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Nikon F2

NikonF2は、1971年9月に発売されニコンF一桁機最後で完成形のメカニカルシャッターのカメラ。
F2は社内デザインではあるものの、初代Fより欠点を改善し操作性を向上させ自動化により扱いやすい機種になりました。
シャッタースピードは、1/2000秒まで高速シャッターを切れるようになりセルフタイマーを使って2秒~10秒まで低速シャッターにも対応します。

F2の魅力は、フォトミックを取り付けた時に見た目が悪くならない高さを抑えた台形のデザインです。F2はフォトミックがベースモデルですし、フォトミックはブラックカラーしかないので本体もブラックカラーのモデルがお似合いでしょう。

F2の外観

F2の外観はFよりも若干丸みを帯びたデザインになっています。Nikonのロゴがサンセリフ体の太字に替わっており、丸みを帯びた親しみやすさの中にしっかりとしたニコンのカメラであると言う主張も感じさせます。
最近このロゴを見たなと思ったら、ヘリテージデザインのZfcやZfに使われていましたね。亀倉雄策氏のデザインしたイタリック体の「トラックニコン」ではないのが興味深いです。
カメラとはこういうものだという普遍性のあるデザインで時代や性別を問わず愛されるカメラと言えます。

カラーはブラックとシルバーがありますが、フォトミックはブラックのみです。シルバーの本体にファインダーの色を合わせるにはシルバーのアイレベルがありますがありますが、露出計が使えなくなるので悩みどころです。

F2の裏蓋にはメモフォルダーがあり、フィルムの箱のベロ部分を入れてどのフィルムが入っているか分かるようになっています。フィルを撮り終えなくて別日に撮る時に何のフィルムだったか思い出せるので、意外と使えるフォルダーです。

シャッターボタンにあるT-Lリングは、L側に回すとシャッターがロックされ、T側に回すとタイム露出が使えます。
タイム露出は、T-LリングをT側に回しシャッタースピードB(バルブ)に合わせます。セルフタイマーの2~10秒に設定してシャッターを切ると設定した秒数のシャッタースピードで撮影が出来ます。10秒までスローシャッターが使えますが、この方法では少し煩雑なので未完成な感じが否めないですね。

底面には電池室があります。フォトミック用の電池でLR44かSR44を2個使います。メカニカルシャッターなのでフォトミックの露出計を使わない場合は電池は不要です。

フィルムの入れ方

フィルムを入れる時は、底面にある開閉キーを回し裏蓋を開きます。
まず初めに開閉キーのノブを持ち上げO(Open)側に回し切ると、裏蓋が開きます。

巻き戻しノブを引き上げます。

フィルムのパトローネをパトローネ室に入れて巻き戻しノブを戻します。フィルムを少し引っ張って右側の巻き上げ軸にあるスリットに差し込みます。

シャッターを押し巻き上げレバーを回し、巻き上げ軸にフィルムが巻き上がっているのを確認します。
さらに、スプロケットの歯車とフィルム上下の穴が噛み合っていることを確認します。

裏蓋を閉め、開閉キーをC(Close)側に完全に回転しロックさせ、ノブを戻します。

数回シャッターを押し巻き上げます。

フィルムカウンターが0になったことを確認します。

フォトミックの場合は、フイルムのISO感度に合わせてフイルム感度(ASA)ダイアルを設定して、フィルムの準備が完了です。

フィルムの巻き戻し

巻き上げレバーが回らなくなったらフィルムを撮りきったと感覚で分かります。
フィルムの巻き戻しは、まず底面にある巻き戻し用ボタンを押します。

巻き戻しクランクのノブを起こして矢印の方向に回転させます。途中で回転の負荷が軽くなるタイミングがありますので巻き上がり間近であることが分かります。もう数回巻き戻しクランクを回します。

開閉キーのノブを持ち上げO(Open)側に回し裏蓋を開けます。

巻き戻しノブを引き上げ、フィルムが巻き取られたパトローネを取り出します。巻き戻しノブを戻し裏蓋を閉めロックします。

電池の入れ方

フォトミックファインダーの露出計を使う場合は、電池を入れる必要があります。
底面にある電池室のフタをコインなどで半時計回しに開けます。
500円玉がちょうど良い厚さでした。

電池は、LL44かSR44を2個使います。+側が見えるように重ねて入れます。
LL44は100均でも入手出来ますが、使用していると電圧降下があるため露出計の精度が落ちてきます。可能な限りSR44を入れて使いましょう。

フタの裏側には+のマークがあります。電池の+-が間違いないか確認します。

フタをコインをなどで時計回しに閉めます。

フォトミックの露出計を使う場合は、巻き上げレバーを赤の点マークが出るまで少し引き電源をONにします。

フォトミックにある電池確認ボタンを押すとメーターの針が左に振れ電圧のチェックができます。
メーターの針が半分以上あればOKです。

ファインダーを覗くと下部に露出計のメーターが表示されています。
針が中央に来るようにシャッタースピードを調整します。
メーターの左右には、絞り値しとシャッタースピードが表示されます。何だかEVFっぽくてカッコいいです。

撮影の機材

Nikon F2にNew NIKKOR 50mm f1.4 (前期型)のレンズを付けフィルムはILFORD XP2 SUPER 400を使って撮影しました。

ISO400のフィルムだったので絞りはすべてF5.6に絞って撮影しました。
今回使用したフィルムをスキャンすると全体的にフラットな映りだったので、多少コントラスト高めに補正しています。

作例

Nikon F2 + New NIKKOR 50mm f1.4 (前期型)
Nikon F2 + New NIKKOR 50mm f1.4 (前期型)
Nikon F2 + New NIKKOR 50mm f1.4 (前期型)
Nikon F2 + New NIKKOR 50mm f1.4 (前期型)
Nikon F2 + New NIKKOR 50mm f1.4 (前期型)
Nikon F2 + New NIKKOR 50mm f1.4 (前期型)