映画の感想 サウンド・オブ・「ジャンゴ」・ミュージック (2017年7月記)

検索するとタランティーノのジャンゴの方がすっかり有名で、次がマカロニウエスタンのジャンゴ、ギタリストのジャンゴはなかなか出てきませんでした。
「ギター弾きの恋」や「僕のスイング」や、ジャンゴのオマージュ映画はできるだけ観てきました。
今では「マヌーシュ・スウィング」という方がよいのかしら。要はマヌーシュ・スウィング版「サウンド・オブ・ミュージック」という雰囲気。たどたどしい編集で、サスペンスが削がれてしまうのですが、流麗でない方が好いです。
演奏シーンも、マヌーシュの生活も徹底して考証された描かれ方をしません。人間関係もあまり説明がなく、唐突でよくわからない。中途半端な印象なのですが、人の人生は一巻の映画ではない、ので、むしろこの中途半端さが好いのです。戦時下のマヌーシュの扱いについてもメッセージ性は弱い。とはいえ、わたしの感想はすべて、移動しながら生活する彼らの文化に対して無知なだけなのだと思います。
その時こんなことがあってね、と誰かの問わず語りを聞いているような、そんな映画でした。
教会でオルガンを弾き、断片だけ残されているレクイエムを作曲した、らしい。
足に鈴をつけて、足踏みでリズムを刻まぬよう。飼い猿ジャコの死。もろもろ断片的です。
そうそう、タバコの時代でした。フランス人もドイツ人も、黒人もジプシーも、男も女もみな、タバコが好きな時代でした。日本では、そのうち喫煙者は火炎放射器で火あぶりの刑になるかもしれません。

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