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フェアプレーの具現化

最後はまたしてもこの競技が持って行ってしまうのかもしれない。カーリング女子、準決勝は劣勢必須と思われたスイス相手に8-6の大金星をあげた日本代表のロコ・ソラーレ。前日の対戦では4-8で敗れていたし、なにせ1次リーグで1敗しかしていないスイスである。下馬評通りならば今回も3位決定戦かなと思っていたが、とんでもなかった。

準決勝に進んだのも3位のチーム(イギリス、カナダ、日本)が5勝4敗で並び、ドローショットチャレンジ(DSC)でカナダを上回っていたからである。もし、1次リーグ最終戦で韓国がスウェーデンに勝っていたら、韓国のほうがDSCの成績が上回っていたので、日本の準決勝進出はなかったのである。ギリギリ繋がった準決勝の舞台で、最高の試合をしたロコ・ソラーレは、大舞台で本当に"持っている"人たちである。

それにしても、カーリングというスポーツの潔さは、他競技の追随を許さないなと思う。得点を決めるストーンの位置も基本的には両チームにおけるセルフジャッジ。フェアプレーの精神がないと成り立たない競技なのである。試合後も、まずはお互いの健闘を称え合う。喜ぶのはその後。カーリングというスポーツを通じて人間的に成長できる競技なのだなとよくわかるシーンである。

試合後の振舞いからもはフェアプレーの精神が凄く伝わる。皆、決勝の舞台に進みたかったチームのはずだが、お互いがお互いのプレーがとても好きなのだろう。勝ち負け以上に大事なことがあるんだ、と言われているような気がする。

女子の決勝は20日の午前に行われる。20日といえばオリンピックも最終日である。本人たちはやはりここまできたら結果を残したいと思うだろうが、昨日のような伸び伸びとした試合をしてほしいと願う。結果はどうであれば、今大会の大きなハイライトになることは間違いないだろう。

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