工事見積を細かく出すことの大切さ。施工費減額ストーリー
【見積書をつくる際に大切にしている透明性。】
レタス不動産のリノベーションは、見積書を出来るだけ細分化し、お客様も「何にお金が掛かっているのか?」「どこを減らせるのか?」「何が譲れないのか?」をより具体的にイメージしながらプランニング出来るよう心掛けています。「〇〇工事一式」のような【どんぶり勘定】は大敵。目指すは透明性です。
今回は、減額ストーリーを判り易く、実際にあった案件を基に記事にしました。
【一目惚れのキッチン!】
S様よりリノベーションの依頼を承り、ご希望を伺いながら初期お見積りを進めていました。
設備や資材を実際の空間に取り入れた際の参考にと、リノベ済の物件もいくつか見て廻りました。
奥様はその際に見つけたフレームキッチンに一目ぼれ。
キッチンを中心としたお部屋のイメージが、みるみる膨らみました。
しかしこのモデルは人気メーカーのフレームキッチンで、定価からの値引き率も低く…予算オーバーとなってしまう見通しに。
【予算におさまらない!】
さらに物件にも問題個所がありました。
部分解体をした細部調査をしてみると、リノベーションをしようとしている物件は雨漏りの影響で梁や柱の一部が腐食。目視調査時に見積もっていた漏水復旧や耐震補強工事では足りないことが発覚しました。
基盤となるこれらの復旧は第一です。
工事費の予算増に加えて、希望のキッチン設備導入を叶えるためには、どうしたらよいか…
【レタス不動産からの提案】
挫折一歩手前のS夫妻の希望を叶えるべく、ビジュアルを損なわずに予算を抑えるプランを検討しました。
提案①フローリング材の使い分け
S様ご夫婦お気に入りのフローリング材を全部屋に入れる計画でした。
しかし寝室はベッドが大半を占めて見えなくなるという盲点を伝え、別のフローリング材で代用することに。
またキッチン部分はフローリングと相性の良いタイルに変更する事も提案。ビジュアル的にも引き締まり、資材費も削減できます。更に水拭きによる清掃もし易く機能性も良くなります。
この提案を受けていただいた結果、フローリングの面積を減らすことが出来たので、当初予定していたフローリング材よりもグレードの高いものを導入することが出来ました。
提案②資材費を調整
当初、リビング背面の収納、寝室のウォークインクローゼットに扉を付ける予定でした。この扉はロールスクリーンで代用することに。また、収納内の可動棚を既製品の棚で代用することで費用削減に繋げました。
調整の中で、主役であるリビング・その他の建具をちょっぴりグレードアップ。
さらに洗面台・ユニットバスのグレード、照明等の個数、種類を細かく再検討。優先順位を付け変更することで、予算削減に繋げました。
提案③内装造作、木工事を調整
2階天井は吹き抜けに。内装造作にかかる工事費、資材費を圧縮できました。熱効率を考えてボードを貼る案も検討していましたが、ビジュアル面では吹き抜けが有力。エアコンは容量の大きいものに変更し、送風機を兼用する空調対策を提案しました。
上記の提案に対し、S様ご夫妻とは何度も話合いを重ねました。
予算内でリノベーションを行うことはとても大切ですが、好きなものを諦めたり、やみくもにグレードを下げたりしては“暮らしたい家”から遠のいてしまいます。
ちょっとした余分を取り払う作業を重ね、納得のうえで組み立て直すことができました。
キッチンメーカーにも再度交渉し、わずかながら減額に成功。
最終的な結果として、希望されたビジュアルを壊さずに予算100万円程度を削減できました。
一番譲れなかったキッチンを導入し、理想のリノベーションが叶えられました。
下記が実際の当初プラン見積と減額案採用後の見積になります。