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オレゴン世界陸上3日目

オレゴンでの世界陸上も3日目が終わった。各種目ともハイレベルな戦いが続く。日本選手の主な戦績はこんな感じ。

男子マラソン→西山選手、日本人世界大会最高記録で13位
男子10000m→田澤選手20位、伊藤選手22位
男子110mハードル→泉谷選手、石川選手、ともに決勝進出ならず
男子400mハードル→黒川選手、決勝進出ならず

こう見ると、今日は期待された選手たちでも上位進出が厳しいことが浮き彫りになった。たしかに持てる力を発揮すれば、特に泉谷選手あたりは決勝に進んでもおかしくない持ちタイムであったが、世界で戦ううえでは何か足りないものがあるということだろう。

ところで男子110mハードルの決勝は波乱ばかりだった。終わってみればアメリカのホロウェイ選手が2連覇を成し遂げたのだが、スタート前には東京オリンピックで金メダルを取ったパーチメント選手(ジャマイカ)が突如、脚を痛めてスタートラインにすら立てず。さらに優勝候補の一角だったアレン選手(アメリカ)はリアクションタイム0.099秒で失格。リアクションタイムは0.1秒未満で失格になるため、なんと0.001秒速いだけ…という、現行ルールに物議を醸す事件だった。

アレン選手は、アメフトの選手でもあるらしく、この大会が終わったら今度はアメフトのほうのキャンプに入るらしい。こんな選手がたくさんいるわけでもなかろうが、すごい才能の持ち主である。学生時代に1種類のスポーツで縛り付けない海外選手らしい。

日本のやり方が必ずしも悪いとはいわないが、何となく各種目で学生スポーツが体系化しすぎてしまっているような気がする。甲子園に高校サッカー、インターハイ、目指すところが定まっているのはいいことだが、それによって勝利至上主義が生まれるのもまた事実。チームでの勝利を目指すことも大切だが、個人として何の種目に適性があるのかを見極める年代を作っても良いと思う。

本当は別の競技のほうが適性があるのに、最初に選択してしまったからこの競技をずっとやる。長い目で見るともったいないことだ。アレン選手の失格は大変残念なことであったが、彼のマルチな才能を見て、そんなことを考えてしまった。

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