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童貞、ナンパする(第九話)

童貞、初めて合コンをする

 今まで合コンとは無縁の暮らしでした。そんな僕が自ら進んで設定した、合コンもどき。それがダーツ会。

 僕はみんなを知っているが、みんなは僕以外知らない。こういうのって初めてだとドキドキだよね。緊張はしないけど。そんなこんなで、今回はダーツの好きな女子2人と学生時代の学生時代の友人(タクミ)と、ダーツ会を開催した話。
 19:00、都内某所。

 誰より先にタクミに会う。待ち合わせより1時間ほど早いため、珈琲店にてコーヒーを飲む。タクミにその日に来る女性達の情報を伝える。1人はレディースダーツプロ。ここでは美女先輩としておく。美女先輩はモデル活動もされており、才色兼備ってこの人のためにある言葉だと思ってる。

 余談だけど、先輩との出会いは大学時代。もともとは、ある講義を隣で受けていたってだけだけど、講義後に思い切って飲みに誘ったのがきっかけで、連絡をたまに取っていた。もちろん僕からの連絡だけど、それでも来てくれることが嬉しい。

 そして、もう1人、ダーツ好き女子として声をかけたのは、ちよちゃん。ダーツバーで出会った感情豊かな子である。この子とは街中など、予期せぬところで会ったり意外と連絡が途絶えなかった。

 対して男友達のタクミは学生時代を共にに過ごしてきた仲間。その間ずっっと彼女作らない同盟を組んできたので、もはや盟友。そんなタクミとは、社会人になってからも月に1回程は会っていた。とても長い。にも関わらず、そんな彼と今まで女性を挟んで食事をしたことがなかった。僕らが、女性と何かをするのは初めてだっただけに、なんだか新鮮。どちらかと言えばタクミとそういった会に行けることが楽しみだった。

 20:00駅前。まずはちよちゃん登場。
 出るなり

👧「ふぁ~!!!!」



どんな挨拶だよ。

👧「はじめまして~」
僕「ちよちゃんね。で、この人が、、」
👨「タクミです。非モテと仲良くしてます。今日はよろしくおねがいします。」
👧「非モテ?あー。ヒー君なんて呼ぶの私くらいだもんね。タクミさん?よろしくおねがいします」
僕「先輩が少し遅れるから先行きましょ。」

 こちらはみんなを知っているという点で気持ちは軽かった。だからか、ちよちゃんの占いの話とかをイジったりしながら目的のダーツバーへ到着。先輩が来るまでは3人でダーツを投げていた。タクミも数回投げてただけだけど、マイダーツを買っただけに意識は高い。なかなかの成績。一方でちよちゃんは相変わらずの劇団ちよを繰り広げていた。ダーツをやるって素敵だよね。会話が途絶えない。投げる一挙手一投足にツッコミどころ満載だから。ナンパ初心者はみんな始めた方がいい
 そんなこんなで楽しく投げてるところに、美女先輩が登場。そこで驚いたのは、先輩が店員とめちゃくちゃ仲良さげに話していたことだった。ためしに店員に聞くと

店「いや、この方はめちゃくちゃ有名です!神ですよ?!」
僕「え、先輩ここ通ってたんですか?」
👩「まあねー。」

 おそるべし先輩。ダーツバーはあらゆるところで顔を出していた。しかも店員からガチの試合を申し込まれていた。
 なんだかこの方は別次元なんだなぁって感じた。先輩も含めて、食事と飲みを楽しむ。ちよちゃんは積極的にダーツのレッスンを先輩から受ける。この子はダーツの向上心が高いことがわかった。
 何度か投げるが、初心者2人はともかく、先輩がわりと不調だった。まぁ、プロの不調ってブルが3回に2回入るか入らないかくらいだから初心者にとっては阿鼻叫喚ものなんだけどね。

 そんなこんなでダーツは盛り上がった。
 一番の発見はこういう会でもタクミが楽しんでたことだ。初めて女子を挟んで会話をしたがお互い普段通りだった。変にカッコつけてガチガチのつまらない会話する、なんてこともなかった。

 23:00前、終電がやばいので解散をする。
 僕はちよちゃんと方面が一緒なので2人で帰る。前に声をかけた以来、ゆっくり会話をしていなかったのでこういう時間は貴重だった。お互い先輩に追いつきたいね~と理想を語る。最初から最後まで先輩をダシに使って会話をしていた気がする。きっとこれからもそうなんだろう。

 あの日あの時、先輩に声をかけなかったら連絡を取れなかった高嶺のお方。それのおかげで、今こんな出会いが広がった。かつての自分の行動力に感謝している。人がいざ行動に移した時って、意外に結果は後々までついて来るんだと、感じた日だった。

 ちよちゃんも先輩も、思い切って声をかけてよかった。
 きっとナンパってこんなことがたくさんあるのかもしれない。
 そう考えただけでワクワクしていた。


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