収集

過去の1on1の記録や部下の業務パフォーマンスに関する情報を集めます。これにより、部下の現状を把握し、適切なフィードバックが可能となります。

フェーズ4:環境の整備

1on1を行う場所や時間を確保し、静かで集中できる環境を整えます。対話が途切れないよう、携帯電話をオフにするなどの配慮も大切です。

フェーズ5:心構えの確認

上司自身もリラックスし、オープンマインドで対話に臨むことが重要です。部下の話に真剣に耳を傾け、共感する姿勢を持つことで、信頼関係を深めることができます。心構えとしては、部下の意見や感情を尊重し、フィードバックを受け入れる姿勢を持つことが大切です。また、部下の成長を第一に考え、自分自身も学び続ける意識を持つことが重要です。
これらのフェーズを踏むことで、1on1がより効果的で有意義な時間となるでしょう。

効果的な質問の技術

「なぜ」と聞かない質問術

「なぜ?」という問いを聞かれると、ついつい「言い訳」をしたくなりませんか?理由を問われると、言い訳じみた話をしたくなります。では、どのように質問をすればいいのでしょうか?Why以外の質問を使い、事実を確認することがポイントです。具体的には、When=いつ、Where=どこで、Who=誰が、What=何をの4つです。

この4つを使いこなすことで、原因や動機、あるいは事態の捉え方についての自分の思い込みと現実とのギャップに気づき、内省の第一歩となります。

「どうですか」と聞かない質問術

How=どうですか?という疑問詞は、「最近、どうですか?」「お仕事はどうですか?」「彼をどう思いますか?」など日々の会話で使わないほうが珍しいほど頻繁に使われます。しかし、この「どうですか?」という質問には、落とし穴があります。例えば、「仕事はどうですか?」と尋ねられたとします。その場合、仕事の成果について答えるのか、仕事のプロセスについて答えるのか戸惑うでしょう。つまり「どうですか?」という質問は、尋ねる側は気軽に、安易に尋ねられるが、答える側には手間のかかる、面倒な質問です。

まとめ

このブログでは、プレーヤーからマネージャーになった際の1on1の基本と効果的な進め方について解説しました。1on1は、部下の成長支援や内省を促すための定期的な対話であり、業務の進捗確認や評価とは異なります。1on1を成功させるためには、準備と心構えが重要です。また、効果的な質問術を駆使して、部下の意見や感情を引き出すことが大切です。

1on1がうまく実施できない方へ

1on1自体がうまく実施できていないという場合には、メンバーの価値観を理解されていない可能性があります。まずはメンバーの価値観を理解して、メンバーがどんな人間であるか?を理解するところから始めてみませんか?詳細は別の記事(価値観を活用したマネジメント)にまとめていますので、そちらも合わせてご確認ください。

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