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その景色を焼き付ける

今日の午前中に男子・走り幅跳びの決勝が行われた。予選を8m17の3番目の記録で突破した橋岡優輝選手。メダルの期待もかかる中、決勝の勝負に挑んだ。

1回目はファール、2回目は7m95、3日目は7m97と飛んで、4回目以降に進める上位8人に残った。3回目でようやく踏切が合ったようで本人も安心した表情。さて、そこからはメダルを掛けた争い。自己ベスト近くまで飛べば十分にメダルの可能性がある展開となった。

4回目はファール、5回目は7m94と、なかなか記録を伸ばせない。これでも午前決勝の難しさなのか、踏切は悪くないが助走がいつもと違うと解説されていた。そして、最終6回目。ここで8mを超え、8m10を記録した。最後の最後で今日一番を決めてくるあたりはさすがである。しかし、この時点で8m15が3位であったため、橋岡選手のメダルへの挑戦は終わった。優勝は、最後にひっくり返したギリシャのテントグル選手。本人もびっくりのビッグジャンプであった。それまでトップにいたキューバのエチェバリア選手、途中の跳躍で太もも付近を痛め、ここまでパスしていた。8m16以上を飛べば再逆転となる最終跳躍に挑んだが、すでに体は限界であった。

それで、競技終了後の橋岡選手の表情がタイトルの写真である。本人は終わった後、何も考えられなかったとインタビューで話していた。心のうちは本人にしかわからないが、今回、メダルは最低限と話していたことからも悔しさは相当のものだったと推し量られる。パリで金メダル、ロスで競技人生の集大成を、という壮大な計画を立てる彼にとって、日本人37年ぶりの入賞の快挙もあまり意味をなさなかったのかもしれない。

来年からは海外でシーズンを送るとのことだが、今日のリベンジを次のパリ五輪できっと果たしてくれるだろう。そう期待を抱かせてくれるような競技終了後の表情であった。

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