【完全攻略】映画「ハリー・ポッター」に登場する「グレンフィナン高架橋」を走る蒸気機関車「ジャコバイト号」を撮影する
イギリスに旅に出るにあたってやりたいことの1つに「ハリー・ポッターシリーズの聖地巡礼」があった.Kindle Unlimited契約するたびに原作を最初から狂ったように読み通すレベルにはハリー・ポッターシリーズが好きなので,イギリスに行くのであれば是非履修しておかなければならない.
「ハリー・ポッター 聖地」で具体的に行きたい場所を整理していたのだが,軒並みロンドンを中心にブリテン島南部に聖地が集中する中で一箇所だけ異質な場所があった.
なるほど,ホグワーツ特急のシーンで登場する橋らしい.何と実際に蒸気機関車の観光列車が走っているというではないか.これは是非行きたい.ただ問題があるとすれば……
遠すぎだろここ.
遠い.あまりに遠い.ここを旅程に入れた瞬間,旅行全体の計画立案が異常に難しくなることは明白.大人しくロンドン周辺を回るような計画にしておくほうが安牌である.
が,どうしても行きたくなってしまったので公共交通機関だけでグレンフィナン高架橋を走るSLを撮影しにいくプランを練り上げたので,ここにそのノウハウを共有する.
蒸気機関車「ジャコバイト号」の基本情報
詳しくは公式サイトを参照されたいが,2024年現在の基本情報は以下の通りである.
運行区間:Fort William~Mallaig
運行期間:3月末~10月末
運行本数
1本(5月~9月までは2本)
ジャコバイト号はFort William出発・到着のおよそ30分後/前にグレンフィナン高架橋を通過することが知られている.具体的には以下の時刻が通過目安となる.
西行き(Fort William→Mallaig)
Morning Service:10:45頃
Afternonn Service(5月~9月のみ):13:20頃
東行き(Mallaig→Fort William)
Morning Service:15:10頃
Afternonn Service(5月~9月のみ):18:05頃
「ジャコバイト号」西行きを撮るか?東行きを撮るか?
ジャコバイト号は東行きの場合,逆機での運行となる.逆機というのは所謂「バック運転」で,一般に想像する「蒸気機関車の後ろ」が先頭になる.以下の画像のようなことである.
したがって,「逆機フェチ」のヤベー奴以外は基本的には西行きのジャコバイト号の撮影を狙うのが王道である.
グレンフィナン高架橋への公共交通機関によるアクセス
グレンフィナンに行く場合,近隣の街として必ず訪れることになると思われるのが「フォート・ウィリアム」だ.そこで,まずはフォート・ウィリアムからグレンフィナン高架橋へ公共交通機関でアクセスする場合のアクセス手段を示す.大きく分けて鉄道とバスの2つがある.それぞれの時刻表を以下に示す.
鉄道(Scot Rail)
北海道のド田舎もかくやのとんでもない時刻表である.1日4本しかないし日曜日に至ってはいかにも使いづらい時間帯に1日1本である.
バス(Shiel Buses)
本数多くないし複雑すぎる.公式HPで調べたのだが読み方が正しいのかも正直ちょっと自信がない部分がある.
なお,バス停は特記事項がないものを除きFort William側はFort William駅前の「Fort William Bus Station」,Glenfinnan側は「Glenfinnan Station Road End」の時刻を記載している.
なおGlenfinnan側は公式HPには時刻として明記がないものの,高架橋へのアクセスは「Slatach Road End」のほうが便利だが,時刻の記載がないので誤解を防ぐためにもStation Road Endの時刻を記載した.
アクセスまとめ
Glenfinnan駅から撮影場所となるグレンフィナン高架橋付近へは徒歩で30分ほどを要する.この前提で撮影のために有効なアクセスのみ抜粋すると以下の通りとなる.
ひとつ確実言えるのは「土日に行くのはやめとけ」ということである.土曜は本数が少なく,日曜に至ってはアクセス手段がほぼ皆無である.ああ我ら土日にグレンフィナン高架橋には行くな高校
私は復路にバスを利用したのだが,上記のような感じで時刻表の解釈が合っているのか非常に不安だったので,バス停の前でめっちゃキョロキョロしていたら,バス停の向かいの家に住んでいるおっちゃんが「Bus will come!」と言ってくれたので安心した.
そもそも,フォート・ウィリアムへのアクセスが大変
「へえ,本数少ないとは言え電車かバスで行けるんだから余裕じゃん」と思ったそこのあなた,考えが甘い.
そもそもフォート・ウィリアムが他都市から離れた場所にあるという事実から目を背けてはいけない.例えばスコットランドの大都市・グラスゴーからフォート・ウィリアムへは電車で4時間を要する.朝の始発で行ってもフォート・ウィリアムに到着するのは12:07である(なおこの列車は引き続きMallaig行きとして運転し,上記のアクセス手段に記載している列車となる).
よって,どのようにフォート・ウィリアムにたどり着くか?もセットで考える必要がある.
グレンフィナンまたはフォート・ウィリアムに宿泊するという選択肢
私がおすすめし,そして実際に私も採用したのは「グレンフィナン/フォート・ウィリアムに宿泊する」という選択肢である.私の場合はグレンフィナンの「The Prince's House Hotel」に宿泊した.
フォート・ウィリアムにも宿泊施設はいくつかあるようである.なお,このあたりは都市というよりはアウトドア・アクティビティの拠点という感じなので,いわゆる「ビジホ」的なものはなく,ゲストハウスやB&Bのようなものが多い.この点は好みが分かれると思う.
また,変わり種としてはグレンフィナンには「Glenfinnan Sleeping Car」という寝台客車に宿泊できる施設がある.こちらは宿泊自体が一つのアクティビティなるので,良い選択肢かもしれない.
グレンフィナンまたはフォート・ウィリアムに宿泊する場合は,前述の交通機関の時刻と組み合わせて,撮影したい時間帯に合わせて往復アクセスすれば良い.
グレンフィナンまたはフォート・ウィリアムに宿泊しない場合
一応,グレンフィナンまたはフォート・ウィリアムに宿泊しないという選択肢もないわけではない.
グラスゴーを拠点にする場合
前述の通り,グラスゴー8:21発の列車に乗ればグレンフィナンには12:45に到着する.12:45にグレンフィナンに着けば,Afternonn Serviceの西行きをギリギリ撮影することが可能である(時間的には結構ギリギリ).
逆に言うとどう頑張ってもMorning Serviceの西行きの撮影は時間的に不可能なので,Afternonn Serviceの運行時期限定のアクセス手段と言える.
カレドニアン・スリーパーを使う場合
ロンドン・ユーストンからフォート・ウィリアムを結ぶ寝台特急「カレドニアン・スリーパー」という列車がある.この列車を使うとフォート・ウィリアムの到着が10:00.グラスゴーから来た列車に乗り継いで,同様に12:45にグレンフィナンに着くことが可能である.
これもやはりAfternonn Serviceの運行時期限定のアクセス手段と言える.
総論的にはやはりグレンフィナンまたはフォート・ウィリアムに宿泊することをおすすめする.
フォート・ウィリアムからどう脱出するのか?
往路が大変ということは復路も大変ということだ.どうやって帰るのか考えなければいけない.
グラスゴーに戻る場合
終電はフォート・ウィリアム17:37発のスコットレール(グラスゴー21:25着).
ロンドンに戻る場合
カレドニアン・スリーパーが使える.フォート・ウィリアムを19:50に発ちロンドン・ユーストンに翌8時に到着する.
まとめ
公共交通機関のみの利用で「ジャコバイト号」をグレンフィナン高架橋で撮影する場合のポイントは以下の通りである.
西行きの撮影を狙うのが良い
土日以外を撮影日とする
グレンフィナンまたはフォート・ウィリアムに宿泊するのが望ましい
(参考)私の旅程
私の場合は以下の旅程を採用した.
エディンバラ→グラスゴー:時間は忘れたが本数は多いので自由度あり
グラスゴー(12:22)→グレンフィナン(16:51)
The Prince's House Hotelにチェックイン
グレンフィナン高架橋へ行きAfternonn Serviceの東行きを撮影
The Prince's House Hotelに宿泊
翌朝,Morning Serviceの西行きを撮影
12:55発のバスでフォート・ウィリアムへ戻る
モリソンのカフェとカレドニアン・スリーパーのラウンジで時間をひたすら潰す(計6時間)
カレドニアン・スリーパーでロンドンへ
どうしてもフォート・ウィリアムで時間を大量に余らせる旅程になってしまったので,ここを効率的にするにはどうすれば良かったんだろう,というのは悩みどころ.
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