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掴めないながらも

リバースメンタリングの感想を書いてほしい。そう、チャットグループに書き込まれたのは先週のことだ。その要求に2人ほど反応した。二人ともこの取り組みを概ね肯定的に捉えられていた。「話したいことが尽きない」「次回も楽しみ」「未来に希望が持てる」それはそれでよい。

でも、このままいくと、そうでない人は意見を書き込みにくいかもしれないと、自分のあまのじゃく精神が働き、肯定しつつも疑問を投げかけるという荒業に出た。みんなが見ている環境下だというのに。あいつは変なことを言っている、そう思われたとしても別にいいか、正直なことを言っているし(少なくとも自分に嘘は付いていない)。

意外なもので、同じような意見を抱えている人が複数人いた。そういう人たちはみな、「まだ実態が掴めていない。手探り」という状態だった。あぁ、やはりみんながみんなポジティブな面だけでやっていたわけじゃないんだな、そう思えた反応の数々だった。

リバースメンタリングの性質上、若手が上層部に助言・支援する格好であるが、当然、持っている知識や経験において、若手が上を行くというのは、相当話題を選ばないと難しい。(比較的)若者の感覚は、こちらのほうが持ち合わせているだろうが、どの顔で若者を代表したコメントなどできるだろうか。だから、最初は状況を理解するというか、会社の取り巻く環境を知ることからがスタートなのかもしれない。

「青天を衝け」で、若き日の渋沢栄一は、一橋家に仕えることになるのだが、最初は血洗島で得た知識を元に攘夷だの幕府は終わりだの言っていた。しかし、一橋義信や平岡円四郎をはじめ、一橋家の人々から様々な情報を聞くことによって、自分が持っていた意見が洗練され、本当に必要なものだけが残っていった。史実だと栄一はこの後、パリへ派遣されることになり、ドラマでもその光景がきっと描かれるのだろうが、海外で見聞きしたものを日本に持ち帰り、近代日本に必要だった多くの会社を立ち上げていくことになる。

自分たちが知らない・知らさせれていないことがあるのは、立場上、致し方ない。でも、知るチャンスを得たのだとした、その時にどんどん更新していけばいいのだ。むしろ、これが正しいと決めつけて更新を止めてしまうことのほうが恐ろしい。今は試行錯誤だとしても、それが後で糧になる日が必ず来ると信じて、メンタリングでのやり取りを行っていく。そんな感じで、ひとまずは進めるしかない。

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