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自分にはない想像力

明日世界は終わるんだって 君にはもう会えないんだって

YOASOBIの「アンコール」の冒頭部分である。この曲は、「世界の終わりと、さよならのうた」というネット小説が元になっている。突然、世界に終末宣言が出されて、明日には世界が終わってしまう―。そんな一日を表現した話だ。

小説なので、当然作者がいるのだが、明日世界が終わるという発想はどう持ってきたのかなぁと考えていた。想像することは出来ても、自分にはそれで話を書くことは出来なそうだなとも思った。しかし、どうも「明日世界が終わるかもしれない」という発想自体をする人が世の中にはいるということがわかる事例がたまたまあった。

その人は、気になる異性といると「明日世界が終わるつもりで」会っているらしい。要するにその時その時を全力で過ごしているということなのだろうが、普通の何気ない会話から発せられる思想に驚いた、というのが率直なところ。その時に空を見上げるとそれをよく感じるのだという。

「明日世界が終わってもいいように生きる」これは何となく自分の中でもモットー、というほどでもないが、ちょっとは考えて生きている一日があるような気がする。ただ、そこには法則性は何もなくて、そういう日がたまたまある、という感覚だ。だから、具体的なケースでそう考えるという事例に初めて出会った。

そう考えると、「世界の終わりと、さよならのうた」の作者も、そういう着想ができる人なのかもしれない。小説の世界のすべてを体験することは事実上できないけれど、想像力をフルに働かせることができると、作家の三浦しをんさんは著書の中で言っている。

自分にはわからないと思った想像性を目の前にして、何かのヒントになりそうだなと思った一日だった。

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